自然界が基盤にない科学の恐ろしさ
こんばんは^_^
仕事で関西に戻っているのですが、
昨日、京都で惑星科学者の先輩に素晴らしい方とお繋ぎいただきました。
日本の食糧自給率、食料安全保障の問題を危惧して、持続可能な農業・動物を活用した耕作放棄地の再生に取り組んでこられた方で、農業はもちろん、京都でオーガニックスーパーの経営や大阪で乗馬クラブなどの経営をされている方でした。
牛と豚と山羊、そして鶏の、耕作放棄地での役割の違いと連携の話もとても勉強になりましたが、
何より、現代社会について改めて考えるきっかけとなりました。
日本の食糧自給率は38%ですが、家畜のエサや種などを含めると、10%、いやもっと少ないという話もあります。
つまり、私たちは生きていく上で一番大切な食べ物を、ほとんど海外からの輸入に頼っています。
かつて、レバノンでは、日本と同水準の食料自給率でしたが、財政破綻が起こり、今では食糧の配給が足りず暴動や襲撃が起こっているという話を聞きました。
その方曰く、現在レバノンでは、国民の約半分が食糧不足で飢えているそうです。
そして、これは日本の近未来とも言えると思います。
北陸新幹線の延通により、京都の山間部もトンネルを掘り線路を通そうとしていますが、
そんなことをすれば、農地の水源が止まってしまう、と言います。
「経済効果や利便性を考えたら新幹線を通した方がいいじゃないか」
「経済と農業、どちらも大切だから難しい問題だ」
と思う方もいらっしゃるでしょうが、
私は、そもそも自然界が基盤に無い科学技術や経済、社会とは、自らを滅ぼしに向かう非常に恐ろしく愚かなものだと思うのです。
もちろん、私も都会で生まれ育ち、自然界というものをよく知らずに大学で自然科学を学び、研究をしていました。
昔は国民のほとんどが農家でした。
農家出身の人が街に出て、進学したり、研究開発をしていた頃はまだ良かったかもしれません。
都会で農業も知らずに生きていると、
「水源?なにそれ」
という感覚です。
それが自分たちの生命を繋いでいるとは思いもよらないのです。
これがどれだけ異常なことか。
都会と田舎を行き来して、
都会しか知らない子たちに物理学を教え
田舎で自然界に触れ農業をするようになり、
ますます「自然が無い」「自然を知らない」ことのヤバさを感じるようになりました。
自然が基盤に無い科学、そして教育に携わり、
自分はもしかして、ものすごく日本や地球の未来に対して、罪深いことをしているのではないかと思いました。
政治家が裏金問題で騒ぐ間に
経営者やコンサルタントがミーティングをする間に
科学者が「あーでもない、こーでもない」と言ってる間に
経営難や高齢化で農家は潰れ、耕作放棄地が広がり、海は荒れ、
食糧自給率はますます低下していきます。
未来をつなぐために、本当に必要なことはなんでしょう?
「食べ物に感謝」
「一次産業は大事」
そんなきれいごとを言う間に、農家は潰れていきます。
国民の半分が食糧にありつけなくなり、
食べ物をめぐって暴動が起きる
そんな未来は近いかもしれません。
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