跡に欠片
冷蔵庫の片隅にある君の飲みかけの水を毎朝みつける
君のお気に入りの香水に手を伸ばす
その匂いに毎日寄せられ包まれる
君への目印になればいいのになんて
またいつかの思い巡らせながら
君だけがいないはずの日常
ただそれだけの毎日を繰り返す
君の香りと混ざらない僕と香水
仲違いもしないまま君だけが消えた部屋
歯ブラシも冷蔵庫の水も香水の場所も
なにも違えない
街中の残り香に振り向いてみても
君の面影ひとつも見当たらなくて
匂いも横顔も揺れる影さえも
包み込めないまま、また今日も
君だけがいない部屋に眠る。
ふた月仕舞われたマグカップを並べた夜
時間を止めたミルクティーと少し減った珈琲
マグカップで水を飲むことが多くなったよ
君はなにを言うだろうか
片付けもしないまま君だけが消えた部屋
歯ブラシも冷蔵庫の水も香水の場所も
なにも違えない
リビングも洗面所も何処にでも
君の記憶の欠片があるんだ
匂いも横顔も揺れる影もなにもかも
ちらついて離れないまま
今日も終わってく
君のいない朝は冷たくて
君のいない春は色が足りない
君のいない1日は時間が余って
君がいない毎日はリモコンの取り合いもない
君がいないだけで寂しさに暮れてる
仲違いもしないまま君だけが消えた部屋
歯ブラシも冷蔵庫の水も香水の場所も
なにも違えない
リビングも洗面所も何処にでも
君の記憶の欠片があるんだ
匂いも横顔も揺れる影もなにもかも
ちらついて離れないまま
今日も終わってく
また今日も
君だけがいない部屋に眠る。