また、終わりが来た
また、ひとつ終わった。毎日が楽しくて仕方がなかった16歳からの関係が終わった。
気づけばもうあれから6年も経っていた。短かった。一瞬だった。
もっと続くと思っていた。心のどこかで私たちはきっと大丈夫だと思っていた。
運命の人はこの人だと確信していた。
SNSに載せるでもなく、誰かに自慢するわけでもなく、私の中で大切にしていた。大事な人にだけ伝えていた。でも、それすらもほんの一部。大切なことは全部私の中で私だけのものにしていた。
誰にも伝えたくないほど、大切に思っていると、自分で思っていた。
大切にしていた「つもり」だけだったのかもしれない。
貰ったものは数え切れないほどある。同じ時間を過ごさなければ感じられなかったことも、きっと数え切れないほど。
私はそれらと同じ価値のものを返せていただろうか。
私が渡すものや伝えることは、きっと、安っぽく、薄っぺらく、軽々しくて、ガラクタのようだった。
そんな人間に付き合って6年も一緒に過ごすのは、どうだったのだろうか。
少しでも良い思い出になっただろうか、楽しかっただろうか、嬉しいことはあっただろうか。少しでも頭の片隅の記憶に残ることができるだろうか。
少し時間が経って、ふと思い出した時にため息をつくことがないような時間だっただろうか。
残りの何十年という時間を私はまた誰かと過ごせるだろうか。誰かの特別な人になれるだろうか。
この先の長い時間を一緒に過ごしたかったと思うことは、いけないことだったのか。
今はそんなこと考えられそうもない。誰かに思ってもらえるような人間にはなれそうもない。
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