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カメラ製造会社で色の出方が違うのは何故?

私がこれまでカメラを使い続けてきてふと思った事。


「製造会社で色の出方が違うのは何故か?」


今回は仮説を立ててご紹介したいと思います。


使用するカメラ

今回、検証に使用したカメラは以下の通り。

キヤノンEOS R6

ソニーVLOGCAM ZV-1


現像結果

2つのカメラであじさいをRAWで撮影し、現像を行いました。
結果がこちらです。

キヤノンEOS R6

ソニーVLOGCAM ZV-1

現像設定はほぼ一緒なのに、ZV-1の方が緑が強く出ているな・・・と思いませんか。
何故こうなったのでしょう?

ここから仮説を立てて検証していきましょう。


検証

今回私が立てた仮説は以下の通り。

  • 元々何を作っているのかの違い

  • デジカメ競争に残りたいため

それぞれの仮説についてご説明します。

仮説1:元々何を作っているのかの違い

キヤノンとソニーは、それぞれ製造しているものに違いが生じており、まず2つの会社で思いつくものと言ったらこうなるのではないでしょうか。

  • キヤノン:カメラ、プリンター

  • ソニー:テレビ、ビデオ、ハンディカム、ウォークマン

この時点で既に差が生じていますよね。

続いてそれぞれの企業について。
キヤノンは精機光学研究所せいきこうがくけんきゅうじょが前身となり、日本初の小型カメラの試作機を作ります。その時に出来たカメラの名前が「KWANON(カンノン)」と言う名前でした。この「KWANON」が後に「Canon」のブランド名採用と会社名の採用に繋がります。
それ以降もカメラの製造は続けており、カメラ以外にもプリンター(家庭用・業務用)、医療機器などの製造を行うようになっています。

一方のソニーは東京通信工業とうきょうつうしんこうぎょうが前身であり、最初に製造されたのは何と電気炊飯器だったとのこと。意外にも白物家電が最初と言うのは驚きですよね。
そこからどんどん発展し、日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオなどを製造していきます。1960年代にはビデオテープレコーダーや「トリニトロン」を採用したカラーテレビの製造を開始、1970年代にはビデオテープの規格競争に負けてしまった「ベータ」を製造するなど、最初からカメラ製造には携わっておらず、本格的なカメラの登場は1996年になってからとなります。
(ソニーが製造したカメラとしては、1981年に登場した「マビカ試作機」が最初。しかし、この時は試作機のみで市販までには至っていない。)
現在はカメラも製造していますが、本腰を入れるようになったのはコニカミノルタからの一眼カメラ製造の引継ぎを行ってから。その他にテレビやビデオカメラ、オーディオなども引き続き製造されています。

(↑リンク先の記事は2016年のものです。現在このイベントは行われていません)

これを考えると、キヤノンは始めからカメラを製造しているため、カメラらしい色の出方をするのに対し、ソニーはテレビやビデオテープレコーダーなどの製造をしているため、テレビらしい色の出方をしているから緑色の強さが異なっているのではないかと思われます。

仮説2:デジカメ競争に残りたいため

キヤノンとソニーは現在、カメラメーカーとして君臨していますが、互いにライバル同士でもあります。
カメラのシェアはキヤノンが1番となっており、その後にソニーが追従する形となっていますが、月間の売り上げについてはソニーとキヤノンで入れ替わる事もしばしば発生します(勿論ニコンなどもこの競争に入っている)。

互いに残りたいがために、双方とも良いレンズやイメージセンサー、映像処理CPUなどを入れて来ます。そうなると出される写真の質もメーカーによって若干変わって来ることがあります。
映像処理CPUはメーカーごとに名前が異なっており、

  • キヤノン:DIGIC(ディジック)

  • ニコン:Expeed(エクスピード)

  • ソニー:BIONZ(ビオンズ)

  • ペンタックス:PRIME(プライム)

  • OMDS:TruePic(トゥルーピック)

  • パナソニック:ヴィーナスエンジン

となっています。
それぞれのCPUにも特性があるので、映像・画像の表現も異なりますね。
競争に残りたいがために行っている事を考えると、メーカーごとに色の出方が変わってもおかしくありません。


最後に

今回は「カメラ製造会社で色の出方が違うのは何故?」をお届けしました。

2つの仮説を出しましたがあなたはどう捉えているでしょうか?
私としては最初からカメラを製造している会社と製造していない会社とで色の差は大きく出るのではないかと思いますね。それが今回の検証で解りました。
ソニーの方が色が良く出るからこっちにしようかな・・・と思う方もいらっしゃるかと思います。色の出方は人それぞれですので一概に答えは出せませんが、購入や研究の参考にしていただけると幸いです。

この他にも仮説はいくつか含まれている可能性はあるかも知れません。
ここで出した仮説は必ずあっているとは限りませんので、あとはご自身で是非探してみてください。もしかしたら良い仮説が生まれるかも知れませんよ。

今回はここまで。是非夏休みの自由研究などに使用していただければ幸いです。


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