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文転した大学院生が3月から就活してエンジニアとして内定をもらった

はい、もはやこの記事にはタイトル以上の情報はありません。

が、情報を捕捉しながら経緯を振り返りたいと思います。

この記事はHowto的なものではないので、そうした、どうすれば内定を得られるか、という情報を含むものではありません。

むしろ、こんな適当な人間も世の中にいる、という見本市の一部とでもいうべきでしょう。

おまえ誰だよ

まずは私のバックグランウドを確認しておく必要があるでしょう。
(あと就活を始めるまでの経緯も)

タイトルにもあるように、私は学部で機械工学を専攻し、文転して大学院で教育学を研究している大学院生です。

この時点で私と同じ境遇の人は極々僅かになってしまうので、この記事が情報として価値をもつのかは疑問でしかありません(でも書きます)。


大学で

話を戻して、私は関東圏の出身で、大学は地方の私大に進学しました。機械工学を選んだのは、小さい時からものづくりが大好きだったためです。

大学では課外活動にかなり熱中していました。同時に、正課でも大学の学費免除を勝ち取るなどしてました。

卒業研究は5軸マシニングセンタに関する研究を行い、幸運にも学部生でしたが学会発表も行うことができました。

また、大学進学時に教育にするか機械工学にするか迷ったこともあり、大学では教職課程も取っていました。これは私が大学院へ進むきっかけの一つでした。

ただ、ここで付言しておかなければいけないのは、機械工学から教育学へと文転することを決めた当時、私は機械工業としてのキャリアを半ば投げ捨てているという自覚を持っていたということです。機械系のエンジニアとして働きたいと思っていなかったわけではないですが、もしそのように切に願っていたならば、素直に機械工学の修士を取りに来て行ったでしょう。


大学院で

大学院は関東の大学にしました。というのも、教育で、しかも教員養成ではなく教育学研究を活発に行なっている大学自体が全国でも限られていますから。

そうして大学院の修士課程に在籍しながら、修士論文執筆に向けて研究活動を日々行なっているわけです。

入学当初、私は就職する気はそれほどありませんでした。というのも、教育学研究という性質上、修士課程に在籍する学生の半数は博士課程へ進学していきます。研究室にも10名程度の博士課程の学生がいました。

そんな状況だと、大学一年生の夏から「就活しなきゃ」というよりも、まずは「自分の研究をどうしようか」という悩みの方がはるかに大きかったのです。

そんな状況になりつつ、また別の文脈で、短期留学に行く機会を得ることができました。タイに3ヶ月間の留学です。

留学の期間が1年次の11月頭から翌1月末までということで、スケジュール自体にいささか無理のあるものでもありました。そのため、留学に行くことを決めた際には、就活がどうこうというよりもむしろ、「修士の卒業が1年伸びて3年になってもいいや」くらいの感覚でした。

今となって振り返れば、「自分の将来設計無茶苦茶すぎんか!」って言いたくなりますが、無鉄砲に突き進む方が楽しいのもまた人生です。

さて、そんなこんなで楽しくタイの留学生活を満喫して、就職活動についてなど微塵も考えることなく、日本に帰国しました。もう2月になるところでした。



就活って何から始めればいいの?

日本に帰国したはいいけど、当時の私はやっぱりまだ呑気なもので、留学の事後処理に追われて就活など何も手をつけていない状態でした。

2月末になり、やっと「もし就活するなら今から始めないとヤバくない?」と思い始めました。いくら就活に関心が無い私でも、いわゆる就職活動の解禁日が3月1日であることくらいは知っていました。だから、焦ったわけです。

そう思ったはいいけど、就活って何からすればいいんだ状態です。学部では友人たちが就活している中で私は研究と入試対策をしていましたし、大学院の友人も博士課程の人と、あとは博士課程に行く予定の人とで、結託することもできません。完全に個人戦です。

そうはいっても、目の前に就活解禁日(もはや何が解禁なのか私にはわかりませんが)が迫っている状況で、立ち止まっているわけにもいきませんでした。

とりあえず、大学時代の友人に「就活って今から始めないとまずい?」という雑な質問をして、「遅いくらいだよ」というお手本のような回答を得たことによって、私の就職活動が始まりました(大変不本意ながら)。


就活の軸をどうするか

さて、覚悟を決めて就活をすることにしたはいいけど、いわゆる就活の軸をどうするのかという問題がありました。

機械工学の学士と、教育学の修士(見込)を持つ状態だったため、いわゆる、理系就職をするか、あるいは文系就職をするかというのがまず最初の選択になります。

修士号は教育学なので、文系就職であれば、その学位を活かせそうです。反対に、理系就職をしようとした場合、教育学の修士号は邪魔になる、とまでは言いませんが、積極的に役に立つことは無い(と見込まれる)のです。

タイトルにもすでにあるように、結果的には理系就職を選びました。

理由としては、学歴が生きなかろうと、文系就職でやりたいと思うことが全くなかったためです。教育学の修士からコンサルティングや商社などに進む人もいますし、それは十分に開かれたキャリアです。

しかし、それは私に取ってワクワクすることではありませんでした。ワクワクするのは、変わらずものづくりに関してでした。

理系就職をすると決めてからは、ほとんど悩むことはありませんでした。私がやりたかったのは機械系エンジニアなので、職種は決まっています。中でも、研究開発がやりたいと思っていたので、生産技術や品質管理などにそれほど興味はありませんでした。

業界についても、BtoBの工作機械メーカということは私の中では決まっていました。大学時代、色々な機械を触ったり、研究したりする中での、私の一つの帰着だったと思います。

あとは地域の問題です。工作機会メーカは生産拠点を地方に置くことが一般的です。そのため、開発拠点もそうした地方になることが多いです。

私は関東圏で働きたいと思っていたので、ここでも大幅に選択肢は絞られます。

ということで、就活の軸はそう悩まずに決まりました。3月の第1週でした。

あとは、これらの条件から良さそうな企業をピックアップして、会社説明会に参加し、それでも良さそうならエントリーに移りました。

もともとある程度の有名メーカは知っていましたし、日経225などの銘柄を上から眺めるだけである程度選択肢は得られるでしょう。

果たしてこのやり方が一般的なのかはわかりませんが。


対策なんかしている時間がない

さて、エントリーするまでにやっと至りました。

当然ではありますが、エントリーした時点でエントリーシートの締切は1週間程度しかありませんでした。当たり前です。なにせもう3月ですから。

本来であれば、着実に企業研究を進めて、戦略的にESを書くのが常套でしょう。しかし、そんな時間はありません。

とにかく書くしかありません。ただ我武者羅に書きました

幸いなことに、大学・大学院を通してESに書くに足るエピソードは溢れるほどあったので、ここには困りませんでした。いわゆるガクチカなどです。

3月から就活を始めた人にとって、悠長に3月から準備・対策をしている時間などあったものではないのです

エントリーと並行して企業研究、適正試験対策、面接対策をするしかありません。

加えて、当たり前ですが大学院生なので研究活動も並行して行う必要があります。当時、締切にも追われていたため、日中は研究活動をするしかない状況でもありました。

ですから、対策もできないまま、突っ走って行くしか選択肢はありませんでした。ただ突き進むのみです。考えても仕方がありません。

結局、3月中に合計5社にエントリーしました。いずれも私にとって魅力的な企業でした。少し情報を捕捉すれは、第一志望は東証プライム、第二志望もプライム、第三、第四は非上場、第五志望はプライムといった感じです。従業員はいずれも2000名以上の会社です。

もちろん、メカエンジニアとしてエントリーしています。



選考をいかに凌ぐか

書類選考

さて、当然ですがエントリーしたからにはまずは書類選考です。ESを提出する必要があります。締切は待ってくれません。

大学時代の友人にESにつてコメントをもらいながら修正し、最終的には半ば諦めで「えいやー!」で提出しました

なので、前述したように、これといって対策もしていませんし、それほど時間をかけて添削をしているわけでもありません。

世の中にすでに腐るほど溢れかえっている「絶対に内定をとれるESの書き方!」的な情報に目を通せば十分でしょう。私はマイナビとリクナビのサイトを参照しました。

3月第二週に2社、第4週に3社、ESの締切がありました。ほとんど同時期ですが3月中に全てのESを提出しています

5社とも全部落ちたらどうするのか、という不安は少なからずありましたが、謎の自信もあり、「まぁ、いけるだろう」の精神です。

ESについては提出してしまえば待つしかできないので、特にできることもありません。

また、ESの書き方についてはインターネット上に腐るほど情報が溢れているので、ここで書くことはしません。

結果としては、4社の選考に通りました。1社だけ落ちたのはやや悔やまれますが仕方がありません。


適正検査

選考フローは企業によって異なりますが、書類選考の際に同時に適正検査を実施する場合や、書類選考通過後、あるいは最終面接の前に実施するなどまちまちでした。

ともかく、適正検査がなんなのかもよく分からないまま、就活を始める決心をした日にBook Offに行き、「7日間でできるSPI」みたいなタイトルの本を買いました。

2022年版が220円と激安だったからです

最初の適正検査まですでに1週間ほどしかなかったので、1日30分くらいを6日間続けただけで挑むことになりました。

SPIの対策しかしてないのに、初めて受けた適正検査はSPIですらなかったです。というか、就活を始めるまで、適正検査=SPIだと完全に思い込んでおり、そんなに種類があることすら考えてもいなかったのです

まったく愚かな話です。

とはいえ、SPIは中学校レベルの簡単な内容で直前に傾向をさらうくらいで事足りました。(ろくに対策ができなかったので強がっているだけです)

過去の自分に感謝しながら、適正検査はどうにかなりました

(前述した落ちた1社は、ES+適性検査の段階でお祈りだったので、おそらく適性検査で引っかかったのだと思います。というのも、この会社の適正検査が、よく分かりませんが、とにかくとても難しかったのです。加えて、一日研究活動で頭を使った後に、疲れてた状態で適正検査を受けたため、見事に頭も働かず、お祈りを頂戴したのです。)


面接

さて、4社の選考は順調に進んでいき(多少の時間的ズレはありますが)、就活の難所といってもいい面接まで来ました。

さて、少し話が逸れますが、大学のキャリアセンターなどは利用すべきです。私は一度も訪れませんでしたので、振り返れば、行ってればもう少し楽だったかなと思います。

就活に関する各種情報や、学校推薦を利用する場合は必須になるでしょう。また、ESの対策講座や、模擬面接も受けられる場合があります。

で、まったくの情報弱者状態の私は、謎の自信に駆り立てられ、一切の対策をせずに面接に挑みました

一次面接や二次面接などはコロナ以降はWeb面接が一般的なようで(初めて知ったけど)、緊張はしましたが、圧迫感なども感じることはなく普通にできました。

元来、人と話すことはそれなりに得意だったことや、以前に在籍していた研究室の指導教員がカスハラのオンパレードだったため、まったくもって不本意ですが面接の対策ができていたようです。

一通り面接を終えて、感想としては「面接って意外と楽しい」という感じでした。

というのも、面接官は(採用という目的を持っていますが)、候補者である私に対して関心を持ってくれて話を引き出してくれますし、こちらも自分語りを気のすむまでできるのです。

こういうコミュニケーションは日常的には発生することは稀でしょう。というか、そういう話し方をする人がいればあまり関わりたくないですね。

そう考えると、候補者が一方的に自己開示的な状況に立たされる面接という場は、至極当然ですが、面接官との非対称性が際立ちます。

さて、選考を受けていた4社をA、B、C、D社とすれば、すべて最終面接まで進み
A社で2回(うち対面が1回)
B社で3回(うち対面が1回)
C社で5回(うち対面が1回)
D社で3回(うち対面が1回)の面接を受けました。


結果

で、結果がどうなったかといえば、4社のうち3社から内定をもらいました。時系列順に、4月の第2週、5月の第1週、同月第3週に内定の連絡もらいました。

エントリーした日から数えると、早いところは2週間ほど、最長で2ヶ月ほどでした。

落ちた一社は第二志望だったので、なんとか耐えました。逆になんで1社落ちたのかよく分かりませんが、考えないことにします。

ともかく、無事に第一志望から内定が出ました

ちゃんちゃん

まとめ

ダラダラと書きましたが、こんな情報を必要としている人はいないだろ、と思っています。

ただ、参考にするというよりは「こんな無茶苦茶な生き方をしている人もいるんだな」というくらいで読んでもらえれば嬉しい限りです。

言わずもがな、就活は受験と並ぶ人生前半の一大イベントです。何よりもまず、就活を終えることができてよかったという感想しかありません。

さて、個人的な総評として、就活は3月から始めても十分戦えるという印象です。

というのも、3月の時点でできることは、表面的なESや適正検査、面接の対策程度のことであって、いわゆる ガクチカなどのエピソードを十分に持っている人にとっては、それほど苦労するものではないのでしょうか

ですから、逆にいえば、3月の時点で焦っても「もう遅い」という状況も十分にありえます。

重要なのは「就活対策をどのようにするか」ではなく、「充実し学生生活を送る」こと以外の何物でもありません。もちろんそれは、勉強だけではなく、サークルや課外活動など、なんでも良いのです。

これから就活を控えてる人がもし読んでいたら、時期にもよりますが、やりたいこと、できること、やっていることに正面から誰よりも真摯に取り組むのが良いでしょう。

3年生からインターンやそれに続く早期選考など、就活市場はかなり複雑になっていますが、それほど焦って就活をする必要はない気がします。

むしろ、前述したように、どんなに早く対策を始めたところで、結局は自分という人間を売り込むことでしかないので、中身がなければどうにもなりません。

そう考えると、就活とはなんとも残酷なシステムですね。
大企業に入れなかったとしても死ぬことはないので気にすることもない気がしますが。




捕捉

留学から帰国した際に就活に踏み切ったのは、およそ1年間の大学院生活でアカデミアの世界が自分には合わないであろうことをはっきりと自認したためです。

また、理系の人はイメージしにくいかもしれませんが、文系だと博士課程進学=アカデミアの世界で生きていくことを意味するので、進学は現実的選択肢として挙がってこなかったというのもあります。

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