見出し画像

ゲティビジュアルライブラリー無料公開分の好きな本メモ 【きまま日記3】 2023/04/12

ゲティ・ミュージアムというアメリカの美術館をご存知でしょうか?

石油王ジャン・ポール・ゲティとその財団が美術コレクションを展示するためにロサンゼルスに建てた、古代美術品が中心のゲティ・ヴィラ(Getty Villa)と、中世から近現代までの西洋美術を集めたゲティ・センター(Getty Center)という2つの施設で構成される、巨大な美術館です。

ゲティ・センターにはゴッホの『アイリス』、ルノワールの『散歩道』にモネ、マネ、ドガなど印象派の作品も多数展示されています。

そこの展覧会カタログや研究報告を出版するゲティパブリケーションが、300冊以上の美術関連の書籍をオンラインで無料公開しているビジュアルライブラリー、面白い本がたくさんあるのでたまに覗いています。その中で個人的によかった本のメモ。
今回は日記というより自分用備忘録です。

Getty Publications Virtual Libraryのトップページ。画家の名前や興味のあるキーワードで検索できます↓



Painted Love: Prostitution in French Art of the Impressionist Era

『描かれた愛:印象派時代のフランス美術における売春』
主題的にマネとドガの絵中心。展覧会の図録ではなく研究書。

概要と中身ざっくり見た感じでは、売春が蔓延していた19世紀パリでドガやマネ、ルノワールなどの絵画や当時の風刺画などを通して、ファッションから社会的な概念まで、1870年代から80年代において売春婦がどのように扱われていたのかを研究した本っぽい。そのうちちゃんと読みたい。


Cezanne in the Studio: Still Life in Watercolors

『スタジオのセザンヌ: 水彩画のある静物』展の図録。

セザンヌ、油彩より水彩が好きなので水彩画中心の展示いいなあ。
セザンヌの水彩は柔らかい鉛筆のタッチと綺麗な色使いで、油彩とまた印象が違うけどそれでもセザンヌみがしっかりあるのがすごい。
図録だけでもみれて嬉しい。


Masterpieces of the J. Paul Getty Museum: Drawings

ゲッティ美術館のヨーロッパドローイングコレクションまとめ。 ダヴィッド、ルーベンス、レンブラントなど様々な画家のドローイング(水彩やペン画、鉛筆画など)が見れる。ドローイング好きにはたまらない本。
アングルやマネの水彩、ドガのスケッチなども収録。

当たり前なんですけど、近代くらいまでの油絵が上手い人のドローイングってそりゃもうめちゃめちゃ上手いんですよね。美術館で生で見ると「ああ…これだけ確かな技術の上に、さらに表現力があるから名作として何世紀も残ってるんだな…」と、心底打ちのめされた気持ちになれるのでドMの絵描きにおすすめです。


Courbet and the Modern Landscape(2006)

クールベの1860年代の風景画中心の展覧会の図録。
SEASCAPESの項目にノルマンディーの海とブーダン、モネのとの関わりについての描写がちらっとあって嬉しい(私が)。


The Silver Canvas: Daguerreotype Masterpieces from the J. Paul Getty Museum(1998)

ゲティ美術館のダゲレオタイプ(銀板写真)コレクションをまとめた本。
写真は詳しくないけどダゲレオタイプ好きなのでメモ。
ダゲレオタイプの展覧会とか博物館とかないのかな。2019年に写真美術館で開催された『写真の起源 英国』展がすごく面白かったので、またあんな展示が見たい。


ちなみにどの本も無料でpdfがDLできます。すごい。
ロサンゼルスのゲティ・ミュージアムもいつか行きたいな。



今回の見出し画像

見出し画像に使用した作品はゲティ美術館所蔵、エドゥアール・マネの Letter Decorated with a Snail on a Leaf(1880)。マネの友人知人への手紙に添えた水彩画がすごく好きです。

メトロポリタン美術館所蔵の A Letter to Eugène Maus, Decorated with Two Apples(1880)も良い。

見出し画像、特に関連した写真がないときは美術館が公式で提供しているCC0ライセンスの画像から好きな絵を選んでいるんですけど、なんかマネかドガかモリゾになりがち。

メトロポリタン美術館所蔵のモリゾのこの水彩画も好き。

原画を観れる機会があるならそっちの方が良いのですが、水彩画は油絵に比べて光による劣化が早いためなかなか展示で観れる機会がないので(展示するとしてもだいたい期間限定)こうしてオンラインで大きなサイズで見れるのはとてもありがたいです。
この辺はフランスよりアメリカの美術館の方が積極的にやってますね。


活動の近況報告

5月のコミティアに向けて色々準備中です。原稿頑張ってます。


それでは、また来週。

2023.04.12