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和歌、再びリルケ

リルケの「ドゥイノの悲歌」をなんとかなんとか現在読んでいるところで、読み進める一助として紹介のあったのが、人間国宝の染織家で、随筆家でもある志村ふくみさんの書かれた「晩禱」(人文書院)。

志村さんはリルケをこよなく愛されていて、毎日一頁ずつ読むことを自分に言い聞かせながら読んできた時期もあったという詩集「時禱書」についての文章も書かれているものの、読む込むためには膨大な背景や思想を必要とするため途中で読むことを放棄せざるを得なくなくなっていたとも語られている。

そんな「時禱書」なので「ドゥイノの悲歌」同様にリルケ初心者の自分ではなかなか理解できず、志村さんの文章に食らいつくのが精一杯という感じではあったが、うっすら霞のむこうの景色は見えつつあるようなないようなそんな感じ。

言葉の柔らかな響き、謙虚ないたわりの思いがまるで琴の音のように美しく奏でられる。(「晩禱」)

と志村さんが表現されている「時禱書」なので、志村さんの再三再四をはるかに超えてでも読んでいき、美しい奏を味わっていきたいと熱望しますが、どうなることやら。


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