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失敗

私の母は、重度の心配性かつ重度の過保護である。

昔から「自由」を制限される事はよくあり、ひどく苦しんだ。特に自分が高校生だった頃は制限が厳しく、仲良くしてくれていた人には迷惑をかけた事も多々あったな、と思う。最近は、大学生になったという事もあり圧力がかかり、自由が奪われるという場面は激減した。

そんな彼女は、私が遠出などのイベントの際には「これも持っていきな、後これとこれも!」と必ず私の荷物を嵩張らせてきた。ここでいう遠出とは、幼い時の遠足、宿泊を伴う行事、最近でいうと留学などとする。
不要と伝えると、絶対に使う時がやってくるから持っていけと言い続けるので、仕方なく黙ってそれを飲み込むというのがいつものお決まりだった。
しかし、母のおかげで助かった事があるのもまた事実だ。


その心配性が、「失敗は悪い事」という認識からきているのか、はたまた長い人生経験故の「先人の知」なのかは本人に聞いた訳ではないので定かではない。

程度にもよるが、失敗しないよりはした方がいいのでは?と最近思うようになった。ミスから立て直す方法を知っているのと知らないとでは雲泥の差がある上、実際に社会から求められているのはそういった失敗やミスをどう乗り越えてきたかという「経験値」なのだろう。

かくいう私も失敗するのが怖いし、何か新しい事を始める際にはどうしても体裁を気にしてしまう。

誰かの失敗に対して寛容な社会になる事を心から望んでいるし、そういう人間に強い憧れを抱く。

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