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愛というものについて

ふと、私は今まで人を愛したことがあっただろうか?と考えた。

少なくとも、私の思う“愛”に則した感情は抱いてきたように思う。

私が思う“愛”は相手を想うと身体の内側からぎゅっと湧き上がる感情だ。心がほぐれるような、じわっと暖まるような。それを感じる時、私は相手を愛している、と思う。

でも、私の愛は、相手にとっても愛と認識できる“それ”であっただろうか?
双方向の愛情を、私達は伝え合っていたのだろうか?
私はそれを確認できたことがない。
愛の真っ只中において、そんなことを確認するのは、野暮だと思っていた節さえある。
私は愛している、私は愛されている、と信じて止まなかった。
それこそが愛というものの持つ力なのかもしれない。

だからきっと、あなたのことも私は愛していた。
 

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