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UNDERTALEと私 #1:はじめまして

UNDERTALEに触れた音ゲーマーがヒーローに成敗されるに至るまでの話。

(約)4周分を4つの記事に分けることにした。この記事では、認知から初見の1周目を終えるところまでを書き記している。もちろんネタバレ。

なお、前回「#0」と称して完走後の動向について書いている。形にするのが完走から1年後になった言い訳も兼ねて。


UNDERTALEとの出会い

2022年、DanceDanceRevolutionへのMEGALOVANIA収録を皮切りに、KONAMIの音楽ゲームブランド・BEMANIシリーズにもUNDERTALEの楽曲が収録され始めた。

筋金入りの音ゲーマーを20年以上続けていた私が、UNDERTALEというゲームを認知したきっかけである。

音ゲーにアンテ楽曲が収録されたのはBEMANIシリーズが初めてではない。先んじてグルーヴコースターや太鼓の達人などにも収録されていたそうだ。

このような言い回しになるのも訳がある。様々な音ゲーに触れる多機種勢を自負していたものの、当時の私が主にプレイしていたのはpop’n musicとbeatmaniaIIDXのDP。BEMANIシリーズ以外の音ゲーからやや距離を置いていた時期でもあったため、アンテ楽曲の収録状況はあとになって知ったからだ。

そのうち、BEMANIシリーズへの楽曲収録が縁でアンテを初プレイする人や、すでにアンテをプレイ済みである音ゲーマーの反応が目に入るようになった。UNDERTALEとは、どうやらプレイした人の記憶に強く残りがちなゲームらしい。気になりつつも先延ばしにしているうちに、とうとう決定打となる告知が。

2022年12月22日。私が音ゲーマーとなるに至った機種、pop’n musicにも、アンテ楽曲が3曲収録されることとなった。サンズと名乗るスケルトンと共に。

ご覧の通り、告知は万バズ。「ポップン絵柄のサンズ」は「ついに公式になった」と大騒ぎだったらしい。
若干圧倒される。本当に何も知らなかったため。

数少ない事前情報

  • 1日で1周できるくらいのボリュームであること。

  • ルートが分岐するゲームであること。
    ただ、GルートのGはA~Gのルートがあるものと勘違いしていた。

  • どうやらサンズは重要なポジションのキャラクターらしく、また「クソ花」呼ばわりされる奴がいるらしいこと。

  • 避けゲーであること。
    DanceDanceRevolutionに収録されたMEGALOVANIAのショックアロー(踏んでしまうとミスになり、譜面も一瞬見えなくなるノーツ)が原作再現と言われていた。

  • そして、できる限りネタバレを踏まずにプレイするべきゲームと言われていること。

私がプレイ前に得ていたアンテ情報は上記の通り。これらもX(当時のTwitter)でフォローしている方の投稿を目にする形で得たもののみだ。よく見るYouTubeチャンネルもいくつかあるものの、アンテ実況はサムネイルすら視界に入らなかった。

しかし何という偶然か。pop’n musicの告知直前である2022年12月17日、気に入っている実況主(もちろん音ゲーマーではない)がアンテ実況動画を投稿し始めていたのである。

今までこれほどアンテに縁がなかったというのに、ここに来てうまいこと重なりすぎていやしないか。アンテに触れるのはまさに今だと感じざるを得なかった。

初見プレイ

正月休みの2023年1月2日、UNDERTALE(PC版)をプレイし始めた。せっかくだからpop’n musicに入った3曲とも本家で聴きたいな、と深く考えずに定めたモチベーションを携えて。

「主人公の名前」は「アオ」。青が好きなので。

プレイ中に感じたことは逐一メモしていくようにした。この振り返りも当時のメモと記憶を元にしている。

遺跡〜トリエル戦

初っ端から「クソ花」もといフラウィの洗礼を受け、トリエルさんをまんまと疑ってしまう。さほど悪気なく、モンスターを数匹と、トリエルさんを手にかけてしまう。

だって! LV.1のままじゃ不安だし! トリエル戦は話しても意味がないとしか出ないし! それに攻撃したって命を落とすまではいかないと思ってたんだよ!

たぶんみんな言ってる。

倒しても後でどうにかなるのだろう……そんな甘っちょろい期待もフラウィは嫌味ったらしく否定してくれた。マジでクソ花である。しかし進むしかない。トリエル戦BGMがほろ苦く心に残る。

スノーフル〜パピルス戦

森へと出た道に煽られる心細さは、ポップンぶりのサンズと彼の弟であるパピルスの愉快なやり取りが吹っ飛ばしてくれた。あとイヌかわいい。

スノーフルの雰囲気は和やかかと思いきや、住民の話しぶりから陰鬱さがにじむ。図書館でモンスターの最期にまつわるレポートを読み、遺跡での行いへの罪悪感を抉られる。あとグリルビーさんが刺さる(異形頭好き)。

間違い電話で歌われる。fun値イベント(ゲーム開始時ランダムで決まる内部の数値が特定の値の場合に起こるイベント)を引いたらしい。

パピルス戦は実質負けイベント。諦めが早い。
骨兄弟宅には戻ったものの、パピルスに対しては「そこまで好かれるようなことしたか……?」と逆に一歩引いてしまい、デートを回避。コミュ障め。

ウォーターフェル〜アンダイン戦

草むらに身を潜める主人公への殺気で身がすくみ、道中の槍攻撃×2では結構な回数命を落とす。アンダイン、怖すぎる。必死に逃げ惑う中でもBGM(RUN!)がかっこいい。

パピルスからの電話では嘘をついたので、自分の薄汚さが強調されたように感じる。

マネキンから理不尽に当たり散らされる。それにしてもBGMがかっこいい。

モンスターの子と敵対するべきか否かは苦悩した挙げ句、ひどいことを言って突き放すと決断。さっきから他者との関わりを避けすぎではなかろうか。「私」がモロに出てて恥ずかしい!! とっさに助けはしたので……。

アンダイン戦はどこか音ゲーっぽいので苦手意識も薄め。主人公が訴えかける「友達になりたいだけなんだ」には「ガチで命を狙いにきてる相手になんてこと言ってんの!?」と目を疑う。しかし逃げた先で倒れたアンダインを助ける動機は「さっき友達になりたいだけって言っちゃったから」に他ならないのであった。
ウォーターフェル、コミュ障への荒療治編か?

ホットランド~メタトン戦

あぁ……ユニラボね……。
※アンテ楽曲が収録されたpop'n musicのバージョン名。研究所をモチーフにしたデザインである。

クイズショーではアルフィーが答えを教えてくれていたことに気づかずじまい。企画潰ししてごめん。
あと「アルフィーが想いを寄せている相手は?」ではさっき見たひとだというだけで「アンダイン」と答えていたような。アルフィーが踏んだり蹴ったりである。ほんとごめん。

マフェット戦で一時間以上足止めを食らう。攻略法には「アイテム持ってなかったら貢ぎつつ耐えろ」くらいしか書かれていなかったので、相当むしり取られる羽目に。

サンズとの食事イベントで「今まで主人公が復活できてたのはサンズのおかげだったのか!?」と勘違い。だって思わせぶりだし……。

コア以降、明らかにアルフィーの様子がおかしい。次々現れる敵の猛攻に耐えた先、立ち塞がるメタトンから事実を聞かされる。
「アルフィーの自分勝手な茶番に付き合わされてただけ?」
……よほど衝撃だったのか、メタトンがバトルを吹っかけてくる理由が頭に入っていなかったらしい。コンティニューの合間にバガパンと裏路地の2人との間を取り持つ。

ニューホーム〜アズゴア戦

地下世界の昔話。誰が悪いわけでもない、やるせない記憶。涙を誘うBGMの中、モンスターたちが望む未来は、7人目のニンゲンである主人公の死なのだと悟る。「自分の名前が書かれた空の棺桶があらかじめ用意されてるくらい」。

サンズの審判。遺跡で積み重ねたLV.5は、RPGの文脈しか持っていなかった。許されると思っていた攻撃の残酷さを改めて突きつけられる。トリエル戦で過ちを犯したと感じなかったら、それこそいくらでも”EXP”を得続けていただろう。

ひとの話が頭に入っていないため、セーブポイントがやけに多い理由にもピンとこず、アズゴア王もこれまでと同じく攻撃せずに済むと信じきり、詰む。何なら耐えているうちに主人公のタマシイが奪われるとすら考えていたかもしれない。検索してようやく、アルフィーが告げた通りだったのだと把握。
主人公は困難を乗り越え、地上に出ようとしなければならなかったのだ。

アズゴア王が一旦こちらのHPを1残してくれ、食らうダメージが増えていく「仕様」を踏まえ、どうにか乗り切ると、一度粉々にされた"みのがす"が現れる。ほっとしたものの、地上には出れなさそうな雰囲気だ。

……からの「クソ花」襲来。突然消えるウインドウ。一瞬で肝が冷える。

フォトショップフラウィ戦〜エンディング

恐る恐るゲームを再起動すると、オープニングが改変されている。おぞましいバケモノと化したフラウィ。絵柄が違う。

一方的に蹂躙されながらもひたすら耐え忍ぶ。そのうち、フラウィに取り込まれたはずのタマシイたちが、助けを求める主人公の声に応える。どこまでが自分の操作の影響なのか判然としないまま、タマシイたちに急かされるように、無我夢中で攻撃を続ける――。

すっかり萎れたフラウィを見逃そうとするも、何度も脅されるものだから流されてしまう。あーあ。分岐としてはここで台無しになるわけではないが、実に中途半端なケツイである。

ということで、「女帝アンダインからより強固になった殺意を向けられ、無邪気なパピルスに罪悪感を抉られる」が初見1周目の結末に。

結局、主人公は誰とも仲を深めていない。主人公を操作したことで私のコミュ障っぷりが浮き彫りになってしまった。つらい。
だがこれはゲームなのだ。心残りがあれば、最初からやり直せる。傍観の姿勢でいたり、他者に流されたりするばかりでは、平和な展開にはたどり着けないのだ、と肝に銘じてリセットする。

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