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本当の恋

生涯でただ一度だけ愛された記憶をまるく抱えて眠る/尾崎飛鳥

 私の人生は恋多き人生だと思う。しかし私はまだ本当の恋を知らない。27年間生きてきて、恋のようなものは数え切れないくらいしてきたけれど、それらはすべて本当の恋ではなかったと思う。

 これまでの人生でただ一人だけ、心から愛してくれた人がいた。その人に同じだけの愛を返すことができずに終わった恋だ。愛された記憶は私を強くする。あの人が私を愛してくれたのと同じように、いつか私も誰かを愛してみたい。そう願いながら私はまた恋をする。

恋愛のようなものならいくらでもできると知った二十六歳

セックスをしたら好きになっちゃうって勘違い二十七年してた

「本当に」好き「本当には」好きじゃない「本当の」わたし「本当に」いる?

あなたのことほんとにほんとに好きだからセックス以外のことがしたいよ

※これは尾崎飛鳥の第一私家版歌集『こい、きおく。』のあとがきに、ページ数の関係で入らなかった文章です。

歌集はBOOTHでお求めいただけます。
https://ozaasu.booth.pm/

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