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人形についての覚え書き

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「ひとがた」についての覚え書き。
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#人形

人形についての覚え書き

人形についての覚え書き

中川多理の創作人形について

フェリーニ『カサノバ』の人形

祇園祭のお稚児さんと人形

ベルメール、幼年期の身体

人形にまつわる展覧会レビュー

四谷シモン「人形とパステル画」展 小レビュー 再掲

四谷シモン「人形とパステル画」展 小レビュー 再掲

 Galerie LIBRAIRIE6 の展覧会へ。ひと目みて四谷シモンのものと分かる人形が、会場の壁一枚につき一体設置され、それを連ねる数珠のように粒揃のパステル画が掛けられている。この二年を中心に描かれたという柔らかな筆触の人物画は、一見、この人形たちと顔立が異なることから作風の変化を感じさせるかもしれない。

 だが、その瞳をみよ。星のような瞳をもった人形たちあるいはパステル画の少年少女らと

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批評のようなもの:山尾悠子『夢の棲む街』より中川多理《薔薇色の脚》によせて

批評のようなもの:山尾悠子『夢の棲む街』より中川多理《薔薇色の脚》によせて

はじめに 
 山尾悠子による物語『夢の棲む街』から、人形として「こちら側の世界」へ幻出したのは、街の踊り子〈薔薇色の脚〉。
 物語の中の踊り子たちをモデルに、中川多理が手がけた球体関節人形たちは、すでに十数体以上に及ぶだろうか。人形《薔薇色の脚》たちが最初で最後に集うはステュディオ・パラボリカの展覧会。時世の影響を受け、――今はなき京都山科は春秋山荘のギャラリーへ、幾度か人形展に訪れた日はすでに遠

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