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『関係の終末』は「あの地獄」の始まりに過ぎなかったのか②


ヨンキ作のWebコミック『他人は地獄だ』とその関連作である『関係の終末』。今回は、2作品を横断する形で深ぼり&考察の第2弾です!ネタバレがあるので、作品を純粋に楽しみたいという方は、後ほどお会いできたらうれしいです!

『他人は地獄だ』にちりばめられた謎

『他人は地獄だ』にはいくつもの謎があり、読み進めていくうちに気になってしまって仕方ないことがあります。この記事では、多くの人が気になっているであろう今作の謎を『関係の終末』と絡めて考察していきたいと思います。

201号室は空き部屋なのか

『他人は地獄だ』の第1話で描かれる入居時、ユウは間違って201号室に入ろうとしていたところ、後からやって来た204号室の男に注意されあわてて202号室に入ろうとしています。

ユウが自室(202号室)に入って少しした後、201号室の扉が開き、中から男と思わしき人物が瞳をのぞかせました。

最初は、201号室には人がいてあまり社交的ではないのかとしか思えなかったのですが、これから後、201号室に人がいるかどうかには触れられておらず姿も現しません。

しかし、ユウが入居した日の晩に、誰かと話す声が聞こえてきたのは201号室ですし、ハシラは203号室です。

201号室には誰かがいたのでしょうか。それとも空き室をハシラたちが使っていただけなのでしょうか。

ハシラの謎肉つまみ

ユウを始め、下宿の住人たちにハシラが配っている謎肉つまみ。
ユウが初めてそれを口にしたのは、シャワールームでのハシラとの口論の後でした。

ハシラと軽く口論になってしまったユウは、自室に戻ってからもイライラが治まりません。ビールが飲みたくなったユウは食堂で探しますが、自身が購入していた物はなくなっていました。すると、後ろにいつの間にか立っていたハシラが、「今買ってきたので、ビールどうですか?」と神対応。

さっきのこともあるのでユウが戸惑っていると、ビールを1本投げてよこし、「おつまみはありますか?」とかいがいしく世話を焼きます。ハシラには故郷に母親がおり、いつもお肉料理をたくさん贈ってくれるのだとか。

「これ、どうですか?」とハシラは戸惑っているユウに目もくれず、箸で肉を取りユウに食べさせました。

強引なハシラに呑まれて肉を食べたユウは、これまで食べたことのないような味と食感にびっくりして思わず「シブいッ」と小さく叫んでしまいます。ユウの口に合わなかったのかと、ハシラは悲しそうな心配そうな表情をしますが、ユウが食堂を後にすると…

「おかしいな、いい肉なのに…」とつぶやきながら、誰かに語りかけながら肉を食べ続けるのでした。

このお肉ってなんなのでしょうね。
『他人は地獄だ』では、このシーン以外にもジュンの歓迎会?の時にもふるまわれていました。

3階には近づくなってなぜ?

ユウが入居して間もなく、彼女のメグと屋上で電話をしている時に、管理人のおばちゃんが「3階はもともと女性部屋だったんだけど今は使ってないから、立ち寄らないでね~」と注意しています。

軽く返事をし、気にも留めていないユウでしたが、後日3階からの異音に気づきます。おばちゃんが食料や備品の管理や作業のために使用しているのかもしれませんが、それなら、近づくななんて言う必要があるのかなと思ってしまいますよね…

その後、ハシラが3階から出てきた様子や3階を訪れる様子が何度か描写されています。ハシラはokでなぜユウはダメなんでしょうか。

『他人は地獄だ』に散りばめられた謎を考察


201号室の謎

『関係の終末』のエンディングで、ハシラはマサルに「あなたも行かなくてはいけません」と言っています。

その後、『他人は地獄だ』の舞台となった下宿にハシラたちが住むようになり、やがてユウが新しい入居者としてやって来る様子が描かれており、201号室から瞳をのぞかせる人物の存在が明らかになります。

マサルの「その後」は明確に描かれていませんが、201号室の男は、彼だったのではないかと推測ができます。『関係の終末』での民宿の惨劇の後、抜け殻のようになってしまったマサル。ハシラに言われるままに新しい拠点に訪れ、そこに囚われていたのではないでしょうか。

結局、ハシラの謎肉ってなんなの??

ユウとの仲直りのきっかけになれば、と思ったかどうかは分かりませんが、シャワールームでの口論の後に食堂でハシラが食べさせた「あの肉」。

ハシラ曰く、実家の母がいつも大量にお肉やお肉料理を贈ってくれるらしいですが…

ユウの後に下宿にやって来たジュンにも、ハシラは謎肉を振舞います。その当時、ユウは下宿を出ることを決意し、一人新しい家を探していたところでした。ジュンに取り入り、ユウのことを聞き出そうとハシラが目論んでいたのは明白でしょう。

屈託のないジュンは、ハシラの誘いに素直に応じ、謎肉をパクパク食べます。それを見てハシラは…

「君、よく食べるね、それ人肉だよ??」と満面の笑みで…

素直で人懐こく純朴な少年であるジュンは、それをハシラのジョークだと捉え、「なんだ、おもしろくて優しくて、イイ人じゃん!」って思ってしまいました。

  • 「おかしいなぁ、いい肉なのに」

ユウが初めてハシラの謎肉を食べた後、「シブいッ」とつぶやき、表情を曇らせました。それを見たハシラは「いい肉なのに…」ととても残念そう。
ユウが立ち去ったのち食堂に一人になったハシラは、なおも謎肉つまみを食べ続け、「おかしいなぁ、こんなに美味しいのに、お前もそう思うだろ??」と言っています。

  • いなくなった人たち

『他人は地獄だ』では、ジュンの前に同室に住んでいた男性、『関係の終末』の最後で一緒にやって来ていたマサルの姿がありません。

え??コレって…??

3階と屋上と物音

入居して間もなく管理人のおばちゃんに「3階には近づいちゃダメよ~」って言われたので、それを素直に守っていたユウ。

ユウが住んでいる下宿は3階建てで、3階は(おばちゃん曰く)昔は女性専用部屋だったのだけれど、今は入居者がいないため使っていないから近づかないように、ということだった。

管理人が言っているわけだから、多くの人はなんの疑問も持たず従うことでしょう。しかし、しばらくして上階から変な物音が響くようになります。
「使っていない」はずなのに…

また、この下宿ではタバコを部屋で吸う事が禁止されており、屋上や玄関で吸うように促されています。ユウが屋上でタバコを吸っているとハシラが3階から降りてきたり、3階に向かう姿が描かれています。

ジュンとハシラが謎肉をつまみにビールを飲んでいる時にも、不可解な物音がしていましたが、ハシラはネズミかな??と言っていました…

今回は、『他人は地獄だ』を読み進めていくうちに気になる謎について掘り下げていきましたが、次回『関係の終末』は「あの地獄」の始まりに過ぎなかったのか③ では、登場人物の関係性などについて深く考察していきたいと思います!











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