#10 1年生になったら

 どこで誰と話したのか忘れたが、以前「友達は多い方がいいのか少ない方がいいのか」という話になった。

 結構色々な意見が出てくる議論だと思う。「だって多い方が楽しいじゃん」「少人数だとつまらない!」という友達多い方が良い派と、一方「うわべだけの人間関係作ったって仕方ないじゃん」「仲のいい奴が数人いればいい」という友達少ない方が良い派。答えの無いテーマだけに、どちらも正しいし、どちらにも穴がある。自分はどちらか。


 僕はこのテーマに関しては明確に「友達は多い方が良い」と考えている。理由は2つ。


 まず、いろんな人と「友達」になること、なろうとすることはさまざまな人と関わりを持つことであり、そういった出会いは自分の世界を広げてくれる。

 世界が広がるとどう良いのか、ゲームを例えに用いてちょっと極端に説明してみる。例えば、あなたはスーパーマリオしかゲームをやらない人間だ。これから「ゲーム友達が欲しい」と思ったときに、「仲の良い友達が数人いればそれでいい」と考える人は、恐らく自分と気が合う「マリオ(だけ)をやる人」と友達になろうとするだろう。話は超盛り上がって楽しいかもしれないが、他のゲームのことは一切知ることなく、その後のゲーム人生を歩むことになる。

 一方、「ゲームやってる人ととりあえずたくさん友達になろう」とする人。ゲームのジャンルは本当に様々だ。アクションゲームに限ったって、横スクロール、2D、3D、PvE、PvE、アクションRPG、などなど。スーパーマリオしか知らなかったのが、色んなゲームをやっている人とたくさん知り合うことで、色んなゲームを知ることができる。もしかしたらホラーゲームという苦手なジャンルに出会ってしまうかもしれないし、それをゴリ推ししてくる嫌なやつにも会ってしまうかもしれない。しかし、FPSという新たな自分の新たな趣味になりうるジャンルに出会えるかもしれないし、その新たな趣味から、一生の親友に出会ったり生涯を共にするパートナーも見つかるかもしれない。また、友達の誘いでたまたま出会ったストリートファイターでプロの道に進み、ゲームを自分の生業とすることができるかもしれない。これらは少なくともスーパーマリオだけをプレイしていては歩むことのできなかった人生だ。さらに、色んなゲームをやって、「でもやっぱり1番面白いのはスーパーマリオだよな」と初心に帰ることもできる。その時のスーパーマリオ愛の深さは格別なものになっているだろう。深く愛せるものがあるというのは人生において非常に有益だ。何か嫌なことがあっても、「でもこっちにはスーパーマリオがあるからね(?)」と心の支えになる。

 …何が言いたかったんだっけ。そう、つまり世界は広い方が良いのだ。そのためには、世界を広げてくれる出会い、友達が沢山必要なのである。


 そしてもう一つ。こちらは「友達少ない方が良い派」の意見に対する反論になる。

 「仲の良い、気の許せる友達が数人いればそれで十分」。友達少人数派の代表的な意見だ。まあ確かにそういった友達は良い。彼らさえいれば、他には何も要らないとさえ思わせてくれるだろう。

 しかし、その「彼ら」はどうやって見つけるのか。誰しもが最初はお互い初めましてであり、赤の他人だ。スタートラインは変わらない。そこからどうやって「仲の良い、気の許せる友達」を見つけるのか。基本的には数ある友達の中から、勝ち残り形式で自分の周りに残った友達がそうなるのだろう。友達が少数だった場合、この「勝ち残り」が非常に小規模になってしまう。10人の中から仲の良い友達3人を選ぶのと、100人の中から3人を選ぶのでは、どちらがより本当に「仲の良い友達」に近いのか。答えは明確だろう。「仲の良い、気の許せる友達」を見つけるにしても、やはり友達は多い方が良い。

 それか、もし「俺は仲良くなれそうな友達をはじめから見極められる」という人がいるのなら是非教えて欲しいくらいだ。そんなことが人間にできるのなら、喧嘩やいじめなど起こりはしない。


 以上が僕の意見だ(全て、あくまで個人的な見解とする)。

 …そもそも、友達という「人間」を一個人の分際で厳選しようなどという行為そのものが烏滸がましいと思うけどね。減るもんじゃないし、多ければ多いほど有益だと、単純にそう考えている。


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