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あのこは貴族

新宿駅の西口あたり。

普段なかなか行かないんだけど
用があって行った帰り道、

その場所で思い出される
後悔、寂しさ、孤独、のような気持ちが
突然ぶわって襲ってきて

私はひとりぼっちだなぁって
押しつぶされそうになりながら
なんとか押し殺して溢れないように
赤信号で待ってたの。

そしたら突然声をかけられて。

「セブンイレブンどこですか?」って。

外国人の旅行客のおふたりで、
彼女らの携帯の地図を見ながら
どこだろう?とふと顔を上げたら
めちゃくちゃ目の前にあって。

あそこ!って言ったら
こんな近くにあったんだねって、
全然気づかなかったねって、

彼女らと一緒に笑って
ありがとうってさよならをして。

その後涙が止まらなくなった

自分の中でぐるぐるまわる感情に
吐きそうなほど苦しかったあの瞬間

彼女らはたまたま目の前にいた私に
声をかけただけだったはずだけど、

その一瞬の出来事で、
その一瞬の繋がりで、

見ず知らずのその人たちに
少し心を掬ってもらった気がして

助けてもらったことがありました。

そんなことを思い出した
「あのこは貴族」

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終わった瞬間じわじわと涙が溢れてきて
誰かとほんとに心が通うことを
誰だって求めてるのかなぁって
そういう人に出会えたら幸せかもなぁって

何があっても味方でいてくれるって
思える人がいるありがたさと、
それでもいつかどこかで
なくしてしまうんじゃないかという不安と、

いろんなことを考えた。

石橋さんの役、とっても素敵。
こうやってみんなが自由に
生きていけたらいいね、

妥協するんじゃなくて、
受け入れて見つめて、
心に素直になる少しの勇気。

きっとそれは簡単じゃなくて、

だけどきっと、それができたら、
世界は静かに劇的に変わるはず。

息ができるはず。

それぞれの生まれ育った世界には
それぞれの揺るぎないものが流れていて

そう、違うの。
何もかも、違う。

違うのに近いと感じられる不思議。

華子のような世界を
羨ましく思うこともある。
無い苦労よりある苦労がいい。

でも、あるようにみえてないのかもね。

生まれた時からある程度
人生って多分決まってて
受け入れるのか抗うのか
正解とか間違いじゃないけど

自分が正解だって思えるように
息ができたらいいのかなぁって

あなたの世界はあなたのものだって
言ってもらっている気がしました。

今日も、私が息をする。



璃音 rinon


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