とある高専での会話

仕事で神戸に戻っています。

火曜と水曜は神戸高専の非常勤講師として、学生に物理を教えています。

火曜日のお昼は、物理の教室の鍵を取りに実験室の控え室にいくと、
ベテランの地学の先生がいらっしゃって、いつも色々お話をしてくれます。

その地学の先生は、「宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学」という本も執筆されており、高校生向けの地学問題集なども作られるなど、大変実績があるそうです。
気象予報士の資格もお持ちだとか。

昼休みに控え室に戻ると、いつもレポートの採点や、生徒の特徴や好きな物などを名簿にメモしたりされていて、とても熱心な先生です。

昨日部屋に行くと、

「前田さんは、この先は大学の先生とかを目指してるの?それか、高専に勤める感じ?」

と聞かれました。
高専で私自身のことを聞かれるのは初めてです。

「そうですね。。普通はそういうことを考えるのかもしれませんが、私はあんまりそういうのには魅力を感じてなくて、、
まあ、一応大学でも雇ってもらってはいるんですが。
実は今、長崎で農業をしてるんです。」

先生は一瞬ポカン😶とされて、
「長崎って、九州の?」

「そうです。
今朝も5時に起きて長崎から来ました」

「???」

「自然界というものをきちんと理解したくて。自然科学をずっと学んできたけど、本当の自然ってよくわかってないなと思って。
一方で、自然の中で農業などして暮らしてる方たちの方が、自然のことをよく理解している気がして。
もちろん、それは体感的なものであったり、直感的なものであったりするのですけど。
科学って手段の一つだと思ってて。私はただ、本質が知りたいだけなんです」

「そ、そうなんだ。それは、、、、

すごいですね😅」

予鈴が鳴ったので、そこで会話はおしまいだったけど、

まあ、そうなるかあ。
と同時に、
自然科学の世界に、私みたいなこと考える人って、ほんまにおらんのかなあ

と、少し思った。

世間の常識と自分の感覚とのギャップを感じた。

頭おかしいとか、変人とかはよく言われるけど。。。

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