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揺らぎの中で

目に見える分かりやすいものではなく感覚に目を向けようと決めたこの年は、揺らぎ続けた一年でした。

何度思い出しても涙が出るような美しい光景にたくさん出会ったり、遠く離れていても繋がりを感じるあたたかな友人たちに出会うことが出来ましたが、それと同時に揺れて揺れて、正直吐きそうになることも本当に多かったです。

システマチックにこれをすればこれだけの結果が出るという世界から、経験も知識もツテも一切なく、全くもって正解が無い表現の世界に身ひとつで飛び込んだ一年。

ひとって豊かな生活をするために、選択肢を増やすために学歴だったりスキルだったりを磨いて来たはずなのに、それが足枷になって、不安で安定を捨てられず、上がった生活水準を下げることが出来なくて、本当にしたいことから目を逸らして不自由になっているよねと言っていた友人がいました。

側から見れば周りなんて気にせず自由にやりたいことをやっていて楽しそうに目に映るかもしれませんが、その怖さは私にもしっかりあるし、桃源郷はどこにも存在しないように、ちゃんと、しっかり苦しさもあります。

表現を本格的に始めた2022年は、始めたと言いつつもこれで食っていくぞ!という決意があるわけでもなく、ただ見つめたいものを見つめ続け、信じたい世界を信じ、必要な時に必要な人に届きますようにと、絵も写真も言葉も独学で、周りにそういうことをやっている人もおらず、色んな人に影響を受けながら手探りでひとりでやっていました。

表現したいことはあるけれど、今は写真、絵、言葉がありますが、正直手段にこだわりはなく、元々スペシャリストタイプではないことも相まって、まだその「何か」を見つけられていないように感じ、苦しい日々が続きました。

そろそろ手段を決め、その道を極め始めたい、腰を据えて進みたいと切望しながらも、やっと手に入れた!と思ったひかりが見つかっては消えを繰り返し、それが積み重なるほどに不安感や焦燥感に駆られました。

そんな中でも書き続け、撮り続け、描き続け、特に今年は写真にたくさん支えられました。

カメラを買って一年と半年ほど。

今年は一万枚でしょうか?気付けばひたすらにシャッターを切っていました。

そうやって撮った写真やエッセイを見てインスタのDMでメッセージを送って来てくれた人たちがいたり、色んな人たちに写真いいねと言ってもらったり、たまたま旅先で出会った写真をやっている友人に続けた方がいいよ!これやってみたらいいんじゃない?と背中を押していただいたりと、とにかくそうやって見出していただくことが多かった一年でした。

写真を見に来てくださる方、エッセイを読んでくださる方、反応を下さる方、みなさんにたくさん支えられています。いつも本当にありがとうございます。

いつでも貴方は大丈夫だよとそばで支えてくれた友人たちや相談に乗ってくださったひとたちには感謝してもしきれません。

誰にも渡すまいと固く握りしめていた人生の手綱を少しずつ緩め、安心して自然なリズムに任せられるようになって来ました。

それは辛いことから目を背ける逃げではなく、全てのことをコントロールすることは出来ないことを受け入れ、いい意味での良い加減さを持って自分のリズムに素直に呼応することだと思います。

そうして揺れながらも進み、たくさんの方と出会う中で、自分が表現したいことは別に既存の型にはめ込まなくてもいいんじゃないかとようやく確信を持って思えるようになって来ました。

何年も思い描いてきた世界に少しずつ出会え始めて来ています。

こうやって一年を振り返ってみると、少しずつ写真も絵も言葉も良くなって来ているようにも感じます。

揺らぎながらも向き合い続けた過去の自分にもありがとうと伝えたいです。

別に何者かになりたいわけでも、自由になりたいわけでも、これが正解だと言いたいわけでもなく、ただこれからもまっすぐに見つめたいものを見つめ、必要な時に必要な人に届くようにと、枠に囚われず伝えていければなと思います。

揺れることは苦しいけれど、揺れることは生きることなのだろうと思います。

これからも揺れ続けるだろうし、揺れを拒絶せず揺れゆくものを見つめ続けていくことのできるひとでいたいと思います。

もう年が明けてしまいましたが、みなさんが今年もたくさんの出会いと巡りあえますよう心から祈っています。

貴方が貴方を取り戻せる場所を見つけられますように。その場所のひとつであれますように。





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眠れない夜に

いつも、応援ありがとうございます!いただいたサポートは10月までのデンマーク旅に使わせていただき、そこで感じた物を言葉や写真、アートを通してお返しできたらなと思っています。