マガジンのカバー画像

ムーミンの本に関すること

43
ムーミンの本について書いた記事
運営しているクリエイター

#トーベヤンソン

ムーミン本読み方のすすめ⑥こう読むべしということはない(ひとやすみ)

ムーミンの本をおすすめする投稿をこれまでいくつか書きました。ムーミンの本について書いた投稿は、マガジンにまとめています。 本を勧めるときは相手がどう感じるか知りたい!当然といえば当然ですが、私が書いたことがムーミンの面白さのすべてということではありません。 本を勧めるってどういうことなんだろう?とふと疑問に思ったので、考えを少しまとめてみたいと思います。結論は見出しのとおり、「本を勧めるときは相手がどう感じるか知りたい!」ということです。 経験上、漫画を勧めること・勧め

ムーミン本読み方のすすめ⑤『ムーミン谷の仲間たち』

読み方のすすめ、ようやく5回目です。今回は、7作目『ムーミン谷の仲間たち』をおすすめします。 1. ページ数(講談社文庫の新装版のページ)や章の数や構成の特徴270ページ(9つの作品からなる短編集で、1話につき30ページ弱) 9つの短編は、下記のとおりです。 春のしらべ ぞっとする話 この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ 世界でいちばんさいごの竜 しずかなのがすきなヘムレンさん 目に見えない子 ニョロニョロのひみつ スニフとセドリックのこと もみの木 各作品はそんな

ミムラねえさんの赤いマグカップに書かれた文のこと

今回は、この前紹介したミムラねえさんのマグに書かれている英文について少し書きたいと思います! 絵は『ムーミン谷の夏まつり』のおなじみの挿絵ですが、後ろに書かれている英語は『ムーミン谷の十一月』のミムラねえさんの台詞の英訳です。 『ムーミン谷の十一月』のどの台詞?You seem to be yourself again. Actually, you’re nicer that way. グッズを見たとき、『ムーミン谷の十一月』っぽい予感はしましたが確信が持てなかったので

ムーミン本 読み方のすすめ②:順番に読む(パート2)

ムーミンの本9冊をおすすめする文章を何回か書く予定です。 前回、全部読める人は順番に読むべし!と書き、6冊目『ムーミン谷の冬』までの流れを簡単に紹介しました。今回は7~9作目を続けてを読むポイントを紹介します。 パート1のおさらい1~5作目では、災難が生じて解消されて安全に至ることが物語のキーポイントです。このハッピーエンドまでの流れは、ムーミンの作者であるトーベ・ヤンソンの考える「子どもの世界」の表現です。しかしながら、作品を経るごとに、災難はあまり怖いものではなくなり、

ムーミン本 読み方のすすめ①:順番に読む(パート1)

ムーミンの本を読んだことがない人に上手におすすめできる人になりたいです(できなかった…)。ムーミンの本は、文字で書かれているもの(絵本・漫画ではないもの)が9冊あります。これらのシリーズについて、おすすめの読み方やどんな人・気持ちも時にどの本が合っているかなど、数回にわたって書いてみたいと思います。 おすすめ①パート1:刊行された順に全部読む!(今回は6作目まで) 最初からハードルが高いですが、もっともおすすめしたい読み方です。全部読んでみたいけどどの順に読んでいいかわから

ムーミンについて書いた卒論と修論の概要(リポジトリからダウンロードできます)

大学院時代(2013-2016)に卒論を書き直したものと、修論の前段階の文章を大学が発行している冊子に掲載させてもらっていて、大学のリポジトリにあるので紹介します。(2020/11/22加筆) 論文を読むのは大変だと思うので、すごく簡単に紹介します。卒論と修論を通して書いたのは、児童文学のムーミンシリーズ9冊の構成やテーマの変化です。児童文学のムーミンシリーズは以下のとおりです。 1945年『小さなトロールと大きな洪水』 1946年『ムーミン谷の彗星』 1948年『楽しい