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当時の自分を思い返す(ロシア編)

14歳の少年うにゃんこは、唐突に、まだネットで知り合って1年程しか経ってない友人に言いました。

「ロシア行かん?」

粋な友人「ええよ」

(まじか)

ひょんなことから、この若い少年達の無謀とも思える旅の計画は始まります。

その後、さらに友人2人が加わり、最終的に4人で渡航することに…

記事の長さ★★★☆☆
おふざけ度★★☆☆☆


準備編


当たり前のことですが、旅をするにはお金がかかります。
予算としては9泊12日で20万といった形で準備を進めていきました。

僕は15歳の夏に出発する予定で計画を立てていましたが、アルバイトが出来るのは15歳以上&中学卒業後からなので、実質3か月ほどしか時間が無く、かなりハードなスケジュールでした。

ちなみに、初めてのアルバイトは某牛丼屋でした。いつもまかないばかり食べてたので、このころは少し太ってた記憶があります。

ホテル代

さて、4人で旅に出ることは決まりましたが、ホテルの4人部屋ってのは実はかなり少ないのです。

しかし、Ars-Hotel(アルス-オテリ)さんというところが4人部屋(スイート)を出していました。

1部屋あたり 9泊で111,897円なのですが、ここは人数が1人だろうと4人だろうと宿泊費は変わらないというバグを利用し、皆で割り勘して9泊28000円
(1泊 3100円)に抑えることが出来ました。
ていうか、そもそもがかなり安い。

ドミトリータイプだともっと安い宿がありますが、今回は一人旅ではないので、このホテルが最良の選択肢でした。(駅近でアクセスも良き)

航空券

僕はトランジット(乗り継ぎ便)が大好きです。別々で航空券を買って旅行するよりも遥かに安上がりで効率が良く、航空券自体の価格も直行便よりも安いです。(ただし時間に余裕がある人向け)

価格的には中国○○航空系が安いのですが、一人ではないので、遅延時のリスクを考えた結果、僕はタイ国際航空を選びました。

HND→BKK→DME DME→BKK(ここでガッツリ観光)→HND
という感じです。航空券代は10万2290円でした。

ビザ

日本のパスポートはシンガポールと並んで世界最強と言われていますが、残念ながらロシアの観光ビザは事前に申請しなければなりません。

うにゃんこ遠征団のメンバーは西は広島、東は神奈川と全国に散らばっていたので、実際に領事館に行くのではなく、ロシアビザセンターというところに代行していただきました。

観光ビザ2週間後取得にすると7500円なので、遠隔地から領事館に向かう交通費や手間を考えると、代行してもらった方が逆にお得なのでかなりオススメです。


こんなんが貼られて返送されてくる。

旅費の中で一番大きい割合を占めるのは航空券代と宿泊費ですが、22万の予算のうち13万円くらいに済ませ、残り6~7万円ほどがロシアであれこれ出来るお金として残りました。


いざ出発

我々が乗る飛行機はTG661という、0:20に出発して4:50に着く夜行便でした。日を跨いで少し経った頃、飛行機は我々の期待を乗せタイに飛び立ちます。

あまりにもオセロが弱すぎる友人に絶望を与えてる時の写真

タイのスワンナプーム空港に着きました。めっちゃねむい。
オセロなんてせずに寝ればよかったと、この頃になって後悔します。

太陽さん、こんにちは

旅の序盤なのに、みんな既にぐったり状態。メンバーの一人が歩哨係として、かわりばんこで空港のベンチの上で仮眠していきます。

こんな感じのなぞのオブジェがたくさんあった
朝ごはん

5時間後の10:30にモスクワ行きの便に搭乗。
客層もがらりと変わり、厳ついスラブ系の人たちがたくさん居ました。

みんな頭が似てる

ちなみに、飛行機は10:30発の16:15着なのですが、搭乗時間は9時間45分です
え?3時間どこ行った?ってなりますが、地球の自転に逆らって移動すると一日が長くなってしまうのです。

飛行機からアラル海が見えた。富士山見えるよりテンション上がるよね


めざせモスクワ

ドモジェドヴォ空港 濁点多すぎ。

ついに、念願のロシアにたどり着きました!!
涼しい~~~~~~~(8月の平均気温17.6℃)
ほんまに夏か~~~??????????

夕方に飛行機が到着したので、この日はモスクワ市内のホテルまでの移動の日となりました。

エアポート快特

この真っ赤な列車(アエロエクスプレス)に乗ってモスクワ市内に移動します。

パヴェレツキー駅

パヴェレツキー駅で地下鉄に乗り換え、コムソモーリスカヤ駅まで向かいます。

モスクワメトロ大江戸線のエスカレーター

地下鉄のめちゃんこ長いエスカレーターをのぼって外に出ると、夕焼けのグラデーションが街を包み込んでいました。

人生トップレベルの感動

準備編で言及していた1泊3100円の部屋です。
4人部屋ですが、そのうち一人はソファで寝ることになります。
かわいそう。

※ちゃんと靴脱いでます
夜お腹が好いたので少しだけ外に出ました。この街は毎日ルミナリエでもやってんのかい?

次の日の朝、我々は全ロシア博覧センター(ВВЦ)に向かいました。

雲が全然なく、なんとなしに霞んでる空でした。
夏なのに冬の空って感じですね。

ホテルの前の道路
道中で見かけた三ニーちゃん。怪レい。
中央パビリオン

今更ですが、全てを語ってたらとてつもなく長くなってしまうので、全ロシア博覧センターに関してはこんな感じの場所です。

モスクワ行ったら絶対行ってほしいってくらい、めっちゃ楽しいです。
パビリオンが残り続けてる万博記念公園みたいな感じでしょうか?(それただの万博かも)

宇宙飛行士記念博物館にも行きました

さて、ここでモグモグタイムです。

うにゃんこ流 旅行術としては、計画段階でめぼしい飲食店に対してGoogleマップ上でピンを立てまくることです。

事前に気になってるお店を保存しておくのです。

この日はずっと気になっていたВареничная №1というお店に行きました。
ソビエトレトロな雰囲気が漂う、とてもかわいらしいお店です。

うにゃんこが大好きな雰囲気
ぺリメニ(ロシアの水餃子みたいなの)と壺炊きプロフ

人生で初めてぺリメニとプロフを食べましたが、食べた瞬間昇天しました。なので、いまは幻霊となったうにゃんこがnoteを書いています。

いやぁ、日本でこの味のものを食べるのはなかなか難しい… 

普段から芋ばっか食ってる友人はロシアでも芋食ってました。ロシア料理食えよ。
お土産屋さんで買ったYak-15

メニュー気になる方はこちらから(ロシア語のみです)

店内の雰囲気とかはGoogleマップからどうぞ(チェーン店なのですが、だいたいどこもこんな雰囲気です)

そういえば、道中でなんかコスプレした人たちに声を掛けられ、友人は嬉々として一緒に写真を撮ってもらってましたが、僕はぼったくりと知っていたのでそっと見守ってました。

この時はまだ知らない。数千円取られる事を…

夕ご飯はВай Мэ!というところで、ジョージア料理を食べました。

ジョージアの激ウマ料理の一つであるハチャプリ(ხაჭაპური)
ロシアで生卵…こわい!!!!けど、めちゃくちゃ美味しかったし、お腹も無事でした
揚げヒンカリ(皮が厚い小籠包っぽいやつ)激うま

勝利公園に行って勝ってきた

さて、次の日は戦勝記念公園(Парк Победы)に行きました。
対仏戦の祖国戦争と対独戦の大祖国戦争に関する展示があります。

めっちゃでかい
日時計に近づくとめっちゃ細かい所まで作りこまれててびっくらこいた
中央のドームの内部はこんな感じでした。神々しいソビエト

屋内展示もボリュームたっぷりだったのですが、本当に凄かったのは屋外展示でした。


冬戦争やレニングラード攻防戦で使われたTM-1-180列車砲
それを頑張って撮る人
TM-3-12 305mm列車砲 元はロシア帝国時代の戦艦の主砲でしたが、一次大戦時に爆発してしまい
主砲だけ回収されて列車砲になり、1991年まで運用できる状態(現役)でした。
タンクデサントごっこ
お昼はロシア外務省前にあるラーメン クウでした
塩らーめんにレモン入ってるの、さっぱりしてていいですね

さて、三日目にしてだんだん部屋が汚くなってきました。

謎の足。謎の覆面。三つの絵画。

お土産タイム

イズマイロフスキー市場という、お土産に特化したスポットがあります。
他の国で言うところの蚤の市や、日本で言うところの○○物産館みたいなイメージでしょうか。

ハコがあって、そこに出店するタイプ
ねこちゃん
ウシャンカが安かったのでみんなで買いました。
メダルとかバッチも安かった

この日はКафе «МУ-МУ»(ムームー)という、ロシア版まいどおおきに食堂みたいな、好きなおかずを自分で選べるタイプのレストランに行きました。

シャシリクと謎の米を食べました。料理名覚えてないですが美味しかったです。

ホテルに帰ったら風呂場から水が溢れててビビりました。どうなってんの…
激安宿なので仕方なし

飛行機たくさん

この日はエレクトリーチカ(近郊列車)に乗ってМонино(モニノ)という小さな田舎町に向かいました。

そういえば、エレクトリーチカでは定期的に(というより名物?)車内の通路上でいきなり謎の演説をし、勝手に自分が座ってる座席に果物や雑貨を置いていくおばさんが居ますが、手を付けると買わされますのでお気を付けて

彼女たちは車内販売員なのです。もちろん無許可ですが。

ヤロスラフスキー駅 
モスクワにあるターミナル駅は、基本的に目的地となる都市の名前が駅名になります。
たとえば、キエフスキー駅はウクライナ方面、ベラルースキー駅はベラルーシ、中欧方面に。
ヤロスラフスキー駅はヤロスラヴリという街に向かう路線がある駅です。
日本国内で例えると池袋駅がサイタマスキー駅みたいな感じでしょうか。

あとは、大阪や東京には京橋という地名がありますが、もともとは京街道の起点であり
京へ向かう最初の橋という意味なので、その感覚にも近いかもしれません。
全部ボックスシート

我々はモスクワ郊外の田舎町、モニノに到着しました。
ここにはモニノ空軍博物館というロシア最大の航空博物館があるのです。

3kmくらい歩いて博物館に到着
ミャスィーシチェフ 3MD
T-4 101号機
背中にでっかいプロペラ乗っけてんのかい

我々は博物館を見終わったあと、モスクワ市内に戻ってレストランに向かっていたのですが、道中の公園で戦列歩兵が戦っていました。

なんで?

どうやら、そういうお祭りだったみたいです。

みんなノリノリでした

この日はкрафтовый гастробарというところでご飯を食べました。

ハーブ香るジューシーな鶏もも肉とバターの旨味がしみ込んだソバの実の組み合わせは最高です


ロシアの田舎を延々と歩くことになった話

今更ですが、今回集まった四人は全員ミリオタで、旅程の組み方も主に軍事博物館を巡るといった感じでした。

我々が一番期待していたのはクビンカ戦車博物館というところで、イギリスにあるボービントンと並んで世界最大級の博物館です。
世界中でここにしかない戦車がいくつもあります。

まずは、スモレンスク方面の列車に乗る必要があるので、ベラルースキー駅に向かいます。

ドイツ方面に向かう列車の駅だからでしょうか?
Памятник Прощание славянки (スラブ娘の別れ像)がありました。
ミハイル・カラトーゾフ監督の「鶴は翔んでゆく」或いは「戦争と貞操」という
有名なソ連映画の1シーンをモチーフに作られたそうです。

11時頃になると停車中の列車が一斉に警笛を鳴らします。

モスクワから西へ70km 1時間15分ほど列車に揺られ、Кубинка-1(クビンカ-1)駅に到着しました。

意外と人がたくさん


さて、ここからが大変なのです。

電車に乗ってるだけで1時間もかかりましたが、駅から博物館までの道のりも徒歩1時間ほどかかります。

まず、駅前の商店街を抜け、線路を渡ります。(これでも一応正規ルートなのです)
幹線道路の路肩も歩かされる
本当にこの先に博物館なんてあるのか??と思わせる田園風景

その後、なんとか博物館に到着することができました。

超重戦車マウス
カール自走臼砲

有名なのはこの二つです。マイナーなのも沢山ありますが、冗長になってしまうので割愛させていただきます。

ちなみに、帰りも歩くかと思ったのですが、ちょうど博物館からバスが出発するタイミングに間に合って乗ることができました。

帰りの列車の中ではみんなスヤスヤ寝てました。ぐったり。

モスクワ市内に戻ると、街はまるでクリスマスのようにイルミネーションで輝き、華やかさが溢れていました。

夏なのに雰囲気はクリスマス。
夜ご飯は再びВареничная №1へ…
料理の名前は忘れてしまいました(すみません)

愛国者公園

クビンカ方面には3日連続でいきました。
展示されているものがあまりにも多すぎて、到底一日で見回れる量じゃないからです。

2日目と3日目はАрмияという、愛国者公園(すげぇ名前…)で開催される国際武器見本市に向かいました。

ロシアの威信がかかってるらしい
このときはまだ開戦前だったので色んな国が参加してました。まあ殆ど第三世界なんですけどね
T-14アルマータ
カラシニコフのブース
ロシアの博物館にある戦車は登れるのが多いです
人工衛星のブース

これはクーゲルパンツァー(独語 Kugelpanzer)という謎に満ちた戦車です。戦車?…なのか?日本語に訳すと玉戦車です。

この謎の球体状の乗り物について分かってることは、たったこれだけ。

  • ドイツで製造されたがメーカーは不明。

  • 日本に輸出された。

  • 1人乗り。

  • 装甲厚は5mm。

  • 動力は単気筒の2ストロークエンジン。

  • ソ連軍が1945年に満州にて鹵獲。

不思議ですね….

その後、なんやかんやあって、実際に銃を撃つことに。

2000円くらいで30発撃てます
友人はAKMを撃ってました

また、同時並行で航空祭的なのも開催されていました。

お昼ご飯は屋台のシャシリク


まともな市内観光

ロシアに来てからというものの、博物館ばかり巡ってた我々ですが、そろそろ旅も終盤。最後の2日間はモスクワ市内を観光しました。

クレムリン内の正教会ゾーン
生神女就寝大聖堂(右)と生神女福音大聖堂(真ん中)聖天使首大聖堂(左)
なまかみおんなってなんだよ…. ←端的に言うとイエスの母マリアなのですが、
正教会では聖母という表現を好まず「生神女-しょうしんじょ」とされます。
ツァーリ・プーシュカ(世界最大の大砲) 
砲弾じゃなくて人間装填してもぶっ飛ばせそう
パシュコフ邸

救世主ハリストス大聖堂で写真撮ってたら、日本語を話すロシア人に話しかけられました。

正直、海外で向こうから話かけられるのって嫌な予感しかしなかったのですが、普通に日本語を勉強してるロシア人のオタクでした。(なんか仲良くなった)

めっちゃ綺麗なザリャジエ公園
カンチレバーになってる橋?に大量の人が居て、ポキッてならないか不安になる
グム百貨店の中
噴水の中に大量のスイカ。その周りに紅葉した木。季節感よくわからんけど綺麗!!
地元のイオンモールもこれにしてほしい
赤の広場では馬術大会が開かれてました。そんなことも出来るんですね
聖ワシリイ大聖堂

帰りたくない…

最終日は再びイズマイロフスキー市場に向かい、余ってるルーブルを使い切る感じでたくさんお買い物しました。

バッチとか衣服がたくさん
家で作れるように、プロフ用のシーズニングも買いました。
「せっかくロシア来たのに芋食べ過ぎの罪」で捕らえられる友人
てか、部屋散らかりすぎだろ…
良い感じの写真撮ろうとしてるのに雰囲気ガン無視してダブルピースする友人

最後の晩餐は«МУ-МУ»(ムームー)でした。

シャシリクとソーセージとカーシャ
帰りの飛行機はガラガラで、3列独占状態でした。
👮「自由に使っていいですよ!!」と粋な対応をしてくれたタイ航空のCAさんのおかげで、ぐっすり


このロシア旅行のおかげで、非常に濃い、忘れられない15歳の夏となりました。自分に付き合ってくれた友人達には感謝….


ちなみに、一番年上が18歳で、17、16、15歳という構成でした。
勿論お金のやり取りもありましたし、こんなネットで知り合った自分を信頼して任せてくれた友人達もまた凄いのです。

その後、うにゃんこはイニシアティブを取って旅行を計画し、実現させるという経験が病み付きになってしまい、翌年に再び友人達をつれて海外に行きますが、それはまた別のお話….


番外編

ロシアにいた鳥達

実は僕、からあげを食べるのと同じくらいに鳥を撮るのが好きなのです。

ズキンガラス
カラスって黒のイメージがありますが、ロシアのカラスはツートンカラーです。
この子は主に東欧~北欧、スコットランド付近に生息しています。

ホシムクドリ
少しでかめのスズメっぽい鳥 同じく東欧~北欧に多く生息していますが、
越冬時は島根や鹿児島にも飛んでくるみたいです
ニュウナイスズメ(?)
カワラバト
やたらもっさりしてる
駅の芝生とかにたくさんいます

ロシアのファーストフード


飲み物がでけぇ(しかも自分で入れれるタイプ)

これコップ要る??????

チキンもでけぇ

ケンタッキーのチキンサンド
安い(飲み物Mが100円くらい)
ちなみに、ハンバーガーのトッピングはカスタマイズできます


ここまでご覧いただきありがとうございました!!


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