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野菜とイラストレーション

野菜って色彩豊かで見ていて楽しいし、焼き方や組み合わせ方、スパイスの調合で多様に化けるから、我れ実験心に火がつくのだな。

ある日、野菜の絵を描く仕事をいただいた。野菜の肥料パッケージのデザインに使われるものだった。

野菜を描く仕事は初めてだった。こんなに野菜ひとつひとつの表情を見つめることになるなんて。

野菜のモデル選びやポージングなど、下準備にかなりの時間を費やした。

そうこうしているうちに、このキュウリはセクシーだなぁとか、このアスパラに高貴で繊細さを感じるとか、野菜に対して、キャラクター性を見い出すようになった。2つの寄り添う茄子を見て憧れの夫婦像を描いたり、笑。

寄り添うナス


私が絵の仕事をしていると、家事がかなり滞るので、娘はたまったもんじゃない。ママとの時間はほぼ取れなくなり、外食やデリバリーが増え、明日着るお気に入りの服が洗われていなかったりする。成長期の子供と過ごす中、丁寧な食事が作れないのは私にとってもストレスだ。ごめん!ごめん!まだ(仕事が)終わらない!

母の無茶苦茶を救ってくれたのは学校給食だった。彼女が通う学校の給食はベジタリアン仕様。忙しい日の野菜不足を補ってくれるようで、ありがたかった。

イラストを無事納品した日は、ちょっとおいしい飲み物で乾杯。娘はお決まりのジンジャーエールで。私たち親子は何かある毎に祝杯を交わす。頑張った日々のご褒美だ。

仕事で野菜を描いて以来、「おいしい」を描くことに興味を持ち始めた。家族や友人の、おいしい!笑顔になる瞬間が好きだから、私は日々料理をしているんだと思った。絵でも「おいしい!」瞬間を作れたら、これまた最高だなと。


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