29.恋

今日は、旅行記をお休みして
久々にすきなものについて書いてみようと思う。

私のすきなもの、恋。
いや、好きだったもの、かもしれない。

好きなものという言い方をしたらなんだかおかしなことかもしれないが、
私は少し前まで、ずっと恋愛体質だった。

小学3年生の時が初恋だったと思う。
同じマンションに住んでいる、同じクラスの男の子を好きになった。
その子のことは、中学1年生まで好きだった。
告白ができないまま。

実は私とその子は両想いだった、なんて噂は聞くけど、結局わからない。

中学が離れて、会う頻度も減って
私は気持ちが薄れていったような気がする。

それから私は、中学時代、いくつも短い恋をした。
他のクラスの、水泳部に所属してるかっこいい子。
ひとつ上の、音楽の趣味が合う先輩。
3年間同じクラスだった、腐れ縁の子。
全部叶わなかった。

恋をされたことも何度かあった。
けれど私は好きになれなくて、全て断ってしまった。

短命な恋がたくさんあった中学時代。

高校生になってから、入学して3日目くらいに、
一目惚れをした。

通学路で、かっこいい、と思った
身長が高くて、目鼻立ちがはっきりしている子。

歩くのが遅い私は追い抜かれ、
その後下駄箱で見かけた時に
上履きが同じ色だったので、同じ学年であることがわかった。
そして、隣のクラスだった。

部活動の見学に行ったら、なんとその子も来ていた。

部活動が一緒になった。
3年間、ずっと好きだった。

叶わなかった。

それと同時に、私は3年間同じ人に好かれていた。
すごくうれしいことだったけれど、
中学の時と同じで、好きになれなかった。

いつも一方通行なんだ。

大学に入った。
最初に入った大学で、ちゃんと恋はしなかった。
なんとなく気になる人はいて、
なんとなくデートに行く人がいて、
ありがたいことに好いてくれる人もいたけれど
どれも中途半端だった。

恋をしていたかもしれないけれど
正直あまり覚えていない。


大学を辞めた。浪人した。
浪人時代、すごく頭の良い子と友達になった。
世界史が得意な男の子。
もちろん英語も国語もすごくよくできていた。

浪人してるのに、って思うけれど
私はその人に対して
憧れから、好きに変わっていた。

はじめての恋人だった。
その人が大学に受かってから付き合った。
私は2年目の浪人。

しっかりメリハリをつける人だったから
わたしにも厳しかった。
注意すべきことは、ちゃんと注意してくれた。
ひとつ年下の彼氏だったけれど
わたしよりはるかにしっかりしていたんだ。

喧嘩をした。もう秋も深まる頃に。

それから連絡を取らなくなった。
恋が終わった。


わたしはそれから、恋をしなくなった。
好きで好きで苦しい、みたいなことが
それ以降なくなったのだ。

もちろん、今の大学に入ってから
恋のようなものがあった。

半年以上、付き合っているのか付き合っていないのかよくわからないひとがいたり
サークルの先輩とデートをしたり
友達が紹介してくれた人とデートをしたり
新歓で出会った人とデートをしたり
色々あったけれど、
あの恋人のことを好きだった時みたいにならないのだ。

ずっとずっと恋愛体質だったのに
ぷつっと切れたかのように変わった。

好きなのかもしれないと思っても
それだけで終わる。

終わってしまうのだ。

恋が楽しかった、そんな日に戻ることはできないと思う。なんて、20代前半のわたしが言っても、説得力なんてない。

いつか、またそんな気持ちになれるだろうか。

愛の重さを計るんじゃなくて、
相手から何を返してもらえるかなんて考えることなく、好きになれる日は。

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