見出し画像

今から無念へ登るために

その景色は唐突に消える
喉から出した手でも もう届かない
素晴らしい非日常を閉じこめて
夢見た高揚には もう辿り着けない

誰もが通ってきたのに
誰もが戻ることのできない場所

一生自分を恨む 過去の幾度よりもひどく
錆びついた映写機は呆れて家出をした
どうか右回りよ止まれ これ以上の加速は恐ろしい
耐えられない飢餓は孤独によく似ている

誰もが通ってきたのに
誰もが戻ることのできない場所

お元気そうで何より そんな醜き海の心配を
自画像に人間を見ない そんな人間でもいい
遠くなっても変わらない そんな事を考えて
生き急ぐ青年がここにいる そんな起因の話

そんな起因の話

誰もが通ってきたのに
誰もが戻ることのできない場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?