#ショートショートnote杯 “夢のカフェ”
ここに来れば君に会えると噂に聞き…訪ねた。一度しか来られないという。
“夢のカフェ”
少し緊張しながらドアを開けカフェに入る。昔ながらの…昭和のにおいがする喫茶店だ。店主は少し年配らしき女性一人だけで、客はいない。
「いらっしゃいませ」
いったい君はどこから現れるのだろう?
見回しなからテーブルに座り、緊張をほぐそうと…大きく息をした。
「ふぅ~っ…」
「ダメ…!」店主が驚いたように言う。
「えっ?何か?」
「駄目なの。危ない…。その息…」
「えっ?…なにが?」
店主は話しはじめた。
「あなた、見えない?その宇宙…。あなたの目の前よ。微かな小さな点…。黒いの見えない?」
「中で、地球…回ってるのよ」
「そこに会いたい私が…いるの…」
「ため息…つかないでね…。もうすぐ現れるから…」
私は息をしなかった…。
その喫茶店…店主は少し年配らしき男性一人だけで、客はいない。
「いらっしゃいませ」
https://note.com/simpeiidea/n/n494a3af60f97
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