「血球貪食症候群」 240524
「血球貪食症候群」
さいとうがこんな病気になったのは2年前の1月です。
始まりは口内炎なんですが、これがなかなか治らない。むしろ増えていくんです。いやこれはおかしい。と思い始めた頃熱が出てきました。
当時はコロナのピークでしたけども、さいとうはコロナなんてとっくに罹ってたし、次の予防接種も受けていたんです。なのにまた同じような高熱と締め付けられるような頭痛が続く。
あきらかにおかしい。
急いで主治医の診察を受け、ステロイドの内服薬もらいました。
「これで熱が下がらなかったらすぐ来てください。」、2日分。
下がらなかった。39度。
あげくに首のリンパもパンパンに腫れてきたもんだから、再受診です。
すると、すぐ「調べてもらった方がいいですね」と血液に強い総合病院を紹介され、即入院となりました。
入院すぐに点滴と十数本の血液検査。遺伝子検査含めて体中のあらゆる検査でした。もう毎日検査の連続。
それでも原因がわからず、
ついた病名「不明熱」!。
そうだ、そういえばこの時、ベッド上で終活してた。
原因不明の熱が続くとこんな病名になることを初めて知りました。
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その後も、発熱の原因を探るための検査は続き、重痛い骨髄検査を受けた末に病名が判明。
「血球貪食症候群」
血球を貪り食う症候群!!?
なんとまぁ怖い病名です。免疫であるはずのマクロファージが自身の血球を貪り喰っていると言われます!
怖いけども、症状が出始めてからもう2週間経ってましたから、病名が分かっただけで安堵。原因が分からないのに病名が分かっただけで安堵です。
やはり「分からない事」が体に起こってるということの方が一番怖かったのです。
ですが、、
「さいとうさん、やばいですね。」と複雑な顔で先生に言われた病気でした。
「でも、頑張りましょう!」
…。どんな顔をすりゃいいのかわからなかった。
先生が病室から出た後、ベッドに横たわったままネット情報や論文を色々調べました。
しかし、若い方の回復記録は載ってるけども、60歳以上となると回復記録がなかなか出てこない。。。
ふぅ〜、、、。
横たわったまま、調べるたびに諦めていったことを覚えています。
ですが、この悲しさは続かなかった。
ステロイド点滴を受け続けてることで徐々に熱が下がり始め、体が楽になっていったからです。
体が楽になってるってことは「良い状態」に向かってる。それは分かる。後日、肝臓や腎臓の生検予定が入ってましたが、それもキャンセルとなりました。
良かった。さいとうの場合はステロイド治療がとてもよく効いたのです。
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病室は4人部屋。
手術後の方が出たり入ったりされる部屋です。コロナで空きが少なかったからかもしれませんが、入るほとんどの方が歩けず、トイレも看護師さん頼み。それに薄いカーテン越しに先生と話をされる声は丸聞こえなのです。症状がすべてわかってしまいます。
ある日、食事をうまく取れない患者さんが、
「先生、歩きたい」と言われています。
看護師さんは、
「ちゃんと食べれるようになってからね」と優しく答えられてましたが、
「先生、歩きたい。。先生、、、リハビリ、、、したい。」
必死に懇願されていました。動けない体すべてを使い、絞り出してるような声でした。
カーテン横でその方の声を聞きながら、、
人の生きる力は「〇〇したい」
という欲望があってこそのものだと改めて感じました。
その方の声を聞いた時、俳人の正岡子規が病床で詠んだ、
「いくたびも雪の深さを尋ねけり」
という俳句を思い出しました。カーテン隣で患者さんの声を聞いてると、何度も雪の深さを尋ねている正岡子規の俳句と重なり、涙がボロボロ溢れ出てきました。なんかさいとうの感情全てを揺さぶられているかのようでした。あんなことは初めてです。
感情を抑えようとすると声までも出して泣きそうでした。
「〇〇したい!」という生きる力を持ち続けようと思った場面だったと思います。
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長引くと思われてた病気の治療は4ヶ月で完治しました。先生は「今まで治った人を診たことがない」と言ってたし、ステロイド治療だから最低でも1年は続くと思ってたのです。
ま、完治しました。と言っても翌年に再発症状が出たうえに、未だに原因が分からないからなんとも言えません。(感染症が原因のようですが色々な要素が絡み分からないことも多いそうです。)
この病気は日頃の体調の変化に気づき、早い検査と治療は必要だと実感しています。
しばらく毎年検査となるのでしょうが、さいとうの場合どうも夏と冬に弱いようです。年の半分以上!
いつも〇〇試験と重なってしまう、言い訳。
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このような病気のことを久しぶりに書きましたが、
私が罹患した「血球貪食症候群」と闘っておられる方が、このnoteにいらっしゃいます。
ミズトタカさんです。
しかし、病気と闘っておられるのはミズトタカさんご本人ではなく娘さんなのです。それに娘さんは「血球貪食症候群」だけでなく「再生不良性貧血」を併発しておられます。
いつも詳しい治療内容や分析をミズトタカさんは冷静に、しかも分かりやすく書いておられます。(血液の専門用語はもちろん出てきます。)
最近の記事で
娘さん、改善傾向なんです。
まだ喜ぶ段階じゃないかもしれないですけど、やはり喜ばしいんです。陰ながら応援しています。
改善傾向ということは娘さんが、少しでも楽になっているんだろうなと思います。
勝手に載せていいのか少し迷いましたけども、ご紹介しました。
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私の場合、ただつらつらと自身の病気のことをnoteに書いて不安を発散させていました。
そのnoteで80万人に1人とも言われる病気の方の記事に出会うとは思いもよりませんでした。
同じ病気で苦しんでおられる娘さんとミズトタカさん。何もできないのですが、ご快復されることをお祈り申し上げます。
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