#13 野菜炒め

 キャベツと玉ねぎ、あとはその日の買い物で安かった食材があれば追加。肉は大体鳥の胸肉かもも肉、それか豚小間。全部一緒に炒めて、塩胡椒とオイスターソースで味をつける。

 僕が間違いなく今までで1番多く作ったご飯は野菜炒め(?)である。前に一人暮らしをしていた時も現在も、ほとんどの夕飯をこれで済ませてきた。週に3〜4回は食べているといっても過言ではないと思っている。しかし、野菜炒めが特別好きなわけでもない。「失敗しづらいから」「安いから」「沢山作れるから」というのが主な理由だ。先日この話を友人にしたところ、すげえなお前、とそこそこ驚かれた。皆、毎日同じものを食べることにはどうやら抵抗があるらしい。


 最近気づいたのだが、自分は「食」にあまり興味が無いのかもしれない。


 正直なところ、週7で同じ味付けの野菜炒めを食べることにあまり苦痛を感じない。違う献立を作るために、わざわざ違う食材を高く買うことの方が辛い。外食はもっとお金がかかる。せめて週1くらいにとどめておきたい。

 このように、気がつくと「何を食べるか」ではなく「いくらで食べるか」というスタンスで食と向き合っている。少し困るのが、旅行先でも結構お金を気にしてしまうこと。旅行に来たこの町は〇〇が有名で、△△というお店が有名なんだよ!と言われても、あまりピンとこない。ちなみに旅行の目的として「△△の〇〇を食べる!」みたいなのは非常にポピュラーだが、自分が食べ物を理由に旅行を計画することは極めて稀だ。福岡に行った時に「資さんうどん」のゴボ天うどんが食べたくて1日のスケジュールを組んだのが唯一くらいか。

 なかなか非人道的なことを書いてしまった気がするので弁解しておくが、「食」が嫌いな訳ではないし、ものを食べても美味しいと感じない、という訳ではない。旅行先のご当地料理はどれも美味しいし、今まで食べたものはちゃんと思い出に残っている。また友達に「ここのお店が美味しいんだよ!」と連れて行ってもらったお店で美味しいと思わなかったことは一度もないし、後悔したこともない(皆その節はありがとう)。高いお金を出して食べる料理はそれだけ美味しいし、それだけの価値があることも十分理解している。

 ただ、他人よりかは少しだけ、「食」の優先順位が低いのだろう。高いご飯はたまーに食べればいいし、美味しいお店を沢山知っているという経験値も特に欲しいと思わない。殊更普段の食事に関しては、必要なエネルギーの摂取が最優先事項だ。だから間食や食べ歩きはほとんどしない。自販機のボタンは多分年に10回押してないと思う。

 ちなみに、食の「興味」は薄いが、どうでもいいところの「拘り」は結構ある。炊飯器にはできるだけお金をかけたいと思っていて、お米は絶対少し硬めであまり熱すぎないように作りたい。ファストフードの時は飲み物は必ずコーラ。ペプシじゃなくてコーラ。コカ・コーラ社の、赤ラベルのやつ。それを、グラスいっぱいの氷で少し薄めた状態がベスト。そうしないと炭酸が強すぎて、飲みづらくなってしまう。etc...


 経済的に余裕ができれば、今の状況は少しでも変わるのだろうか。インスタに今日行った美味しいお店やらお洒落な自作料理をバンバン投稿する日がいつか来るのだろうかと思いながら、今日も野菜炒めを作って食べている。

 

 

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