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「今を恥ずかしがる妻」と「独りを嫌がる一人部屋」   春干し柿食ふほどのどかな家族  220215

お見舞い

妻と息子が病院に見舞いに来た。
せっかくだから、妻と息子の病院での写真を撮ろうと思った。
「いや、やめてよ~」と言って恥ずかしがるかなと思ったら…。

「ここで?あんたが撮るの?」
と言いながら喜んで、妻と息子2ショット写真を何枚も撮らせた。
病人に…。

なぜだ!

化粧してマスクもしてるし、私だから…。
だろう…。


「どうせ老けて見えるから嫌だ」
といつも言うが…、いくつに見えたらいいのだろう?
マイナス5才くらいだろうか…?


病院廊下で…
「こんなんする人おらんよ」

と、言われつつ撮る。

ここで…?
見せる?
その服で?


家族写真院内ソーシャルディスタンス


着替えと、家の冷蔵庫に忘れられてた干し柿もらい、帰って行った。
これで息子の帰省も終わり。
撮った写真はもちろんlineする。



談笑スペース

各階に数ヵ所ほど、小さな談笑スペースがある。コロナ前なら賑やかだったろう。
今はポツリ…。

今、ここにポツッと居る人たちは、なぜか一人部屋や特別室の方が来ている。
特別室なんかホテル並みなのに…。
でも、
ここへ来ている。

誰とも話せず離れて一人でも、
人の往来を感じたいように見えた。

部屋に独りで居るよりいいよと本を読む…、という感じがした。

聞いたわけではない。
「何してんの?」と聞けるわけがない。

4人部屋の人たちは誰も来ていない。

病院では、人がそばにいると安心するようである。
不安な時、何かを掴むと安心するように…。 



病床で茶の湯気にゆれる家族写真
忘れてた去年の干し柿ひとつ手に
食いつつスマホをながめ見る

皿にへた置き息子にline
「頑張って」
茶をすする…

「がんばります」
「がんばって」
茶をすする…

長閑なる院内写真笑む家族

春干し柿食ふほどのどかな家族


3年前を思えば、むしろ幸せ

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