検索エンジン対策(SEO)とページスピード~訪日観光客と検索エンジンの意外な関係 ☆
今日はウェブアクセシビリティから離れて、検索エンジンの話です。
(最後はウェブアクセシビリティに触れますが‥)
文字ばかりなので、時間がない!という方のためにポイント部分は太字にしております。ご容赦ください。
訪日観光客と検索エンジンの意外な関係
さて皆さんはどこの検索エンジンを使っているだろうか。
アウンコンサルティング調べ
「世界40カ国、主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】2018年4月25日」
によると、日本国内から利用された検索エンジンで、一番シェアが大きいのはパソコン(以下、PC)、モバイル共にgoogleが9割を超えている。特にモバイルに関しては実に99%が「Google」。
次いでPCではBing、モバイルではBaiduだ。
Bingの場合はブラウザー・IEのデフォルトがBingになっているため変更していなければそのまま‥というかたもいそうだ。モバイルでgoogleが多いのは、昨年9月にAppleがSiriやSpotlight検索をBingからGoogleに変更したことが影響としてあるよう。
またBaiduに関しては訪日した中国人観光客が利用していることが理由のひとつにあげられていた。
この調査は2018年2月時点。
日本政府観光局 (JNTO) 発表統計よりJTB総合研究所作成した訪日外国人数を国別の表をみると2月は中国からの来日が、前年と比べても多かったことが見て取れる。(上から2段目が中国で、2月の対前年同月比は40.7%)
なお今年の春節は2月16日で、現地の多くの企業は大みそかにあたる2月15日から2月21日の7日間が休み。
インバウンド 訪日外国人動向 /JTB総合研究所
Yahoo! Japanは?
「あれ、私Yahoo! Japanを使ってますけど?」というかたもいると思う。
もちろんポータルサイトYahoo!Japanを入口に使っているかたは今も多いと思う。
Yahoo! Japanは、2011年以前Yahoo独自技術の検索エンジンを提供していた。10年くらい前は、Yahoo! Japan対googleという感じで当初は欧米と異なり、日本ではYahoo! Japanが圧倒的にシェアを占めていた。
しかし今は中はgoogle、そこにプラスαで差別化しており、この調査ではgoogleのシェア9割のに含まれている。
Yahoo!自体は検索サービスの草分け的で、ウェブディレクトリ型と呼ばれる検索サービスを提供してきた。ウェブディレクトリ型は、1つ1つウェブサイトの名前とURLとその内容をデータベースに登録したもの。
「Yahoo! Japan」は、ご存知の方も多いようにソフトバンクグループが共同出資して1996年にできた。因みに1998年9月にGoogleが誕生した。
<もう一つおまけに言うと、私が一番最初に見よう見まねでウェブサイトを作って公開したのは1997年です。
話のネタで、「Yahoo! Japan」には後れを取りましたが、Googleよりは先んじることができた!!---ということにしてます‥。>
インターネットが普及し同時にウェブサイトも爆発的に増えるとウェブディレクトリ型ではとても追いつかない。2004年にはロボット型検索エンジンYahoo!Search Technology (YST)に切り替えたりもしたが、2010年7月にYSTをやめGoogleの検索技術を採用といったことを経て現在に至っている。
世界の検索エンジンのシェア
アジア・オセアニア・北米・南米・ヨーロッパ・アフリカ、どこをみてもパソコンもモバイルも一番はgoogleだ。
しかし例外がある。どこの国(地域)だと思われるだろうか?
答えを考えて頂く間に別の話をしよう。
さきほど、Yahoo! Japanの中はgoogleと書いたが、同じYahoo!でも「Yahoo!台湾」や「Yahoo!香港」は「Bing」を使っている。ゆえに、PCもモバイルも2位にBingが顔を出してくる。また韓国と言えばNaver。他国と違い2位にNaverが善戦している。
このように国によって若干特徴が見られることがある。
さて話を戻して、PCからとモバイルから共に1位がgoogleではない国。
答えは「中国」と「ロシア」である。
なおこの場合の中国には香港と台湾は含まれていない。
中国のPCとモバイルアクセス1位はBaidu。2位はPCが360searchとモバイルがShenmaという、あまり日本では馴染みのない検索エンジンが上位だ。
ロシアはYANDEX RUがPCで1位、2位はgoogle。モバイルでは逆転して1位google、2位にYANDEX RUとなっている。特に英語圏以外では国によってシェアが異なるのが興味深い。
googleは何を重視しているか
検索エンジンとして圧倒的なシェアをgoogleはもっているのだが、ちょこちょこと検索技術(アルゴリズム)を変更している。
今年の予定として、2018年7月には「ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用する」と既にプレスリリースされている。
”Speed Update”(スピードアップデート)と名付けられているが、「ページスピードが遅いと、ユーザーの滞在時間の低下の原因になる」「ページスピードの改善は運用コストの削減に役立つ」といったgoogleの見解が反映されている。また、
「ページの読み込みに3秒以上かかると53%のユーザーが離脱する」
(Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed)
というデータもある。エンドユーザーを待たせないコンテンツ提供が必要でだ。なおgoogleはPageSpeed Insightsという、表示スピードが測れるサービスを提供している。PCでアクセスした時はどうか、モバイルからだとどうかと判別してくれるサービスだ。
早ければいいというものでもない
googleがスピードアップデートをするからといって、早く表示されるように腐心するのは早計だ。googleが常々言っているのはコンテンツ重視。
2012年にgoogle ウェブマスター向け 公式ブログで
という記事を掲載している。
googleがアルゴリズム変更をするというニュースが流れるたびに、検索エンジン対策としてテクニックに走るのを何度も見聞きしているが、googleがなぜそうするかというと、
- 中身がない・内容がない
- 品質管理されていない
- 更新されていない・情報が古い
- 信用ならない
といった「ないない」のページのふるい落としといっても過言ではない。
2015年4月にはモバイル フレンドリー アップデートがあった。モバイルのような小さなスクリーン上でも読みやすいか、再生できないコンテンツが含まれていないかなど、モバイル端末で見た時にエンドユーザーがアクセスしやすい、つまり「アクセシブル(accessible)」なものということになる。
検索結果に信用ならぬものが表示されては、google自体の信用度低下に繋がる。ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)の向上を目指してアップデートがされていると考えれば、アルゴリズム変更のニュースに一喜一憂することはないと考える。
最後に
今日は検索エンジン対策(SEO)について書きました。
googleの考え方はウェブアクセシビリティに準じるものでもあります。
私自身がnoteを利用し始めてもうすぐ1か月となります。独自創作コンテンツが多く、どのページを拝見していても面白い記事が詰まっています。
そしてこんなに面白いのになぁ‥と思うのは、「画像」だけしか貼っていないページ。
画像検索技術も向上してはいますが、テキストがきちんと添えられているか、もしくは画像に代わる「代替テキスト」があるものじゃないと、アクセシブルではないと判断されてしまいます。余程重要度の高いのコンテンツじゃない限り読み取られることは厳しいです。
残念ながらnoteでは、画像1つ1つに代替テキストを付与することができません。であれば、テキスト(文字)で何かしらの説明を添えると一助となります。また、それは目の不自由な人がスクリーンリーダーを使って、noteを見た時に画像の代わりに読み上げられるものとなります。
どうか、検索エンジン対策も兼ねてスクリーンリーダーへの道しるべも用意してあげてください。
それと、先日piece of cake CXOの深津氏が「プロフィールを書こう」に書かれていましたが、noteのプロフィール文はGoogle検索に用いられる部分となります。
確かにnoteのHTMLソースを確認すると、名前の部分がtitleに。またプロフィールの部分がgoogle検索にひっかかりそうな一番最初のテキストになっているので、まだ設定していないかたは「プロフィール編集」でしっかり修正したほうが良いですね。
以上、検索エンジン対策と言いつつ最後は結局ウェブアクセシビリティ対策へのお誘いでした。あなたのnoteを育てましょう♪
(了)
ヘッダー写真 撮影地 ニュージーランド オマル ©moya
最後までご覧いただきありがとうございます! 現在放送大学でPDFのアクセシビリティを卒業研究中。noteはそのメモを兼ねてます。ヘッダー写真はnzで私が撮影しました。 【ご寄付のお願い】有料noteの売上やサポートはnzクライストチャーチ地震の復興支援に使わせて頂いております。