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旅して糸日誌4
2023年7月27日
森を歩く日。
まずは去年、赤麻が茂っていたところを目指す。しかし、草刈りされたのか、水嵩が増えてなぎ倒されたのか、ほとんどいない。
歩く道々に顔を出す赤麻や苧麻は小さくてかわいすぎる。仕方ないので糸でなく、色をいただくことに切り替えて、赤麻を摘む。
緑が柔らかな道。
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煮出しながら、苧麻の苧引き。真っ白を目指すより、色が残るくらいがいいや、の感覚で引く。ステンレスの板を削って自作した刃を研いできたものが使えそうでよかった。
赤麻は一晩は置いて明日染めます。
庭師さんがくる日。庭師さんとじっくりお話しするのは初めてで、印象深い時間でした。入り口の松は病気になっていて治療をしつつ、形を整えているそう。「この子ぉはここまでよう頑張ってくれてはります」と優しい眼差しで眺める。みんな古い庭だからこそ。シラカシ、サカキ、ギンモクセイなど、弱りながらもまだまだ景色を作ってくれています。いろいろな考え方があるのだろうけれども、ダメなものは切る、とか、雑草だから抜く、ではなく、本当に植物とおしゃべりしながら、場を整える方法があるんだなぁと思う。人も同じ。「こちらからこうなりぃと決めつけるんでなく、その子ぉがなりたいようにさしてあげることやと思います」。
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剪定した枝からは水が滴り始めていて「この雫が元気になったかどうかの目安です」と教えてくれました。ちゃんと植物の中に水が流れているということ。
3時のお茶の時間に雨が降り出して、一斉に葉が雨に揺れるのを眺めていたら、あぁ植物がよろこんでいるんだな、と感じることができました。昼間に気温が上がり、夕方にちゃんと雨が降る。水の流れが森をつくっていることが見えたような瞬間でした。
合間を見つけては葛の糸づくり。水桶を手元に置けない場所でも、小さなスプレーを持ち歩いてどこでも糸づくり。この小さなスプレーは生花の研究会用のもの。シズル感を出すために仕上げにシュッとしたような記憶があります。ずっと昔のことですが、また役に立って嬉しい。
夜な夜な糸づくり。
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