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『関係の終末』は「あの地獄」の始まりに過ぎなかったのか①

『他人は地獄だ』、『関係の終末』を徹底考察

ヨンキ作のWebコミック『他人は地獄だ』とその関連作である『関係の終末』。今回は、2作品を横断する形で深ぼり&考察をしていきたいと思います!ネタバレがあるので、作品を純粋に楽しみたいという方は、後ほどお会いできたらうれしいです!


『他人は地獄だ』は、『関係の終末』の1年後の物語

惨劇の夜が明けて

『関係の終末』では、中盤から終盤にかけて民宿での凄惨な事件の様子が描かれます。かつて、いじめられていた過去を自分の手で終わらせたいと思った主人公のマサルに、ハシラが加担をし、壮絶な殺し合いへと発展してしまいます。

かつてのいじめっ子たちは、マサルとハシラによって見るも無惨な姿へと…
マサルにとって果たしてこれは望んだ未来だったのでしょうか?これで過去を終わらせ自分たちの関係を終わらせることはできたと言うのでしょうか?

マサルも同じように感じ、呆然と抜け殻のようになってしまっていました。

その裏でマルとおばちゃんは、着々とこの地を去る準備を始めています…
ハシラもここには長く居られないと悟ったのか、哀れな状態のマサルを気遣うこともなく、「あなたも行かなくてはいけません」と言い放ったのです。

ヤツらのやり口?

夜の間から着々と逃げる準備らしきことを進めていたのは、マルです。おばちゃんも手馴れていると感心していましたし、マルは以前にも似たようなことをやっていたのでしょうか?

おばちゃんもマルのことを褒めるわりには、自分も全く動じていませんし、凶暴ないじめっ子連中にも全くひるんでいませんでした。

ハシラもハシラで、最初マサルの手助けをするようなそぶりで(というよりは、使い魔として召喚された感じ)いましたが、徐々に支配的な態度に変わり、マサルの心をゆっくり壊していきます。

三人の連携プレーというか、なんというか…

新たな地獄の始まり

惨劇の舞台の民宿に火を放ち後にした三人とマサル。やがて新しい拠点を見つけることに。それが、『他人は地獄だ』の舞台となったあの下宿です。

おばちゃんは、下宿の大家に、マルやハシラは入居者に。そして、その場所にユウが新しい入居者としてやってきてしまうのです。

民宿の惨劇からわずか1年後のことでした…

ハシラ語録検証

『他人は地獄だ』、『関係の終末』の2作品を通して、ハシラは常に印象的な言葉を放っています。他の誰も理解できないような「ハシラ語録」を…

「お友達」と「遊ぶ」とは

最初に持ってきてなんですが、これはハシラではなく、おばちゃんが言っている言葉です。おばちゃんとハシラはどうやら長い付き合いらしく、『関係の終末』でマサルとハシラが話していると「あら、もうお友達が?」と嬉しそうにしていました。

その後もハシラに「まだ遊びたい?」というようなことも言っていましたが…成人男性に向かって「お友達」と「遊ぶ」??実の母と息子であっても不気味ですよね?

ハシラにとって「お友達」って自分が支配したい人、「遊ぶ」って思い通りに一緒に猟奇的なことができる人って意味だったりしますか??

コワイ

「この仕事」とは

『他人は地獄だ』でハシラは度々、自分の仕事が大好き、僕は本当にこの仕事が向いていると思います、というようなことを言っています。
ユウが「どのようなお仕事なんですか?」と尋ねると…

「デザイナーみたいなもんです…」って言ってましたけど、そう言われたら「そうなんですね、」としか言えないよねぇ

でも、その後にマルとカン先輩の家を襲撃した時(先輩は無惨な姿に)、マルと口論になり「あなた、この仕事向いてないんじゃないですか?」みたいなこと言ってる…

この仕事って…何~~!!

「作品」と「不良品」とは

『関係の終末』で、マサルがいじめの主犯格の男にとどめを刺すのをひどくためらっていると、ハシラは「おじさんは不良品だ」と言います。

一方、ユウに対しては、『他人は地獄だ』の終盤で、「あなたは私の作品」とまで言っています。

最初、ハシラはマサルのことを、「とても興味深いものを見た」と言っていましたし、覚醒した後も、まるで使い魔のようにマサルに従おうとしました。

しかし肝心なところで我に返り、怖気づいたマサルを見て、失望してしまったのでしょう。

(ハシラにとって)最初に興味がかき立てられる存在であったことは、ユウも変わりませんが、ずっと期待を裏切らないでいてくれた、ということでしょうか。

「ハニー」って??

『他人は地獄だ』で部屋の中などで度々ハシラが「ハニー」と誰かに呼び掛けているのをユウは聞いています。

最初は彼女と電話をしているのだろうと思っていたユウでしたが…

物語が進むにつれ、その頻度は高まり、ついにユウ本人に呼びかけます。

ハシラにとって「ハニー」って何なのでしょうか

「かわいくない」って??

学生のジュンが下宿にやってきて間もなく、ハシラは謎肉をおすそ分けします。一緒に食堂で食べることになった二人ですが、謎肉の感想を達者に述べるジュンに対し、「反応がかわいくないな」とつぶやきました。

一方ユウは、謎肉を初めて食べた時、口にあわなかったのか正直に「シブいっ」と発してしまいます。少しショックを受けていたようなハシラでしたが、その素直なリアクションを「かわいい」と思ったのかもしれませんね。

 

これより後、『関係の終末』は「あの地獄」の始まりに過ぎなかったのか②でさらに詳しく掘り下げていきたいと思います!



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