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熟成と時間

いいお酒を造る為には、発酵とか熟成の期間が絶対いる。
その為には、やっぱり時間がかかるということ。
20代で経験したことが、
色んな経験を積み重ねながら発酵して熟成していく為には、
20年とか15年とかいう時間がいるのかもしれない。

ミャンマーなどの国々で、小児医療活動をされている吉岡医師のインタビューからのメモのようです。
メモの日付は2014年5月と10年も前ですが、今も活動を継続されているご様子です。
最近、コスパ(コスト・パフォーマンス)とかタイパ(タイム・パフォーマンス)とか、手っ取り早く成果にありつけることこそ吉、といった風潮も一部ではあるようです。
でもね、極論かもしれませんが、無駄ってないのだと思うのです。
かけた時間や手間は無駄ではなく、かけただけの何かは自分の中に残ると、僕は信じています。
比喩は適切ではないかもしれませんが、小説で説明してみます。
ページ数の短い小説はサクッと読めますが、何百ページもあったり、上下巻や複数巻に分かれて刊行される小説の方が、読み終わった時の感慨は、比較にならない気がします。
自然と、物語にも重みが備わる気がするし、そこへの没入感も増します。
人も同じかな、と。
人の生き方もそれ自体がひとつの小説みたいなものですから。
吉岡さんが言われるように、お酒でも例えられるのかもしれません。
熟成7年のスコッチ・ウイスキーより、12年のものの方が芳醇ですし、包みこんでくるような何かをまとっています。
僕は今、40代の人生の時間を過ごしていますが、これまでの過ごした時間の総和が、発露している今なのかなと思います。
芳醇で、包みこむような何かをまとった人になりたいものです。
じっくり時間をかけて。

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