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拝啓、マイスター


シャワーを浴びている時や散歩をしている時、インターネットの海を泳いでいる時にふと思い出す事がある。


それは約1年3ヵ月前に亡くなった同級生の事。

当時お付き合いしていた方の親友だった。

その子は病気を患っていて、車いすを利用していた。

持病のため、みんなと同じように4月からの登校が叶わなかったり、入院する事も何回かあった。


***


向日葵、というよりかは百合の花のような屈託のない笑顔。

放課後の教室で黙々と勉強している凛とした姿。

どれもが印象深い。

最後に彼女に会った時は元気そうだったから、その悲しい知らせを信じる事が出来なかった。

どこか違う世界の話であってくれと強く強く願ったのを覚えている。

病に蝕まれていているようには到底見えなかった。本当に元気そうだった。


***


おそらく自分の寿命が残り僅かしかないという事に気付いていたのではと思う。

それでも弱さひとつ見せずに自分の人生を全うした。

「生」に対して極めて紳士的な姿勢が自分には美しく映った。

亡くなった後に彼女の良さにまたひとつ気付くことが出来た。


***


SNSを見ていると、ごく稀に彼女が使っていたアカウントを見かける。

見かけたらその日はハッピーな気分になれる。

秘密のお守りみたいに勝手に思っている。

ありがとう。


***


冒頭に書いた通り、何をしていても、どこにいてもふと思い出す。

だからこの事を書かずにはいられなかった。

書かなければいけないと思った。

彼女の死を生涯忘れる事はないだろう。

「生」に対してこんなにも真剣に向き合っている人を忘れるわけがない。

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