E判定からの逆転面接 ④アルミニウムby 茶茶 サティ(有料) 

【はじめに】


記事は有料にします。
「いざ面接!」というとき、別の受験生と話題がカブるのはいかにもよろしくありません。それに一般に知れ渡ってしまったら「秘策」の意味がなくなってしまいますからね…
従ってこの記事の販売も限定5名様までといたします。
 
まずターゲットにしたアルミニウムについて、あらゆることを調べておきましょう、暗記するほどに。
 
 そんな無茶な、といっても、そもそも元々が無茶なのです。私立のお高い学費を払うか、今年1年を予備校か宅浪で過ごすことを考えたら… 若き日の1年と多額の学費が文字通り飛んでいくワケですよね…
それに比べたらこのくらいの労力と出費くらい、どうということはないかと考えます。
 
 

【A,アルミニウムという金属】


二酸化炭素と同様、アルミニウムについて、あらゆることを調べておきましょう、暗記するほどに。
 
本当は自分で調べるのが筋だし、その方が良いに決まっていますが、今のあなたにそんな悠長な時間はないはずです。そこんとこをサティが「有料で」助けますので、まずお読みいただき、そのうえで調べて補足していけばよいでしょ… という算段です。
 
もう今年の受験、これに賭けるしか道はない… のでしょう?
 
さあ、アルミニウムです。金属アルミニウムは融点660.32 °C、沸点2519 °C、密度は2.7 g/cm3で、金属としては軽量な部類に入ります。
 
原子番号13、原子量27で1円玉の素材としても有名です。1円玉1枚は1gですから、つまり1枚で1/27モルですね。同様に27枚集めれば、それがアルミ1モルに相当します。
天然には 27Al (安定同位体)と 26Al (放射性、半減期71.7万年)の同位体が存在しますが、99.9%以上を27Alが占めています。よって標準原子量は 26.9815386、ほぼ27です。
26Alは宇宙線陽子によるアルゴンの破砕が原因となって大気圏で発生するそうです。
 
ところで… 1円玉2枚を使って願いを掛けるおまじないを知っていますか?
1円玉2枚を重ね、あなたの手のひらに載せます。そしてもう片手の人差し指の先端を1枚の1円玉に載せたら目を瞑りましょう。
そして「願いをこころに強く念じながら」手のひらの1円玉を中心にして半分重ねた1円玉を円を描くように回すのです。
 
実は… これはいたずらです。3分も回せば、手のひらには円形に真っ黒な図形が描かれていていますよ。銀色のアルミが削れて黒くみえているんですね。
ハハハ、そう怒らないでさ… アルミの柔らかさがよくわかる実験だと思いませんか?
 
ただこのいたずらには注意すべきことがあります。
ひとつは金属アレルギーの方には不向きであること、もうひとつは厳密には貨幣損壊に当たるかもしれないということです。まあよほどに力を入れて長時間擦らない限り、削れる量は誤差の範囲で済むでしょうが…
 
ちなみにアルミニウムの粉末は可燃性で、消防法でいう「第2類危険物」に相当します。わずかな油脂にも吸着される性質があり、警察の鑑識では微粉末を柔らかな刷毛につけて事件現場などに薄く散布して「指紋の検出」に利用します。ヒトが指や手のひらで触れたところには皮脂腺から分泌された僅かな皮脂が残るため、そこにアルミの粉末を薄く塗ってからエアを吹く、またはごく軽く刷毛をかけると、皮脂の残った部分だけにアルミの粉末が吸着されます。そうして採れた指紋や掌紋をセロテープ状のもので写し取るのです。
 
ちなみにアルミ単体は延性展性(伸びたり広がったりする性質)に優れており、単体を均一に薄く伸ばした「アルミ箔」としてどこの家でも利用されていますね。合金としてもクルマのエンジンやホイールの素材にもなっています。また軽量で丈夫であることから、第2次世界大戦以前からジュラルミン、超々ジュラルミンという名の銅やマグネシウムを加えた合金が航空機の素材として用いられてきました。
人体での作用について格別な話は聞きませんが、かつてはアルツハイマー症に罹った方の脳にアルミが蓄積しているとの報告がありました。しかしこれもアルミが原因というよりもアルミを適切に排出できなかった結果とも言われており、きちんとした因果関係は証明されていません。
 
クラーク数3位(1位酸素、2位ケイ素、3位アルミ、4位鉄)のありふれた元素で広く地球上に存在しますが、単体として取り出すにはかなりの手間とコストと電気代がかかります。
 
 

【B,金属単体の生産】


人類の金属使用歴としては自然金、自然銀、自然銅といった天然に存在する金属が最初でしょうか。これらは何の加工をしなくても最初から金属単体でした。そりゃね、純度はとやかく言わないことにしましょうよ。
これらはイオン化傾向が小さく、他の金属を差し置いて単体になりやすい性質があります。
 
あとはかつて天から落ちてきた鉄(隕鉄)あたりでしょうが、どれも絶対量が少なくて、おそらく需要には遠く及ばぬ供給量だったかと思われます。
 
 
では「金属を製錬する技術」を、いつどのようにして開発したのでしょう? 単なるたき火では「酸化物」として岩石等に含まれる金属を還元して金属単体を作るには温度が足りません。さらに金属酸化物を還元するための「還元剤」も加える必要があります。
 
つまり人類がかまど状のものを作り、フイゴのような装置で空気(というか酸素)を過給気味に供給できるようになり、かつ還元剤としての「炭や石炭」が鉱石と混在する状態でようやく最初の製錬ができたはずなのです。
想像によると、それはスズを含む銅鉱石かもしれません。そう、歴史上最初の金属は「青銅器」だったはずだからです。青銅器の使用について以前はメソポタミア文明の中で学習しましたが、今はB.C3600~4500年頃のタイのバン・チェン遺跡からの発見が最古とされているようですね。
 
鉄は隕鉄と区別しなければなりません。以前は鉄器の使用の嚆矢(こうし)は「ヒッタイト帝国」だと教わりましたが、今はBC2100年頃のトルコのカマン・カレユック遺跡で発見された鉄の小刀が最古であるようです。鉄を精錬した時に出来る廃材なども出土したとのことなので、おそらく砂鉄から製錬したのでしょう。
 
ちなみに酸化鉄の還元自体は融点まで達しなくても、400~800℃程度で可能です。炭やコークス(炭素)などを燃焼させれば一酸化炭素が生じ、これが高温の酸化鉄の酸素を奪って二酸化炭素になる一方で鉄が生じます。ただし穴だらけの硬い塊ができてしまうので、赤熱しているうちに硬いものの上で打ち叩き(鍛える)、不純物を追い出しつつ鉄の塊に近づけていくのです。
 
 
アルミニウムの語源はラテン語の「alumen」で、これはミョウバン(狭義では硫酸カリウムアルミニウム十二水和物{AlK(SO4)2・12H2O}という複塩を意味した言葉だそうです。改めて調べて知ったのですがミョウバンにもいろいろな種類があるのですね。でも確かにAlは幾種ものミョウバンに含まれているようです。
ちなみにミョウバンとは食品加工時の色彩の保持(特にアントシアン系の赤や紫、青の色を鮮やかにし、かつ保持する)や灰汁(アク)抜き、さらに皮革のナメしなどに使用された薬品です。
 
ナポレオンⅢ(3世)が最上級の客をもてなすために,金銀ではなくアルミ製のスプーンを使ったのは、当時アルミは非常に高価で、カリウムによってアルミニウム化合物を還元して得られた貴重品だったからです。
 
そもそもカリウム自体のイオン化傾向はアルミよりも大きいのです。だから1807年にイギリスのハンフリー・デービーが水酸化カリウムを電気分解することでカリウムを得るかなりヤバいめの方法を発明し、そうやって得たカリウムからアルミニウムを製造するのですから、余程のカネと労力を掛けなければ単体アルミニウムは作れなかったのです。なんせナポレオンⅢが生きていた時代ですからね。
 
さて1808年にスウェーデンのエルステッドが、アルミナ(後述)の電気分解によりアルミニウムの単離に成功しました。現在のホール・エルー法は1886年に発明されたものですが、原理的にはほぼそのまま現代にも踏襲されています。この辺、youtubeの
https://www.youtube.com/watch?v=jXgc8SmLv24
あたりにかなり詳しく載せてくれてありますねよ、参考までに是非一度ご覧ください。 
 

【C、バイヤー法とホール・エルー法】

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