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多様な価値観を知る、iCARE的“DEI”活動の一歩「iChallenge」

こんにちは。株式会社iCAREで広報をしているおーちゃんこと、呉です。
iCAREでは人事部門とは独立した、文化醸成を担う「iCARE文化村」という組織があります。今回は私もその一員として活動した、5代目のDEIに通じる活動を紹介します。

iCARE的“DEI”活動の背景

DEIとは

突然ですが、DEIをもしご存知ない方がいたら・・・簡単にお伝えすると、
年齢や性別、国籍や民族、教育など、あらゆる違い・多様性を認め、公平で包括的に扱われている状態のことで、
・Diversity(ダイバーシティ)
・Equity(エクイティ)
・Inclusion(インクルージョン)
の頭文字をとってDEIと呼ばれています。

特に欧米では歴史的背景から人権・マイノリティに関する議論は活発で、投資家の目線も一層強くなり、企業活動の中でも非常に活発な例があります。日本でも、高齢者や障害のある人、女性など、社会的にハードルが多いと認識されているところから議論が増えていっていますよね。
国内企業においても、DEIの考え方で人材確保や採用強化、イノベーションに繋げようという試みが大手企業中心に拡がっています。

iCAREで起きていたこと

iCAREは様々なバックグラウンドを持つメンバーが多様な働き方を選択し、働いている組織です。そして、多様な価値観を大事にする文化があります。

とはいえ、この活動を起案した当時2021年12月は社員が100名を超え(現在は140名ほど)以下のような変化が見えてきました

・どんどん新しいメンバーが増えていた
・コロナ禍の在宅勤務や各種イベントなどがなくなっていた
・多様な働き方を模索する社員が以前より増えた(育児・子育て、介護、通院、学業)

部分的には多様な価値観を大事にすることはできていたかもしれませんが、多様な価値観の“多様”の度合いが以前の感覚よりさらに拡がっていたこと、それらを包括する組織運営を考える機会が不足していたと思います。

自分が感じていたこと

私はプライベートでは、5,3,0歳の子どもがいます。
当時、3番目の娘が生まれて3ヶ月ほど、業務も文化村の役割も時短・リモートで実施させてもらっていました。その段階では、出社頻度の高いメンバーの方が割合は高く、その中で特別な事情を受け入れてもらった感覚がゼロではなく、「申し訳ない」という気持ちや、依頼や声かけに「遠慮してしまう」そんな気持ちがあったのは事実です。
それは、スタートアップのスピード感とバランスをとることの難しさや、顔が見える機会が減っていたからの精神的な距離感からだと思います。

もしこの先iCAREでより一層多様な選択・価値観が増えていくとすれば・・・
きっと働き方も多様になっていく…
その時に、例えば、もし限定的な働き方・時短勤務を選んだ人が組織の抱える高い目標に対しての「コミットメントが弱い」とネガティブに捉えることがあれば、その人にとっても組織にとってももったいないことだな、と思ったのです。

働く時間の長さ=コミットメントでない認識が社会的に拡がってきた、とはいえ、当事者になると仕事を頑張っている人こそそういった自責の感情が芽生えやすいように思います。

時短や在宅勤務だけの話ではなく、さまざまな働き方の選択を受け入れることは人材の確保の観点だけでなく、組織にポジティブに影響していく、今はそう捉えられている時代ですよね。でも、どうやったらポジティブに働くのか、当事者はわからないし、組織を運営する様々な立場でもまた捉え方は違うはず。

私の意見=ワーキングマザーとしての働き方における一意見、という自覚もあるので、まずは文化村に相談・提案しました。フラットな場にしたい、それはみなさん考えが同じで、改めて文化村メンバーの凄みに敬意を覚え、心強さを感じました。
“多様な価値観を尊重するiCARE的”な、偏った視点にならない活動にするにはどんなことから始められるだろうか、という議論から出発し、無事に実施に漕ぎ着けました。

「iChallenge」とは

第2回のアジェンダ

この活動の名称は“iChallenge”(アイチャレンジ)に決定しました!iCAREのDEI活動にゆくゆくは繋がっていくことを想定しつつ、多様性を認め生かす風土創りにチャレンジしていくぞ!という位置付けです。
5代目文化村の任期はその段階で残り3ヶ月、「様々な価値観を知る」ために、働き方や休みの取り方をテーマにディスカッションの場を設定しました。

iChallengeのネーミング

ネーミングの由来は
・iCAREの活動・文化的活動は「i」から始まるものが多い
・名称にDEI要素を敢えて含めないことで参加ハードルを下げる
(含めてしまうと、難しさや、無関係を感じる人は一定いる)
・Challengeはこれから出発して取り組んでいこう、という前向きなイメージ(知識・認識レベルを一旦フラットにできる)

名称が決まり、毎週木曜日の全体定例や、Slackのチャンネルで呼びかけたり、#icare_ichallengeという専用チャンネルを作って情報を共有したり・・・アナウンスを開始したのが今年の始め。
文化村の毎週の定例でも当日の運営や参加者へのハードルを下げる工夫を引き続き議論しました。
時短やリモートの人が参加しやすいように、部長陣にコンセンサスを取り付けておくなども議論から出た工夫です。

開催内容

<ざっくりこんな概要>
・あらかじめ決まったテーマについてグループディスカッション
・毎月1週目の平日のお昼時にオンライン開催
・お昼ご飯を食べながら参加OK
・トークに参加しない、オーディエンス参加もOK

<トークのテーマ>
1回目「時間の制約のある人、ない人の違い」
2回目「セルフケア、チルアウト、有給をどう使う」

参加者の声

年次、役割、部署、普段関わりのない人同士の交流を図る機会にもなりました。
参加者の感想を一部紹介します。

・自分のチームに時短メンバーも増えてきたので、働きやすいチームづくりをしたい
・自分のこれからの選択肢として、育児する側になったり、時短で働いたりする時期もあると思うので、色んな考え方を知れてよかった
・わかってもらいたいなら、わかってもらう工夫が必要。たとえば帰宅時間や稼働時間などわかりやすく表示するなど、意思表示の大切さを知った
・制約あるから仕事振らないって会社じゃないけど、その時々や個々人で希望のラインが違うので、コミュニケーションが大事

第1回参加者のトーク「時間の制約ある人・ない人」

・ユニークだなと入社する前から思っていた有給制度の話からiCAREの文化を知ることもできた
・心の健康という意味では、セルフケアデイの過ごし方も色々あって参考になった
・休みの取り易さは業務内容や役割にもよるが、部署で推進していくことも必要
・休みは本気で休む。カレンダーに早めに公開しておくことで、あらかじめ業務を調整しておく

第2回参加者のトーク「休みの取り方」

現在の活動

iChallengeの名称では今Qは開催されていませんが、多様な価値観を大事にする・包括できる職場づくりにも繋がる、以下のような人事制度や仕組みが新たに始まっています。

FRC「ファイブリングス・チャレンジ」
Carelyファイブリングスのフレームワークに基づき、5つの要素からチーム・個人で取り組み内容を設定し、週2時間を使って社員それぞれが主体性を持って「働くひとの健康創り」のための企画を立案し、チャレンジできる人事制度です。活動については各部署のメンバーがnoteで発信しています。

何をテーマにどんな活動をするかはチーム・個々である程度自由に設定できる、という意味では活動そのものが多様性を尊重するものだと捉えられます。5つの要素の一つ、働きやすさを向上させることは以前iChallengeでやったテーマからも繋がっていきます。

「Employee Relations」設置
各種部活動や、研修、CxOとの意見交換の場など、社員と会社の関係づくりを担う役割をもつ部門が新たにできました。社員のモヤモヤを吸い上げる仕組みも運用開始されています。

DEIの思想は同じでも、取り組む内容や進め方は企業ごとであるべきだと思います。先進的である必要もなく、働くひとにより受け入れられやすくするには、例えば今回のiChallengeのように草の根的な活動もひとつではないかと。

女性活躍や、ダイバーシティ文脈で女性中心のシスターフッド的なものになりすぎると、一部が孤立したり、観点が偏ったり、解決に向けて余計なバイアスが含まれてしまう可能性も大いにあるため注意は必要だと思います。
私自身は韓国にルーツをもついわゆる外国人カテゴリーに置かれてきたこともあり、女性だとか外国人だとかの括りではなく、1人のひととして尊重することを大事にしたいとも思っています。
(ただし、こういった取り組みで様々な声を集めるプロセスにおいて、また集まった声やデータを分析する上ではカテゴライズは必要であることも認識しています。)

急拡大するスタートアップ企業の方や、これからDEIに向けて取り組む企業の方、それぞれ良い活動にしていけると良いですよね。
iCAREも引き続きチャレンジしていくことと思います!




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