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地続きに延びる、この道

習慣は怖いものかもしれない、とふと思った。リモートでの働き方が便利になると、外に出るのが億劫になる。

10分でも散歩すれば気分転換になることはわかっているのに、なぜだか足取りが重い。こうなるのだとわかっていて手に取りに行くことに、つまらなさを感じてしまう。

習慣化すればするほどに楽になるけれど、それは予想の範囲内で埋め尽くされるだけなのだ。


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例えば晴れていると天気予報で知り、コンビニに行くついでに空を見上げてみたら、青空が本当にきれいで。その足取りですこし川沿いを歩き、遠回りして帰ってくる。

こんなにささいなことなのに、予想外の世界に連れて行かれることに、幸せを感じる。旅の始まりはこの好奇心なのかもしれない。

現状の延長線上から離れた、全く新しいパラレルワールドの始まり。そう、始まりはいつだって新鮮で、一回きりで、期待もするし不安にもなる。

この適度な緊張が楽しい。

昔スポーツで経験していた、今ではeスポーツの「スプラトゥーン2」で経験しているのが、この習慣化の弊害だ。

こうプレイするだろうと良い面ばかりを勝手に頭の中で描いて、その通りに行かないことにイライラする。自分にも、ましてや相手にも。

使用する武器はランダム、4対4のメンバーだってランダムなら、自分の頭の中で作り上げた一つの正解と比較することは、やめないといけない。

いやいや、そんなマイナスな発想じゃなくていい。これだって、旅として取り扱ってみればいい。一期一会、今までの習慣から外れる、新しい世界。


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ラジオで聴いているその優しい声には、実際に会えるときの喜びもはらんでいる。予想外の未来、だからか怖い。

仕事での打ち合わせがオンラインだからか、そういえば最近、なかなか緊張していないなと思ってしまった。

昔だったら、電車の時間を調べて、遅刻するかヒヤヒヤして、会社に着いたらちゃんと話せるか、ドキドキして。

うまくしゃべろうと、うまく聞こうと一生懸命になるから、どっと疲れる。だからか、ごはんも美味しい。

そんな習慣は遠い昔として懐かしがりながら、けれど、今でも緊張することはできる。

はじめましてでオフラインで自己紹介してお互いの悩みを打ち明けたり、google mapを使わずにあてもなく歩いてみたり。

習慣の範囲内は安全だ。その安全からすこしだけ冒険したいのは、少年の心が騒ぎたがっているからなのかもしれない。




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