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食生活のデザイン

一人暮らしの利点は、生活をデザインできることだと思う。特に食生活。
誰かと暮らしているときと違い、好きなときに好きなものを食べられるし、「朝はこれを食べる」みたいな感じでメニューを固定することもできる。

そんなわけで、最近私の食生活も固まってきた。

朝:糖質オフグラノーラ+無脂肪ヨーグルト、プロテイン、カフェオレ/トマトジュース

昼:Base Bread、なにかもう一品(日によって異なる。スーパーで買ったきんぴらごぼうとか、サンドイッチとか)

夜:納豆ご飯、味噌汁(玉ねぎ、豆腐、わかめ、とろろ昆布)/炒め物(豚肉、玉ねぎがベース。オプションでキムチとか)

とりあえずはこんな感じだ。ここにオプションで卵や夜のプロテインなどが加わる。

冷蔵庫に常備する食材も決まってきた。豚肉、玉ねぎ、無脂肪ヨーグルト、牛乳、卵、豆腐、納豆、トマトジュース辺りである。

発酵食品が多めなのは、私が乳糖不耐症のくせに牛乳が好きなせいで、しょっちゅう腹を下す腸内環境最悪人間だからである。
発酵食品が腸内環境の改善に役立つのか正確なところは知らないが、食生活を固定化したらやっぱり多少はマシになったので、ヨシ!

味噌汁や炒め物は、火を入れたり冷蔵庫にしまったりすれば2-3日はもつので、自炊する頻度も2-3日に一度でいい。
それに、自炊といってもやることは「玉ねぎや豆腐だけ切ったら、あとは具材をフライパンか鍋にぶち込んで火が通るまで放置する」程度なので、だいたい5-10分もあれば終わる。
数日に一回、長くても10分程度で終わるなら、料理もいい気分転換だ。

一人暮らしを始める前は「自分は料理という作業そのものが嫌いなのだ」と思っていたが、いざ一人暮らしが始まると、思いの外自炊ができている自分に気づいた。
きっと私は「料理という作業そのもの」ではなく「自分の気が乗らないタイミングで、自分が求める水準以上の料理を作らされる」ことが苦痛だったのだろう。

(私は実家にいた頃に夕飯当番をしていたのだが、これがめちゃくちゃ苦痛だった)
(なにせ、身内は料理に求める水準が私よりもはるかに高いのだ。やれ「肉が固い」だの、「品数が少ない」だの、「レパートリーが代わり映えしない」だの……)

さて、かくして「自分にとって苦痛でない範囲で、なるべく安く健康的な食生活をデザインする」という私の目的は達成されつつあるわけだが……最近、現代の食生活について考えていることがある。

「現代の食生活は、健康的でない形に固定されてしまっているのではないか」と。

考えてもみてほしい。

玄米と白米、肉と魚、どちらの方がどこでも安価に手に入るか。
うちの近所、肉に比べて魚がバカ高いんだけど……うちの近所だけ??
ってか、玄米なんかスーパーで売っているところを見たことがない(流石に大げさかもしれないけど)。

肉と魚、どちらの方が楽に作って楽に食べられる商品、ならびにメニューのレパートリーが多いか。「雑な肉野菜炒め」はあっても「雑な魚野菜炒め」ってあんまりなくないか?
へとへとに疲れているとき、ウインナーくらいは温めて食べられても、焼き魚は食べられまい。頼みのツナ缶やサバ缶なんかも、それ単体で食べるには適さない。

米と蕎麦、どちらの方が「一緒に食べると美味しい食材」が多いか。そして常食を想定した売られ方をしているか。
蕎麦のように本体の入手が容易な場合であっても、合わせられる食材に限りがあれば「普段の食事」にはなりづらいのではないか。

安く手軽に、野菜や果物を摂取できる手段はどれだけあるか。最近だとミックスサラダなんかも売っているが、サラダにして美味しい野菜なんて、だいたいほぼ水じゃん(暴論)
金や手間をかけず、生活スタイルによらず、家族だろうが一人暮らしだろうが日常的に「火を通した野菜(特に根菜)」を食べる手段がどれだけあるだろうか。
一人暮らしだと、スーパーで売っているような野菜はそうたくさん買えない。食べきれないからである。買えても一種類か二種類くらいだ。

逆に、魚や野菜・果物に比べて、糖質や脂質がいかに安価かつ入手容易か。
悲しいかな、菓子パンだけで済ます食事は震えるほどに安いのだ。調理の手間もかからないし。

こういう点を指摘しだすとキリがない。
とかく現代の食文化は、私たちが思っている以上に「健康よりも娯楽」「最低限、糖質・脂質でエネルギーが摂取できればいい」という側面が強いのではないかと思う。

極めて消費的であり、刹那的であり、そしてそれゆえに消費者資本主義に適合した形の文化だ。
だから肥満や生活習慣病、グローバルサウスからの搾取、ディストピアじみた畜産など「持続不可能である」といった問題を抱えることになる。

では、その逆の「健康的な食事」は脱消費主義的なのか? そういうわけでもなさそうだ。
健康的な食事、すなわち心身の健康を一秒でも長く持続させようとするような食事だって、別角度から見た資本主義・プロテスタンティズムの象徴なのだ。
個人的に、こちらはこちらで「あまりにも持続してしまう」という問題を抱えているように思う。まあ、深く突っ込むとセンシティブな話題になってしまう気もするが……

……おや? なんでこんな壮大な話になっているんだ?
ただ自分の食生活について喋っているつもりが、いつの間にか盛大に脱線していた。今日はこの辺りにしておこう。

最後に。

「健康的な食事 朝:味噌汁、ご飯、焼き魚、おひたし」みたいなのを見ると「そんなん毎日用意できるわけねーだろ!! 暇ちゃうねんぞ!!!」と叫びだしたくなるよね。
だから当方はいつでも「手軽に用意できる、みんなの健康的な食事」の情報をお待ちしております。ほな、ばいなら〜〜

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