【詩】11.天秤
僕が愛を疑うそのたびに
罪のない記憶が滲んでしまうんだ
並んだ影の濃さだけが
ひどく曖昧になっていく
許せないのは名も無き罪
遣る瀬無いから互い違い
もつれながら解いてきた糸は
気付けばもう千切れそうだ
僕の海を泳いだ魚
魚を食べて溺れた君は
波の中で恨むのだろう
僕の海が存在した事実を
傷付いた分、執着心
居場所ないから互い辛い
騙し騙し過ごしてきた日々は
気付けばもう終わりそうだ
うさぎの影は隠せない
ここで浮き彫りになっていく
散り散りの光が闇に溶け出して
僕は朝を探して椅子を蹴る
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