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パリと京都の往復書簡  野菜事情編①

季節の移り変わりは早く、外の景色は初夏の模様。今回はスーパーで見かけた野菜から思い出した、フランスの味について。


白いアスパラガスへの憧れ。 ◀︎◀︎◀︎ヤマダ@KYOTO

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春になるとフランスでは、ホワイトアスパラガス、出てきますよね。
先日わりとレアな食材もおいているスーパーに行ったら、太くて立派なホワイトアスパラガスが3本で1370円。おお! 日本では食べたくても、食べれないフランスの味。高級品です。

柚子や大葉、肉厚の椎茸なんかはやはり日本らしい食べ物でしょうか。
フランスの八百屋さんで、ShitakeとKakiって書いてあった時は、日本語のまんまやん!と、ツッコミました。 Kakiってことは、柿の木は"Kakier"になるの?って質問をして、フランスの友人を困らせたことがあります。(ちなみにリンゴはPommeで、リンゴの木はPommierになるので、その法則は適用されるのか?の質問でした。)親切な友人は調べてくれて、翌日に"Plaqueminierだよ"と教えてくれました。

根セロリのサラダとか、食べたいなあと、ふとした時に思います。
お気に入りのスーパーで、売れ残りがちな「変わったお野菜」に貼られた値引きシールをチェックしながら、今日も日本でフランスの味を思い出す私です。


サラダという言葉の多様性。 ▶︎▶︎▶︎カネコ@PARIS

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アスパラガスの季節ですね。先日、パリ郊外の野菜摘みができる農場へ行ったのですが、まだ季節的に早かったため、自分で摘めるのは主にレタスやルッコラなどサラダ菜でした。それだけでは寂しいので、併設しているお店であれこれ物色していると、立派なホワイトアスパラガスを発見。これほど季節を感じられて、立派なメインの食材にもなれる、こんな野菜、あまりないのではないかと思います。

当たり前かもしれませんが、スーパーや市場に並んでいる野菜の種類は日本とフランスでは結構違いがあります。土壌だけの問題ではなく、食文化の違いが反映されているのでしょうね。例えば、日本は葉物野菜が豊富な印象です。ほうれん草、小松菜、春菊、水菜など火を通して食べることが多いように思います。反対にフランスでは基本的に葉物野菜を生で食べるので、火を通さないと食べれないものはほとんどなく、サラダ菜のような葉物の種類が多くあります。

フランス語の"Salade"という言葉は、サラダという料理名でもありますが、種類が豊富なサラダ菜の総称としても使われます。フランスに来た当初、サンドウィッチ屋で「サラダいる?」と聞かれ、サイドメニューのことだと思い、「それいくら?」と、的外れな返答をしてしまったことがありました。親切な店員さんはサラダ菜を指さして、「これ入れる?」と聞き返してくれて、助かったんですが。


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フレンチな野菜たち

フランスにいて欲しいけど手に入らない(もしくは手に入りにくい)野菜といえば、こんな感じでしょうか。

葉物野菜
鍋の季節になると春菊や水菜が恋しくなります。白菜は割と簡単に手に入るのですが、ちょっと物足りないので、代用としてよく使うのはクレソン。辛みもあり、薬味的な役割も果たせるので、鴨鍋との相性はとても良いです。

キャベツ
キャベツ自体はフランスにもあるのですが、とても固い。先ほどのサラダ菜とは逆で、こちらでは火を通して食べるもので、日本みたいにキャベツの千切りみたいな食べ方はしません。我が家では、トンカツの付け合わせはサラダ菜、お好み焼きは白菜で代用します。

かぼちゃ・さつまいも
種類が違うのかよくわからないのですが、こちらのかぼちゃ、さつまいもはホクホク感がありません。火を通すと人参のような食感になってしまい、ホクホクをイメージして煮物や焼き芋を作っても、イメージ通りにはならず、ちょっと残念な結果に。でも別物だと思って料理すれば、おいしく食べられます。

日本と比べるものでもないとは思うのですが、個人的な意見としてこれだけはフランスの方がおいしいと思う野菜たちといえば・・・。

じゃがいも
種類も豊富で、調理方法(揚げ、蒸し、ピューレなど)によって使い分けます。家に食材がない時に、茹でたじゃがいもにバターかマヨネーズをつければ、もうそれだけで幸せになれます。

サラダ菜
日本のものよりも葉自体の味が濃い気がします。オリーブオイルと塩とレモンがあれば、特にドレッシングはなくてもおいしいサラダができます。レストランでランチにサラダを頼むとチキンやハム、チーズなどの具もたくさんのっていて、それ一品で大満足なご馳走になります。

いんげん
私の場合、日本ではそんなに食べた記憶がないのですが、こちらでは定番野菜です。とにかく茹でたいんげんが甘いんです。色もきれいですし、色々な味付けでバリエーション豊富に味を楽しめる。卵といんげんのサラダを頼むと、山盛りの茹でたいんげんが出てきます。付け合わせにメインにと万能選手です。

で、フランスの野菜の買い方なんですが、、、と話をつなげたいところですが、これはまた長くなるので次回。

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ちなみに、先日大量に摘んできたルッコラはとてもサラダでは食べきれないので、鴨鍋に入れてみました。クレソンと同じ要領でさっと温まったところで食べます。あの辛みが肉の脂と相まって結構イケる味になりました。「ロケット鍋」の誕生です。(フランス語でルッコラはロケット(Roquette)と言います。)

ところ変われば、野菜も変わるということで。


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