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旅するように織る

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#染織工房空蝉

旅して糸日誌12

旅して糸日誌12

2023年8月4日

朝一番で室へ。今日、川で流せる発酵具合であることを確認し、コーヒーをいただいて、出かけようとすると、何か食べて行った方がいいんちゃうと、トーストをいただく。

落ち着いて。まずは1輪持って川へ。今日はまず、よい作業場を確立することから。いつもの場所から少し歩いて浅瀬で流れが真っ直ぐで底が平なあたりにする。竹棒を固定する大きな石を設置したり、流れてしまったものが引っかかるように

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旅して糸日誌11

旅して糸日誌11

2023年8月3日

朝一番で室の見回り。いい感じだと思う。庭を散策していると鹿がしきりに呼び交わすのが聞こえる。苧麻を刈る。とにかく数を引かないと上達しないと思い、細めのものも含めてたくさん刈る。

コーヒーをいただいてから、藍建てをご一緒させてもらう。作っておいた灰汁を色々混ぜてphを調整。とてもよい蒅。灰汁を混ぜて捏ねる作業も楽しくできる。山の中は午前中は涼しいので、熱いお湯を使った作業も楽

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旅して糸日誌10

旅して糸日誌10

2023年8月2日

朝から葛を煮る。時間に頼らず、匂いや色をしっかり確認。室もススキを刈ってこんもり作る。

昨日の苧麻を引く。少し手が早くなったのか、思ったより早く引き終わったので、新たに刈って湧き水に浸ける。午後も苧麻を引く。気づいたら夕方。毎日夕立があるので、廊下並べて干す。
#東吉野村 #葛 #染織工房空蝉 #濱口さえこ

旅して糸日誌9

旅して糸日誌9

2023年8月1日

午前中は昨日綺麗にならなかったので湧水に浸しておいたものを再度綺麗にする。思ったより、しっかり繊維がとれる。

昼頃出て、桜井の辺りで買い物を済ませ、庭師さんの葛情報を元に富雄川を目指す道の途中、とてもよい刈り場を見つける。そうだった、こんな手触りで節が長い葛。灼熱の中、夢中で刈る。もう今年は終わりかと諦めかけていたので、舞い上がってしまう。庭師さん情報の場所でも少し採り、2

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旅して糸日誌8

旅して糸日誌8

2023年7月31日

早起きして、菟田野方面へ。葛刈り。思ったより伸びているものが少ないけれど、歩いて探しだす。

刈る時に長さを揃える。蔓から伸びる葉や横枝の落とし方にも注意を払う。ここでしっかり揃えることが、川に運んでからの作業がうまくいくコツだと分かる。
なるべく本数も同じに括り、揃った輪が連なるのは気持ち良い。

弘子さんの役所や郵便局の用事を済ませ、一旦湧水に浸けに戻ってから、朝ヨガへ

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旅して糸日誌7

旅して糸日誌7

2023年7月30日

午前中は、昨日のクソカワ落としで、流されて絡まった葛の繊維を水に浸けておいたので、染め場でたらいに水を張り、綺麗にする。苧麻や赤麻も、水に浸けていたので、いろいろ苧引き。

11時頃暑くなってきたので、川へ。朝は寒くて冷えてしまいそうだったので、陽が高くなるのを待った。
ひとまず、I輪。
発酵具合は良さそうだけれど、水分が少ないカサカサの印象。大丈夫かな。
バリバリに避けて

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旅して糸日誌6

旅して糸日誌6

2023年7月29日

朝は涼しい。赤麻の染め続き。生機のリネンガーゼ地を染める。落ち着いた色になりました。

藍の手入れ。青が見えてくる。近場や庭の赤麻、苧麻をとらせてもらい、湧き水に浸ける。庭の半夏生が綺麗なので、他の庭の草と合わせて活ける。ちゃんと花を活けると背筋がピンとするから不思議。

朝一番と昼間と、室の見回り。昼間に見たら、ぐっと発酵が進んだ気がして、午後の予定までの時間で一輪だけ、

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旅して糸日誌5

旅して糸日誌5

2023年7月28日

室(葛を発酵させるため、稲科植物たちで作ったベッド)に水分が足りない気がして心配になる。白いものは着いているけれど、カサカサな気がして心配。枯草菌頼みなのです。よろしくお願いします。

今日も歩く日。
この辺りの葛を探してみる。
全く違う姿をしている。

木々が重なっていて森になっている。立ちすくして見入ってしまう。険しい斜面で人が入ることは出来なさそうに思えるけれど、林業

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旅して糸日誌4

旅して糸日誌4

2023年7月27日

森を歩く日。
まずは去年、赤麻が茂っていたところを目指す。しかし、草刈りされたのか、水嵩が増えてなぎ倒されたのか、ほとんどいない。
歩く道々に顔を出す赤麻や苧麻は小さくてかわいすぎる。仕方ないので糸でなく、色をいただくことに切り替えて、赤麻を摘む。
緑が柔らかな道。

煮出しながら、苧麻の苧引き。真っ白を目指すより、色が残るくらいがいいや、の感覚で引く。ステンレスの板を削っ

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旅して糸日誌3

旅して糸日誌3

2023年7月26日

5:00起床。
朝一番の川は深呼吸をたっぷりしたくなるほど美しい。木々や草、岩と石と流れ、空気が美味しい。しかし、ここに葛は茂っていてもいい葛はいない。

いい葛を求めて、下流の方へ。地形や陽あたりなどいい葛の環境にについてあーだこーだとおしゃべりしながら進む。染めの材料になりそうなものも見つけると止まるので、危ない😁クサギ地帯をたくさん見つけました。
朝日が厳しくなって

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旅して糸日誌2

旅して糸日誌2

2023年7月25日

5:15起床。
夜中寒くて目が覚めて星を眺めてしまったり、明けていく山の端が美しくて眺めてしまったりで、少々眠い気がするものの、
顔を洗ってシャキッとする。
コーヒーをいただいて支度をして、葛刈りへ。
東吉野は山間のためか求める葛にはなかなかなか出会えないので、まず吉野に向かう。
刈場その1で少し収穫。去年ほど良いのには出会えず。

刈場その2へ。目を凝らし、たどるように分

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旅して糸日誌1

旅して糸日誌1

2023年7月24日

東吉野村の工房に到着しました。
染織工房空蝉、森の中です。

新幹線では先日の葛苧の小さくばらけてしまったものたちを糸(というか細い縄というか)にしながら移動。軽くて道具が要らないので移動中の作業にぴったりだと思う。

駅まで迎えに来ていただいてしまって、ありがたや。東吉野村までの道から臨む山並みはそれは美しいのだけれど、道の脇の苧麻やら葛にばかり目が行く。

お庭の藍。清

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旅するように織る

旅するように織る

染めたり織ったり、草木の力を借りてものづくりをしています。

紡ぐ、染める、織る、それぞれに道具や場所が必要で、他のさまざまな手仕事と同じように工房というその場で根を生やした仕事になります。私も自宅をささやかな工房として、暮らしながらものづくりをしてきました。毎日の暮らしと地続きでつくることを目指してはきたのです。

一方で、季節や草木と出会いながらものづくりができたらいいなという想いも強くなりま

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