見出し画像

販促コンペで学んだ、良いアイディアの出し方

先週(6月6日)が締切だった第16回 販促コンペに、友達二人とチームを組み、参加した。企業からのお題に対して、オリジナルのアイディアを出して、プレゼンテーション形式の提案書を作って、応募するという企画だ。1ヶ月くらいの検討期間で、私たちのチームからは合計4つの提案書を出せた。私が提案書まで作ったのはそのうちの一つ。

私の仕事はマーケティングでもなく、広告代理店と一緒に仕事する経験もなく、過去に似たコンペに参加した経験もない。そんな素人だったが、今回、提出するまで紆余曲折のあった実体験の中でアイディア出しにとって重要なポイントが見えてきた。記憶が鮮明なうちに、そのポイントを紹介する。


・正しくお題を理解する

 当たり前のことのように聞こえるけれど、この点が抜け落ちていて、お題からずれた検討をしていたことに、後々気づくことも多い。例えば、私の選んだお題は、”どうしても◯◯を買いたくなるアイディア”だった。ちょっと買いやすくなったり、ひとつサポート機能が増えたり、多少安くなっても、人はどうしても買いたい!とはならない。そこを意識しないまま、ウェブ機能の微妙な改善アイディアに時間を使ってしまっていた。(もちろんそのときは微妙な改善だと思っていなかったが)お題に立ち返り、どうしてもに答えるためのアイディア出しに軌道修正した。

・商品やサービスの本質を理解する

 競合する商品や他のサービスと比較して、どんなところに違いがあるのかを顧客視点で考えることが重要だ。これは具体的なアイディア出しをする前に検討しても良いし、アイディア出しと並行してもよい。例えば、実店舗でも買えるが、通販でも買えるような商品の場合、通販で買うとはどういうことなのかを本質的な部分から捉えることで、よい着眼点が見つかる。このとき先入観の詰まった頭の中をいったん白紙にして、素直な心で商品やサービスに触れるという心がけも重要だと思う。

・異なる種類のアイディアを複数出す

 アイディアは数が重要とよく言われるが、既に出たアイディアに類似する案を何個増やしたって、あまり意味がない。お題に答えていなかったり、良い着眼点ではなかったりした時に全て同時にボツになるからだ。どれも納得感があるけれど、全然方向性が異なるという幾つかのアイディアがテーブルの上に出てきたときが、良いアイディアの種を出せた状態だ。根っこの部分から異なるアイディアがあるイメージ。言い換えると商品やサービスの本質をどう捉えたという点が異なる場合は、根っこが違うと言えるし、もし注目した本質が共通でも、それをどう伸ばすかが異なれば、方向性が違うアイディアの集合と言えるだろう。

・関連するサービスも使ってみる

 アイディア出しをするために、その企業の実際のユーザになることは重要だ。実ユーザになると課題が見える。今回私が選んだお題は、ワインの通販サイトのものだったので、その通販サイトに登録して実際にワイン選びをしてみた。一方で実店舗でも買えるものだったので、実店舗でのワイン選びとの比較もした。ただ、実ユーザになって頭に浮かんだアイディアは、通販で購入後にユーザが使うウェブサイトの仕組みを少し変えるものばかりだった。そんななかでワイン販売企業でない世界的なワインアプリ「Vivino」をダウンロードしてみて使って見たところ、段違いの利便性に驚いた。通販サイトの機能をちょっと良くしたところで、勝ち目がないことを思い知った。つまりどうしても買いたくはならない。それまでに考えたアイディアはこのタイミングで全てボツにした。アイディア出しの早い段階で、競合だけでなく、関連サービスを使ってみることをお勧めする。

・他の商品群で人気が出た手法を適用する

 お題をしっかり頭に入れて、実際の利用者視点で課題を出して考えると、実は誰もが思いつくアイディアしか出てこないことが多い。そこで重要になるのが、他の業界や他の商品群で人気が出た手法を掛け合わせることだ。重要なのが、どこに適用するかであり、前にも書いた商品やサービスの本質に当たる部分に適用するのがもっとも良い適用場所だと思う。だから日頃からどういうものが人の心を掴んでいるか、人は何に惹かれるのかを知っておいた方がよい。すぐには使えないけれども、知識や知恵が蓄積され、こういうときに使える引き出しが増える。この手法で思いついたもののうち、筋の良いなと思ったアイディアでも、最初は論理のジャンプをしているように見えることもある。しかし、じっくり考えたり逆算したりしてみると、必ずストーリーラインが繋がるように思う。今回、検討の結果、前半の本質の話としっかり結びつき、論理のジャンプはなくなった。不思議とそういうものなんだと思う。


今回はアイディア出しについて書いた。アイディア出しは0から1が生まれるので、本当に面白いプロセスだ。今回のようなコンペに限らず、色々な場面で使えるノウハウだと思う。今回出した作品が一次選考に残ったかどうか分かるのは8月1日ということなので、まだ2ヶ月弱ある。それまでに、良いアイディアが出た後のプレゼンテーションを作る上でのポイントもまとめておこうかな。結果が出ていないときの方が、悩まずに書ける気がする。

続編はこちら↓


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?