oooo l 東京退屈日記

ワンルーム9.4畳、一人暮らし in 東京。 🐈を膝に乗せながら本を読むのが夢です。 …

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ワンルーム9.4畳、一人暮らし in 東京。 🐈を膝に乗せながら本を読むのが夢です。 https://instagram.com/_oooo1221_?r=nametag

最近の記事

紫色のプラムの季節

多分、やや特殊な環境で育ったのだと思う。 たまたま入った小学校には、オノ・ヨーコの親戚がいたり(彼女はジョンレノンを大叔父様と呼ぶ)、毎年家族で泊まるからという理由でヒルトンの権利を買う人がいたり、個人輸入の真っ白い家具が尽くされた海沿いの別荘を持つ人がいた。 そんな中、一度も飛行機に乗ったことがない私が、ぽつりと存在していた。 給食の制度はなく、みな誰かに持たされたお弁当を持ってくる。大抵は母親がつくっていたが、稀に祖母がつくっている人もいた。父親がつくる、というのは

    • 模様替えがしたいのです

      ‘’いますぐ’’に何かを変えなければならない、という観念に襲われ、見慣れた目の前の景色に、じっとしていられなくなる。 模様替えの始まりは、いつもこんな感じだ。 1秒前まで、そこそこ気に入っていた部屋が、いきなり反旗を翻す。ストを起こす。 そういえば、カナダの田舎の大学にいた時に、バスがストライキを起こしたことがあった。いつも通り味気のない蛍光灯の学食で、美味しくもないコーヒーを買っていると、今日バスは使えないから気をつけてね、とレジのお姉さんに教えられた。なんてカジュア

      • 手書きの文字とセンス

        1年ぶりに昔やっていたブログにログインした。「手書きの文字とセンス」というタイトルの記事が下書きに残っていた。 タイトル以外なにもない、空っぽの記事だった。 きっと当時の私は、このタイトルで何か書こうとしていたのだろうが、全然思い出せない。もう全く、ひとかけらも思い出せないのだ。 だいたいこのタイトルはなんだ。手書きの文字とセンスって。 「手書きの文字と性格」ならまだ分かる。几帳面な人は一画一画丁寧に書き、行間が均等である。書き進めるに連れて右上がりになど決してならな

        • 東京退屈日記、事はじめ

          この街には、あまりに選択肢が多い。店や物が溢れ、ある程度のお金を持ち合わせさえすれば、自由を手に入れることができる。 このことを否定するつもりはない。お金による物質的、もしくは刹那的な自由さによって、自分の存在や価値を日々確かめている自覚はあるからだ。 かごの中の鳥だって、押すと餌がでるボタンつきの籠と、きまぐれに餌が差し込まれる籠だったら、前者を選ぶだろう。ボタンを押すと餌がでる、という行為を通して、何か意味のあることをしている、という錯覚に陥れるからだ。そして、自分の

        紫色のプラムの季節