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かたち

カーテンの隙間からこぼれた夕焼けが
君の服を染める
君は気づいていないけれど

「あいたいけどね」
こぼした言葉を隠す白い息、気づかないふりをした
どうやら冬が近いみたいだ

昨日までの君に僕はいない
昨日からの君に僕はいらない
それだけだから、ね

冷たい風に引かれる君の髪と甘いかおり
溶かした思い出を冷たい風に散らそう
少し赤い頬と鼻先、瞳はどうか揺らさないでいて

この先、笑って生きて
これまでもこの先もなにもなかったんだ
僕らはただの幼馴染みだ
これからずっと幸せに
交わらない道の節でまた

夕日が滲(し)みた君の瞳を知らないまま
僕らは大人になるようだ
互いの痛いところを上手に避けながら
1度も向き合おうとはせずに

それが僕たちなりの形を保つ方法だった

何度も繰り返した "いまなら..."
いくつ交わしても今さらだ

この先、笑っていて
壊れないようにと生きていたい
僕らはただの幼馴染みだ
これからずっと幸せに
交わらない道の節でまた