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わたしのせかい

過去と現在と未来があるとしたら、私は間違いなく過去に生き続けている気がする。未来など見ず、現在で過去を大量に生産して、その作られていく過去に思いを馳せて生活をしている。1秒ずつ確かに時が進んでいくこの世界で、むしろ大半の人は過去に住んでいるのではないかと錯覚する。こうして文字を打っていても、色んなことを考えていても、その瞬間は刹那に過去となる。そうして私は過去を懐かしみ、憂い、思いふける。思い出させる過去は、眠る私に夢としても甦らされ、私を生かす。この日まで忘れていた過去さえも、それが現在であるかのように映し出され、起き上がると今までなぜ忘れていたのか分からぬ現実に涙がでる。

未来を語れる人は強いのだろうか。こうなりたいと夢に向かって進んでいく人達はかっこいい。けれど私には違う生物のように感じられて、ずっと憧れていた夢が次々と消えていく私の手元には今、何が残っているというのだろう。それを選んだのも私で、なにもしないのも私の選択だ。これから私は夢を作ることだってできる。きっとそれが未来に生きるということで、そのために行動を起こすことが現在を生きることなのだ。未来にも現在にも生をまっとうできない私は、今日も過去に縋って生きる。いつかきっとできるから、いつかきっと夢を見つけるから、だから今はただ過去に生きていたい。

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