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龍淵に潜む

うちつけにまた来ん秋の今宵まで月ゆゑ惜しくなる命哉
西行「山家集」

うちつけにとは、突然とかいきなりとか出し抜けにとかいう意味だそうで、それが全体にどう掛かっていくのかがよくわかないままではありますが、

来年もこの秋のような月を見るために生きていたいものだという意味合いでしょうか。

秋の澄んだ空に浮かぶ素晴らしく美しい月を見ていると、心奪われるような、晴れ晴れとするような心地を見出しそうで、

その心地を味わえるのを来年の秋の月まで楽しみにするごとく、

孤独の中の人間や心そしてその悲哀ともさらに来年も向き合い、それらを歌にし、己を掘り下げて行きたい。

それには命は惜しくないとの気持ちが込められているのでしょうか。


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