あかさたな

イギリスとジョルジュ・バタイユが好き🤟

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フランスへの謎の憧れ

フランスは「理想」の国だと思う。 つまり、実情はどうあれ、あるいは可能かどうかはさておき、美しい憧れみたいなものをいつの時代も追求してきたということだ。 この点で、フランスは果実の国というよりは、むしろ花の国なのだろう。 時折それは乱れ咲きとなり、徒花であれ世界中に薫香を散らしてゆく。 (他の国だと中国辺りがこれに近い気もするが、私は中国ミリしらなので断言はしない) そもそもフランスは、その最古の時代からして理念的なのだ。 まあ、大昔の「フランス」が今と同じ意味でのフラ

    • 幸福なるクソジジイ

      人間誰しも、クソジジイなりクソババアなりに理不尽に罵倒された経験があるだろう。 私にもある。車椅子に乗ってやって来たジジイ──車椅子では通路が狭くて通りにくいから、ストレスが溜まっていたのかもしれない──に「気が利かないバカ」だのなんだのの罵倒を頂戴したのであった。 何千といるそれ以外の客に苦情を言われたことはないため、自分の対応にさしたる問題があったとも思えない。まったくもって嫌な老爺であった。 だがクソジジイの存在によって、私は人間の素晴らしさを感じもしたのである。

      • 不器用、座標、価値

        手袋からビールの──正確にいえば金麦の──においがする。先ほど缶を取り落として、ものの見事に穴が空き、吹き出してきた炭酸を手で押さえたせいだ。 押さえきれなかった発泡性の液体が、ゆるくなった泡とともに床に滴り落ちる。それでも勢いが殺されなかった泡は吹き出して、いかれたスプリンクラーのように遠くの床に撒き散らかった。 私はふいにフランソワーズ・サガンを思い出す。あれは海辺の砂と時間の話だったか。タイトルは分からないが。散った金麦が一瞬、夕映えに染まった、あるいは砂の混じったさ

        • 人の心が読めたとして

          (恒河沙、阿僧祇、那由他……ハリカルナッソス!) 創作の世界では「人の心を読める超能力者が、『あいつうざい』みたいな本音ばかりを見てしまって、人の心の醜さに失望する」的な描写がよくある。 だが、本当にそうなのだろうか? 実際の人間は無意識のうちに、意味のわからないことを、意味のわからない順序で、理由もなく考えているんじゃないか? 冒頭の「恒河沙、阿僧祇、那由他……ハリカルナッソス!」はふと気づけば私が考えていたことだ。 「なぜ桁のでかい数字に思いを馳せていたのか」とか「

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        フランスへの謎の憧れ

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          ポリコレ、「ナショナル」を経由しているからダメなんじゃないか説

          なお根拠はない 個人的に、ポリコレの理念はダメじゃないが、ポリコレの実践はダメな方向に行っていると思っている。 でもってその原因は「救われるべき弱者とは誰か?」という問いに、言語化された明確な答えを出そうとしてしまったことに由来しているとも思う。 このような「救済リスト」を作ることの厄介さは二つある。 一つ目は「救済リスト」から現状漏れた者の反発を招くことだ。これはリベラルに対する失望と、ポピュリズムの台頭などに典型的に見られる。 いわゆる「弱者男性」言説もこの辺りに絡

          ポリコレ、「ナショナル」を経由しているからダメなんじゃないか説

          あくび

          結構面白いモチーフだと思うんだよね あくびはまず、きわめて動物的な行為だ。 「大きなあくびをするライオン」みたいなイメージってあるじゃん? そして基本的に、動物的な行為は文化によって制約される傾向にある。 しかし、あくびはこの制約が薄いのだ。 あくびに付与される意味はせいぜい「眠気、退屈」くらいのものである。 あとはここから派生して「人の話を退屈だと思っているサインであるがゆえの失礼さ」「思いがけず生理的に退屈のサインを発してしまう滑稽さ(退屈な話を聞いている最中、必死

          あなたのコミュ障はどこから?

          最近コミュニケーションの難しさを感じたのは、好きな音楽の話になったときだ。 私は「どんな音楽を聴くの?」という問いに答えられない。 まず、好きな音楽のジャンルなんてものがない。なんでも聴くし、なにも聴かない。 それに、自意識過剰だからどんな答えを返せばいいのか分からないのだ。 コッペリアのマズルカが好きだ。サティのジュ・トゥ・ヴが好きだ。ラ・カンパネラが好きで、カプリース24番が好きで、トロイメライが好きで、別れの曲が好きで、月の光が好きで、死の舞踏が好きで、トレパックが

          あなたのコミュ障はどこから?

          幼児性の迷宮

          何者も逃れられないのかもしれない 最近、精神的な幼児性ということについて考える。 幼児性というのは要するに「自分さえよければいいと考え、己の選択だけを愛する閉じたエゴイズム」のことだろう。 では、これと反対の精神性は何なのかといえば「自分で選んだわけではない人・集団のために献身し、責任を引き受けようとする覚悟」だと思う。 例えば、私たちは自分が生まれてくる家族を選べないし、国や地域を選べない。更にいえば、自分自身に備わっている性質や資質も選ぶことができないだろう。 だから

          幼児性の迷宮

          性格の悪さ=メタさ

          性格の悪さは、嘲笑の対象に対して「高次」に立ったときに出てくる。 例えば、YouTubeでしばしば見かける特定の層を揶揄する動画(「こういうイタいヤツいるよね」とか「道徳の授業っておかしいよな」とかそういうアレね)。 ああいう動画のコメント欄には、だいたい「この動画で揶揄されているタイプの人間じゃなくて良かった」「こういう人ってある意味幸せそうですよね笑」みたいなコメントが書き込まれているものだろう。 そしてこの手のコメントには「私はこの動画で揶揄されている人間とは違って

          性格の悪さ=メタさ

          女の獣

          クソデカ主語カーニバル💃🎉 「女の狂気」みたいなものがめっちゃ好きなので書きました。ラブレターです。 混じりっけのない女の本能っていうのは、食欲だ。 女はみんな、自分の裡に血なまぐさい獣を飼っている。こいつは何かにつけて外にのさばり出ては、涎を垂らして目につくものを片っ端から呑み込もうとする。 この貪婪な獣は、鏡に映る自分さえも喰えると信じているんだ! だから女は美に取り憑かれる。鏡を見つめる女にとって、美とは最初の他者だからだ。美しさとは力であり、それゆえにすべてなのだ。

          そうだ、ムキムキになってみよう!

          「パワーをつける」という目的のもと、筋トレを始めて三年以上が経った。 せっかくなので、これからムキムキになってみようかな〜という人向けに、ちょっとしたメモを残しておこうと思う。 なお、私は「ボディメイク/ボディビル」「ダイエット」にはまったく詳しくない。あとトレーナーとかでもないド素人なので、そこはご了承ください。 ⑴負荷とセット数3回から、多くても5回で限界を迎えるような重量でやろう。 補助に入ってくれる人がいるなら、1回がギリギリの重量にチャレンジしてみてもいいかもしれ

          そうだ、ムキムキになってみよう!

          昼食の最適解、いまだ謎

          以前「食生活が固まってきた」という話をした。が、正直なところ、昼食にはまだ納得がいっていない。 このメニューだとどうしてもお腹が空くのだ。「Base Bread+サンドイッチ」だとパン+パンで腹持ちが悪いし、「Base Bread+惣菜」だとそもそも量が足りない。 それに、サンドイッチにせよ惣菜にせよ、スーパーで買えるものは栄養バランスが偏りがちだ。 ここは初心に帰って、Base Bread2個食いするか……? でもな〜Base Bread地味に高いんだよな〜〜(ケチ)

          昼食の最適解、いまだ謎

          アホのハッピードリンクをつくろう!

          「余計な脂質・糖質を摂らずにすむ」というプロテインの良さを完全に殺したアホのハッピードリンクを作るぞ! うまい! うまい! あとタンパク質を25gくらい摂れる! 一杯100円しない! ハッピ〜〜🤘

          アホのハッピードリンクをつくろう!

          フローラルな香りが苦手な理由を考えた結果の産物 花とは衰微する宿命の象徴だ。 興味深いことに、花は植物が子孫を残すための手段であり、あくまでもプロセスの一つであるくせに、それ自体が愛でられる。 花は枯れると分かっていながら愛でられる。いや、枯れると分かっているからこそ愛でられるのだろうか。 花の持つ「贅沢である」という価値は、花の命が短いことに由来するからだ。 花を愛でるとき、私たちは水切りだなんだとこれを長もちさせるための工夫をこらすが──結局、やさしい配慮にもかか

          精神的不調には「対処」できるんだよな

          慢性的なものでなければ、心の不調に対処するのは割と容易である、と思う(精神疾患を患っている場合は分からない)。 基本的に、食べて、運動して、眠れば大抵の落ち込みをごまかすことができるからだ。 この点、人間が肉体であるということは都合がいい。 肉体は精神というソフトウェアを搭載した、単なるハードウェアではない。肉体の状態は、実のところ精神の状態に大きな影響を与えているのである。 だからきっと、心身一元論者は穏やかに暮らせるだろう。 彼らにとって、精神的な不調は身体的な不調と

          精神的不調には「対処」できるんだよな

          まどほむ

          まどマギの話ができる友人がいなくてヤケクソで書いた キャラの呼び方がブレブレだけど気にしないで まどかはなんというか、「善性のサイコパス」だと思う。 サイコパスというと誤解されそうだが、反社会的という意味ではない。「自分と他者の命を分け隔てしない」「多数を救うために少数を犠牲にするような選択をとれる」くらいの意味だ。 実際、まどかは他者を救うことにためらいがない。自分がどれほどの犠牲を支払うことになっても、彼女は先に進んでしまうのだ。 一周目の世界では交通事故にあった黒