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おやつと私。

昨日、神戸は塩屋で開かれたあるイベントでおやつを出させてもらいました。

おかゆホテルさん主催の「おかゆのつどい」。

休職中や離職中、またはそれらを検討中の人や、今の働き方や生き方、仕事に違和感を持たれている人たちを対象に、お茶とお菓子を楽しみながら最近の気持ちや悩み、とりとめのない感情など、心の内をゆるゆると共有してみるというつどいです。

すでにイベントの名前から、おかゆホテルを運営するお二人のゆるりとした柔らかな雰囲気が伝わってきます。そして個人的には「つどい」というフレーズをチョイスするお二人の感性がやっぱり好きだなあと思いました。

おかゆホテルさんでの朝ごはん風景

おかゆホテルさんのnote、すごく素敵なので是非読んでみてくださいね。

ひとつひとつの言葉にぎゅっとご本人の実感が詰まっている感じで、読んでいると自分の中にじんわりじんわりゆっくりと、でも確かに言葉が染み込んでくる心地よさを覚えます。

それでいながら口調は優しく、意見の押し付けも、強い言葉での表現もない。心地よく人に伝わる文章ってきっとこういうものなんだろうな。私もいつかこんな風に言葉を綴ることができたらいいな。と、密かにいつも憧れています。

自分にできることで何か一緒にやりたい

さてさてそんな素敵な感性をもつおかゆホテルのお二人(さやさんとキタノさん)が中心となって開かれた「おかゆのつどい」。

インスタグラムで「お茶会」というフレーズをみたとき、直感で「私、この会で出すお菓子焼かせてもらいたいかも。」と思い、思わずすぐにさやさんに連絡してしまいました。
なんだかわからないけれど、あの瞬間「あ、やりたい!」と思ったんです。

そしてありがたいことに私の焼いたおやつを提供させてもらえることに。

クッキーを焼くことにした

家での試作。焼成前。

何をつくろうかなあと考えたとき、初対面の人たちが集まる場で「食べる」行為ってちょっと緊張するよなあ(少なくとも私は)と思い、当初はケーキを作ろうかと思っていましたが、カトラリーを使わずに気軽につまんでもらえるクッキーをつくることにしました。

今思えば、簡単で一度にある程度の枚数も焼けるクッキーは、作る側の私にとっても気負わずに、ゴキゲンな心持ちでリラックスしながら作れたからよかったなぁと。

おやつはクッキーに決定。

ただ、せっかくなら何か一ひねりあるものにしたいなとは初めから漠然と考えていました。買えるお菓子ではなく私の焼いたおやつを出す意味。

どうやら、どんなことに関しても「自分がやる意味」「自分ならでは」という要素をすごく大切にしたいようなんです、私。

正直、この性格ゆえに自分めんどくさいなあと思うことはあります。
他の人なら傷つかないようなことでへこんだり、めそめそ落ち込んだり。

でも、この性格が嫌いじゃないです。
元々アイデアを生み出したり企画したりするのは苦手なのですが、それでもこんな感じの性質ゆえに、なんとかかんとか頭を使って「私らしさ」を出そうと頑張ってみます。
その結果生まれてくるものが些細なことであったとしても、「自分で考えてみる」という主体的な行動を日々の生活で意識付けさせておかないと、気づかぬうちに色々なことに対して常に受け身の人間になってしまう気がするんです。

そうなってしまうことが私は一番怖い。

ちなみに、アイデアを生み出したり、ばんばん企画を打ち出すのは得意ではないとさっき書きました。なので、自分に対して「何かみんなをあっと驚かせるようなぶっとんだ発想のセンス」はこれっぽちも期待していません。
ほんとに、まったく(笑)

でもそんな私でいいんだと今は思えるようになりました。

むしろ自分は小さなサプライズや、日々の生活にちょっとだけ彩りを添えるような些細な喜び、なくてもいいけどあったら少し嬉しいもの、、、
そういうのを考えるほうがたぶん向いてるし、気負うことなく自然体に、楽しく妄想を膨らませることができます。

そしてそんな私の焼いたおやつが、写真の子たちです(笑)

我ながら、一見するとふっつーーーのクッキーですね。
いや、ふつうのクッキーなんですけど。それが私のおやつで、それでいいんですけどね。

でも実は、「こんなおやつだったら喜んでもらえるかな」「笑ってもらえるかな」「参加者さんの気持ちを少しほぐせるかな」という小さな小さなこだわりが隠れている(別に隠してはないです)ので、そのことについてあと少し書きたいと思います。

小さなこだわり①形

まず一つ目がクッキーの形です。

丸いほうは特にこだわりはないのです(あ、でも基本的に丸が好きです)が、表情のある子は今回「お米」の型で抜いてみました。

「おかゆホテル」要素を入れたくて米粒のカタチなんですがわかりますか、、、?(どうかわかってもらえますように、、!)

この型は地道に自分で作りました(笑)

米粒クッキーありかも!と思いついたはいいものの、たぶんこの形の型は売ってないだろうなと思ったので、普段はめったにお世話になることのないホームセンターさんでアルミ板と強力接着剤を購入。
動画を見よう見まねでちまちま自作。ちまちまちまちま。

やってみて思ったことは、「型作るんむず!」

お米の形はシンプルに見えたので、意外に簡単にできるんじゃないかと思っていました。
が、アルミ板がなかなかに固いので直線の状態から滑らかな曲線に仕上げていくのがすごく難しかったです。
しかも、一か所がいい感じに出来たと思ったらもう一か所が歪んでて、全体的にみるといびつ。なんやこれ。の繰り返し(笑)

いやあ、型手作りするのって大変なんですねぇ。
実は今まで、製菓用品店でかわいいクッキー型がたくさん並んでいるのを見て「かわいいけどなんで型ってこんなに高いんや」とか思っていたのですが、自分でやってみて型作りの大変さがわかったので、これからは躊躇せずに複雑な形は買おうと思いました。
さすがに大量生産されてるものは一つ一つ手作業というわけではないと思いますが。。

と、だいぶ話が脱線してしまいましたが、小さなこだわり①はお米をかたどってみたことです。

小さなこだわり②厚み

二つ目は、クッキーの厚みです。

これは2種類共に共通していることなのですが、今回は少し厚めに焼いてみました。

というのも、イベント当日は一人当たり大体3枚ぐらいかな~と考えていたので、一枚一枚に適度な厚みがあれば、全体としては少ない枚数でも程よく満足感を感じてもらえるかなと思ったのです。
そしてきっと皆さんお話しながらだから、ゆっくり少しずつ食べる方が多いだろうなぁという予想(妄想?)もあったので、一口ごとの満足感を高める意味でも、ぽてっとした厚みで焼いたのは良かったと思います。

これもまた振り返ってみればなのですが、濃厚な甘さやリッチな口当たりのクッキーだったなら、写真のような厚さで食べるのはしんどかったかもしれません。
でも、いつも通りヴィーガン・グルテンフリーで作っていたので、口当たりに重さがなく、食べた後もすっと体に馴染むようなものだったからこそ、この厚みと相性が良かったのかもしれません。

そしてこのこだわり②に関して嬉しいことが!

クッキーの厚さに関しては、特に誰にも話さず一人でほくほく満足していたのですが、試作の時になんとキタノさんが気づいてくれたのです。
試食してくれたときに、「この厚さいいよね~。なんかちょっと贅沢な気分。」と言ってくれて、思わず「そうなんですーー!」と興奮してしまいました(笑)
恐らくご本人は何気なーく口にされたのだと思いますが、自分がいいと思っていることに気付いてもらえたことがすごく嬉しかったんです。

小さなこだわり③焼き色

最後の小さなこだわりは、焼き色です。

今回イベント会場でお借りした塩屋のheso.という場所(とっても素敵な所です!)には、1階に製菓製造許可をとっているキッチンがあり、そこをお借りしておやつを焼きました。

オーブンがガスオーブンで、家庭用の電気オーブンよりも火力の強いものだったので一度試作をしたのですが、その時は低めに温度設定して焼いても少し焼き色がつきすぎてしまい、焼き上がりにあまり納得がいきませんでした。

試作①温度が高すぎたのか、ひび割れもけっこう多くて気になる
こちらも、ひびわれも気になる。

というのも、今回はお米をかたどっていたので色白に仕上げたいな~と思っていたのです。色白なお米ちゃん、うん、きっとかわいい。

そこで当日分を焼くときは更に温度を下げて焼いてみました。

すると、焼きあがった子たちの肌色が「お、いい感じ」。
一部にすこーしだけ色はつきましたが、それもおいしそうなきつね色なのでOK。全体的には色白ですべすべの子たちができました。
良かった~


と、こんな感じで、小さな「自分らしさ」を地味~~に出しています。

私という人間

周りの人たちからしたら、あまりに些細な事過ぎて「なんだそんなことか」と呆れられてしまうかもしれません。
でもこれが、私にとっては無理に見栄を張ったり背伸びせずに自分らしくいられる規模感です。そしてその中で、最大限自分なりに何ができるかなと考えているつもりです。

これまでは、やっぱり自分にないものを持っている人たちがかっこよく見えていたし、自分もそういう人たちのようにならなければいけないと思っていました。

例えば次から次へと面白いアイデアを出せるような人や、常に斬新な発想を持ち合わせているような人。
彼(彼女)らのようになれない自分には価値がないと思っていた時期もあるし、自分は何もできない、役に立たない、と感じてすごくしんどかったこともありました。

でも私が本当に得意なのは、ゼロからイチを生み出すことよりも、今あるものに少し工夫を加えて、もう少しだけ面白くしたり、誰かを笑顔にできたりするようなことを考える、ということ。

このことに気づいてからは、今までよりも自分に優しくなれたし、私はこれでいいんだと、いい意味で割り切れるようになりました。

そしてそんな風に思えるようになったのは、間違いなく周りの人たちのお陰です。

今回の「おかゆのつどい」を企画してくれたおかゆホテルさんも、私の作るいい意味で自然体、悪く言えば「普通」のおやつを、初めて会ったときからいいね!と言ってくれて、まるっと受け入れてくれています。

いろんな人に支えられて、助けられて生きているなあと思います。
ありがとうございます。

最後に

当初は昨日のイベントで出したおやつのことを書こうと思っていたのですが、だんだんと話が飛躍してしまいました。

でも確かに自身が感じていることですし、一見関係のないことのように思えますが、自分の作るおやつから見えてくる私という人間の性格やタイプ、そしてそんな自分を徐々に認めてあげられるようになったこと。

私の中では全てが繋がっています。

もしここまで読んでくださった方がいたら、本当にありがたい限りです。。
私なら途中でやめてると思います(笑)

もし良ければ、こちら私のおやつアカウントです↓
https://www.instagram.com/nichi_nichi_oyatsu/

いつかどこかであなたのためにおやつを焼かせて貰える日がきたらいいなあと思っています。












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