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ep.23 あのまちへ あなたへ ZINEに乗れば会える

花冷えの日々ですね。風邪などひいてはいませんか?3月も末というのに、タートルネックは着ているし、こたつからは今日も出られそうにありません。

こんばんは。たまです。とはいえ、桃色のトップスとか淡色のスカートとか、春服に心おどっている自分もちゃんといて、いちおうは春を生きているみたいです。


ここは、小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。水曜日は「生活の日記」と「今夜の1曲」をお送りします。


生活の日記

熱が冷めないうちに言葉に残したいと思うできごとが、生活のなかに起きたならば、これはもう日記を書くしかない。

それは先週のこと。静岡市の art book shop りぶらりお さんで開かれたイベント『 ZINE舎YELL 』に、昨年わたしが制作したZINE「だいじょうぶの一粒」も参加したのだ!

☝︎ZINEの制作経緯など、
instagramでお話ししています

自分の書いたものが、本屋さんに、並ぶ。

これまでの人生で一瞬たりとも想像してこなかったことが、縁を結んでいった先で、実現する。30年生きていたら、こんなことも起きる。

奇跡みたいなはじめてを、どうしても自分の目で見たくて。先週末、家族にも協力してもらい往復7時間の旅路。慣れない東名高速を進み、静岡へと向かった。

静岡市草薙のart book shop りぶらりおさん

店内にずらっと並ぶは、各地から出展するZINESTER(ジンスタ:ZINEのつくり手)さんたちの思い思いの発信。彼らの視線、宿る熱いもの、日々のときめき。

そこに、わたしのZINEもちゃんと並んでいた…!感涙。よーく目に焼き付けたいのに、喜びでくすぐったくて、直視できない。はじめての参観日へ行く保護者も、一体こんな気持ちなのだろうか。

みんな自作のポップで思い思い紹介している

せっかく来たのだから、この機を逃してはもったいない!店主のヤスコさんに、出展者であることを伝えるべく声をかける。しかし、わたしときたら、すっと名乗ることもできぬ始末。「あの、今回出展してて、あの、『だいじょうぶの一粒』というタイトルで…」と挙動不審だったにちがいない。

にもかかわらず、ヤスコさんは「ああ!」と紐解いて、わたしの名前を呼んでくれた。覚えていただいていた、ということにまた熱くなる。

期間中わたしのZINEを手にとってくださった方がいたこと、そのときのご様子などをお話ししてもらった。ああ、なんと優しい空間に参加できたんだろう。うれしいな、うれしいね。

八方塞がりだった自分へ差し伸べてもらった「だいじょうぶ」の粒たちの記憶。ありがたくて、留めておきたくて、それらを綴じたZINE。

ZINE「だいじょうぶの一粒」

そんな自分の創作を必要としてくれた方がいたこと。作ったわたしのほうが、思わず励まされる言葉をかけてもらえたこと。ゆかりのなかった土地でもひとと心を通わせられたこと。
ZINEを通して、あたたかな幸福が、だばだばっとわたしの胸に流れ込んでくる。

つくらなければ出会えなかった。このまちまで、あなたまで、ZINEがわたしを運んでくれた。

そんな優しい記憶を抱いて、今日もまた生活を続けていきます。

りぶらりおさんで出会ったZINESTERさんに
教えてもらったカフェ
いっそうおいしい、いっそうしあわせな帰り道

今夜の1曲

The BeatlesThe Long And Winding Roadを。

真っ赤な背景に黄色で“1”と描かれたアルバム。実家の車で、助手席の兄がよくかけていた。この歌はそのなかの最後の歌。音楽の持つムードゆえか、それともアルバムが終わるさみしさなのか、子供ながらに後部座席でしんみり聴いていた。一方で、そんなふうにして歌にはいりこむ時間のことを、ませたわたしはどこかで気に入っていた。

長く、曲がりくねった道。ずっとたどりつけない扉。

お焚き上げできない苦しさも、生きていればきっとある。期待も虚しいだけ、とも思うかも。だけど、絶望のなかにも慰めはあっていい。いつか昇華することだってある、ってどうせ未来がわかんないなら信じるほうでいたい。

だって、ビートルズ。大人になってもずっと、なんなら今夜も。わたし、この歌に心掴まれたまんまだよ。


あとちょっと、あとちょっとで!
怒涛だった年度末もゴールですね。励まし合って、手を取り合って、いっしょにぶじに週末笑いあいましょう…!

今日もお疲れ様でした。あなたも、わたしも。



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