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時代の変容を受けながら綴る、わたしのこと2

このタイトル、いかにも大きな話題であるかのような印象を与えてしまって少々恥ずかしいのですが、第1弾を公開した以上、関連する話題は同タイトルでナンバリングするほかないでしょう。

今日は、演奏会のネット配信について書くので、「番外編2」的な位置づけになります。

★バックナンバー★

配信の経緯を整理してみた

今年はなんといっても、配信元年。
音楽も、舞台も、スポーツも。春先には、これまで観客を伴って開催されていたイベントの多くが、無観客実施・画面を通しての配信に切り替わりました。
その後、座席をあけたり声援を控えたりするよう呼びかけ、観客を入れて実施する工夫がこらされる一方で、配信も並行して活用されています。

これに関しては、ある程度、予想していました。5月時点のわたしも、こう言っています。

(配信にも良い点と悪い点がある、という話に続けて、)

でも「良いこと」がある以上、この自粛ムードが終わったとしても、ネット配信がなくなることはないんじゃないかな、とぼんやり思い描いています。生で届ける/受け取ることの代替手段に過ぎないのであれば、きっと自粛ムードの衰退につれて縮小していくのだろうけど。
(「△時代の変容を受けながら綴る、わたしのこと(番外編)」より)

開かれたのが同じ催しであっても、会場で目の当たりにするそれと、自宅の画面越しに見届けるそれは、似て非なるもの。
わたしはどうしても、後者が体験として劣っているように思えてならなかったのだけど、だんだんとメリットが見えてきました。

試行錯誤しながら、実践されている一例

この投稿に至るきっかけとなった動画をご紹介します。
【プリモ芸術工房2020年11月15日公演のアフタートーク】です。

「アフタートーク」と見た時点で、
本公演を見てないから、ちょっと…とか
そもそも出てる人のことも全然知らないし…とか
そういう意見が出るかと思います。そう思ったら、もう少し先の文章を読み進めてから、再生するかどうか決めてください。
もうすでに興味を持ったよ!というかたは、動画をご覧あれ。

自分の主義主張を書く前に載せる動画としては、20分超えって長すぎますよね。でも、この楽しそうな空気感も含めて、共有したかったんです。

改めて説明しますと、こちらの動画が撮影されたのはプリモ芸術工房。
サロンコンサートみたいな規模感の会場だと思いますが、コロナ禍における対策をとった今回の場合だと、客席数は20でした。わたしは現地を訪れたことがないけれど、マックス40~50くらいかな?

動画の出演者は3名です。
・歌手(メゾソプラノ)池田香織さん(中央)
・ピアニスト石野真穂さん(左)
・プリモ芸術工房主宰の大島純さん(右:インタビュアー)

現在残っている動画はこのアフタートークのみですが、本公演もリアルタイムで配信され、数日間はアーカイブ視聴ができました。

ただし、配信チケットの購入は、公演スタートの90分前まで!
それが今回最も共感した部分で、アフタートーク内でも話題になっています(15:33~17:20あたり)。
先ほど動画の再生をスキップしたかたは、ここだけでも聞いてください。”ライブ感”、”配信と言えども生の感覚”と口々におっしゃられています。

配信を肯定的に捉えられたのはプリモのおかげ

実はわたし、配信モノを購入したのは今回が初めてなんです。

それこそ春先、配信が始まってすぐは、多くが無料公開されていました。まあ、これまで有料で観客を入れていたものが無観客になり、じゃあどうやって収益を得るかって、当然、有料配信をするしかないわけです。
だから有料化は当たり前の流れなのですが、「従来と違う視聴体験に対してお金を払う」って、なんとなく抵抗がありました。

それをなぜ買ってみようと思ったかというと、「実際に会場に聴きに行くのと同じで、前もってチケットを買って、当日を心待ちにするという感覚が嬉しかったからです。なんせ久しぶりなんだもの。

「『えぇ、配信なの…?』みたいな人も、いないわけじゃないから」という大島さんの言葉は、
・観客にも出演者にもそういう価値観の人がいるという現状
・その隔たりをどう処理していくかという今後の課題
を示唆するものだと思いました。

わたしも、「そちら側」だったわけです。配信の購入に対して、気乗りしないような、決め手に欠けるような。
でも、こういうライブ感に重きを置いたコンセプトで配信していただけると、見る側としてもポジティブな感覚を持てます。

ずっと懐疑的な思いで見つめていた配信文化が、わたしの中でプラスに転じた瞬間でした。この体験をぜひ書き残したいと思い、久しぶりのnote更新です。

おわりに

配信が「会場での生の体験」に完全に取って代わることはないだろうけれど、「配信には配信の良さ」「配信にできうる限りの生っぽさ」は必ずあります。それがもっと広まってほしい!

プリモ芸術工房さんの場合は、お客さんを入れた状態で、かつ配信もするということで、音響的にも大変だと思います。現地でだけ・あるいは画面の向こうにだけ綺麗に届けばいい、というわけではないから。
配信との両立のため、裏方の苦労は計り知れませんが、出演者や観客の「配信への理解」が深まれば、よりよいものが生まれることだろうと思います。

関連リンク
プリモ芸術工房 HP:今後のライブ配信予定
   〃    Twitterアカウント:@primoartstudio

七志野さんかく△

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