石丸伸二の女性蔑視がきっかけで彼氏と別れそうになってる

事件は、私が世間話として「なんか石丸やばいところいっぱい出てきてまじやばいね〜」みたいなことを言ったことから始まった。

私がそう言ったら、「あの人、格好良いよ」って返ってきた。
彼は政治とか勉強に全然興味がなく、石丸を支持しているわけでも全くなく、ただSNSで流れてくるので面白く見ていたようで。

それで、私は
「いや、あの人やばいよ」
「女性差別をする人だよ」
「SNSで騙されてる人多いけど……」
「“女子供”とか言うんだよ」
「頭ぽんぽんしておけばよかったですか?とかも」
と話した。
びっくりしすぎて強く言いすぎてしまった部分は否めないけど、かなり落ち着いて話した。

そうしたら、彼が怒り出した。
それだけ石丸を信奉していたとかではなく、単純に、否定的なことを言われると落ち込んで怒り出してしまう人なので。
あと、差別がいかに問題かとか、“女子供”って表現がどういう意図を持つかとか、知らない人なので。

そんな感じなので、私はもやもやしながらも、その日はもう話さなかった。
このまま色々言い返すと、面倒だし、話が伝わらないのはわかっていたから。

でも、女性を、私を、差別する人のことを「格好良い」と言うのは、あり得ない。
知らなかったなら仕方ないが、私が伝えたのに、認識を改めるどころか怒り出した。
そんなことないだろうと信じつつも、「女性差別をしていたって格好良い」と思うのだろうか?と、不安になった。

私は、例えば「嫌い」と言われたら、それが怒りに任せて言った本心でない発言だとわかっていたとしても、「あれって本心じゃないよね?」と確認できるまで気が済まない質だ。
だって、99%本心でないとしても、もしも1%の方だったら、もう付き合っていられない重大な問題だから。
そういう重大なことを、勢いに任せて言うのも許せないから。

だから、後日、「女性差別をしている人を格好良いと思う人とは付き合っていられないけど、あのとき怒ってきたのは、そう思っているように見えてしまったよ。あなたは、女性差別をする人は格好良くないってちゃんと思える人だよね?」と、確認した。

そうしたら、「女性差別をする人はよくない」と返ってきたので、「よかった」と返事した。
それで一件落着、話が終わると思った。

しかし、「よかった」に対して、「この話もうしたくない」と返ってきた。
ああ、伝わっていないんだな、とわかった。
「大した問題じゃないのに、不快な話を蒸し返してくるな」って意味。
知らなかったとはいえ女性差別をする人を「格好良い」と言ったのも、それを説明されて怒り狂ったのも自分なのに、不快な話をされたという被害者面。

「しつこい」「うざい」「頭悪い」「もう話したくない」……

「私を殴ってくる人のことを格好良いって言われたら、私が傷つくのはわかる?」には、「わかる」と返ってきた。
でも、今回の件がそれと同じだとは納得できないらしい。
私が差別されているのに。

そういえば前に痴漢の話になったときに、「痴漢されたことある?」って訊いてきたから「あるよ」って答えたら、鼻で笑ってたな。
勘違いかもと思って、あとびっくりもしちゃって、「痴漢って怖いんだよ……?」と言うことしかできなかったけど。

女性が、私たちが、私が、差別されていることとか、傷ついていることとか、犯罪の被害に遭ったこととか、一緒に怒ってくれないんだな……。

彼は、私よりずっと勉強をしてきていなくて、言葉を理解するのも発するのも苦手で、でも心根が優しくて、私を大切にしようとしてくれる人だ。
上手くできないことが多いけど、それは仕方がない。
今回もその範疇ではある。

例えば、自分はコミュニケーションが苦手で否定的なことをすぐ言ってしまうのに、人から少しでも否定的なことを言われると酷く落ち込んで怒ってしまう。
私は、特性や育ちで仕方ないからと、「今のは否定的に聞こえたけど、本心はどういう意味だった?」と落ち着いて確認してきた。
否定的な発言をされても、理不尽に怒られても、しっかり反論と注意はするが、最終的には許してきた。

そう、今回も、私の言うことを上手く理解できなかった上に、否定的なことを言われて傷ついて怒ってしまっただけ。
「格好良い」も、深く考えず軽く言っただけ。
別に、女性差別を、私が傷つけられることを、容認するわけではない。
でも、それがどれだけ大きな問題かは知らないし、説明されてもなかなかわからないし、真面目な話はしたくないし、自分の無邪気な考えを否定されると腹が立ってしまう。
仕方ない。仕方ないことではある。

でも、私はこの先もそれを許し、向き合っていけるのだろうか。
いくら心根が優しくて、私を大切にしようとしてくれていて、気が合っても、どれだけ勉強してきたか、物事を深く考えるか、言葉を正しく理解し発せるか、どれだけ感情的か、が全く異なると、上手くいかないのだろうか。
別に社会的な成功とかは微塵も求めていなくて、ただ人として一番大切にしてくれればそれで幸せなのにな。それが難しいんだな。
彼からすれば、「大したことないことで否定されて酷い」だもんな……。

私と彼では傍目にも社会階層がだいぶ違うが、“身分違いの恋”が難しいというのは、こういうところなのだろう。
生まれ持った能力と環境が違っただけなのにな。

仕方なくて、どうしようもなくて、心が折れそうになる。


……こういう極度にプライベートなことをインターネットの海に放流するのも良くないんだけどね。これまで全部全部一人で抱え込んで許して支えてきて辛くなっちゃったから。ごめんね。許してね。

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