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北海道の旭川にある「レンタルスペース森と小屋」のオーナー。 約7.4ha(東京ドーム1…

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北海道の旭川にある「レンタルスペース森と小屋」のオーナー。 約7.4ha(東京ドーム1.6個分)の森の中に定員4名の小屋を建てました。 webサイト→https://www.mori-to-koya.com/

最近の記事

森とつながる窓から野鳥を眺める

小屋に配置している大きな窓は二つ。一つはデスク前にあり、ここから森の様子を眺めながら仕事をすることができます。現在、丸太を処理して薪にする作業真っただ中なのですが、一時的に山積みにしている薪に色んな野鳥がやってきています。たとえば・・・ 森の中で時々ツクツクボウシの鳴きまねをしているキビタキ。 藪の中で「シーシーシーシーシーシー」と鳴いていて滅多に現れないヤブサメ。 人間が身近にいる環境で繁殖するスズメに対し、それより森林を好むニュウナイスズメ。全て窓ガラス越しに撮って

    • 森は野鳥たちのさえずりで溢れかえっています

      この時期の森は、繁殖期に入った野鳥のさえずりであふれかえっています。小屋は森に囲まれているので、窓を開けただけで色んな種類の鳥の声が飛び込んできます。 さえずりのピークは春から初夏ごろまでで、その期間は小屋にいれば四六時中聞けます。 周辺に民家はなく、小屋前の林道を通過する車もごく稀。誰にも邪魔されないプライベート空間の様子を動画でちょこっとシェアします。 動画に収まっている声 ツツドリ、アオジ、ゴジュウカラ、ウグイス、シジュウカラ、クロツグミ、ヤブサメ、センダイムシクイ

      • 森にキビタキが到着

        小屋のパーソナルチェアでお昼休憩を取っていると、窓の前を一瞬通過する鳥影を見ました。一部が黄色っぽかったので、キビタキかキセキレイか。こうなると食べていたご飯なんてそっちのけになるわたしです。 窓は閉めたまま、そろっと外を見渡し見つけました、キビタキ。 「この森にも到着したかー、そっかそっかー、季節が進んだねぇ。は~やれやれ。」と食べかけのご飯をかきこみ、撮った画像を確認しながらこの記事を書いていると、今度はデスクの前の窓からキビタキを確認。さらに、その奥の笹薮ではウグイスか

        • 森の中の小屋で鳥のさえずりを聞きながら手紙を書く

          森の中にある小屋は、めったに車が通らない静かな場所にあるので、集中して作業に取り組みたいときにもってこいな空間です。雨降りで外作業がお休みの先日、過去に繋がりのあった中でも特別な方たちに手紙を書いていました。雨と言っても野鳥たちは繁殖のため盛んにさえずっています。最高のBGMですね。 さて、手紙は何十通にもなるので印刷しても良かったのでしょうが、今回は特別なので手書きで書き上げました。字がヘタでも、文法が間違っていても、誤字脱字があっても、手書きの手紙というのは人となりが出る

        森とつながる窓から野鳥を眺める

          小屋周辺の環境整備推進中

          7.4haの森の一角を開拓したときに出た丸太。小屋には薪ストーブがあるので、自分たちで玉切りをして割って薪にしよう、と言いながら1年半。拠点を設けたことで、本格的に始動しました。 伐採したた当初は順番にちょこちょこやっていけば・・・なんて思っていましたが、この量を捌くのは素人には厳しいというのがよく分かりました。 それでも、若手林業家にアシストしてもらって丸太の3/4は玉切りすることができました。 が、玉切りされた丸太を割ると体積が増えるので、出来上がった薪を積み上げる

          小屋周辺の環境整備推進中

          小屋周辺の様子

          前回の記事でも書いた通り、丸太を玉切りにして割った薪が 大量に山積みになっています。 薪を片付けるには薪棚が必要ですが、玉切りを優先したため薪棚の準備はこれからです。簡易的な薪棚をパレットを組んで作っていきます。プレオープンまでには何とか薪を片付けたい所です。・・・がんばります。 小屋周辺の植物は木々の芽吹きがようやく始まり、その下で咲いていたカタクリはもはや終盤。あと数日で完全に花は終わることでしょう。 カタクリをはじめとするいわゆる「スプリングエフェメラル」が終盤にな

          小屋周辺の様子

          土地探しそして開拓から小屋建設まで4年半

          2019年3月頃から、自分たちが楽しめて、それでいて未来の人に残したいと思えるような森を探し始め、 2021年に土地を取得、 2023年10月に小屋が建設され開業準備スタート。 2024年にようやくゲストをお迎えできる最低限の状態にまでもってこられました。足掛け4年半! それでも、まだまだ準備すべきことが山ほどあり、小屋に訪問して頂ければ一目でお分かりになると思いますが、「ここはまだ準備中だな・・・」という所が多々あります。 よって完全オープンという形ではなく2024年はプレ

          土地探しそして開拓から小屋建設まで4年半

          ひたすら薪割り

          森の中に小屋を建てるため 一部を伐採し、その時に出た 丸太を敷地の一角に積み上げて 約2年弱。 これでもかと山積みになっています。 このままではせっかくの材が 腐ってしまいますし、 この夏には丸太のある場所に 物置小屋を建てる予定なので 早急にどかさなければなりません。 しかし、我々夫婦だけで すぐに捌くのは厳しい量、、、 ということで将来有望な 若手林業家に仕事を依頼。 ひたすら玉切りしてください! とお願いし、 2日間でここまで丸太を 捌いてもらいました。 我々はそれを

          ひたすら薪割り

          女性野外活動従事者のための注意点:安全・快適に活動するための4つのポイント

          はじめに 野外活動従事者の中でも女性のみなさん、女性だから困っていること、悩んでいることはありませんか?現在の野外活動を主とする業界は、男性が中心の状況が続いていると思います。そのため、女性の体だからこその悩みや不安、不便さについての共感や相談ができず、我慢するしかない状況に陥っている人は多いのではないでしょうか。野外で活動(仕事)をする上で、このタイトルが示す通り、野外で仕事をする女性が抱えがちな問題について、 1.トイレ問題 2.生理問題 3.セクハラ問題 4.化粧、香

          有料
          500

          女性野外活動従事者のための注意点:安全・快適に活動する…

          自然が壊されていく様をただ黙って見ているわけにはいかない

          私は大学を卒業してから一貫して、自然に携わる仕事をしてきた。 子供のころは、自然を守ることそのものが目的で、 若いころは、自然観察の楽しさ、奥深さ、新しいことを知る喜びをみんなとシェアし同志を増やすことが目的だったけれど、 今はそれが手段になった。 なぜか。私は自然観察を通した体験、遊び、または何もせず自然の中に身を置くことが大好きだ。 でも、未来の人たちが私と同じように、自然を利用することはできなくなってしまった。貧弱でも残っているだけまだ良い。そもそもの場は、減った。 昔

          自然が壊されていく様をただ黙って見ているわけにはいかない

          室蘭に春がやってきた

          雪国の冬は長い。 その雪が解け、地面が顔を出す早春、そこから芽を出す植物たちがある。 春に芽を出す植物は、ぐんぐん背を伸ばし、葉を広げ、あっという間に花を咲かせる。 あたり一面、落ち葉で茶色かった地面が、急に華やかになる。 黄、青、ピンク、白、多彩な顔ぶれだ。 待ちに待った春が、またやってきた。 この時期は、10日もすれば景色は様変わりする。 見逃すまいと思うあまり、毎日のように足を運んでしまう。 四六時中、フィールドのことを考えてしまう。 こうなると外のことが気に

          室蘭に春がやってきた

          気分が晴れないときは森に行く

          あらゆることが自身の内面に影響を及ぼし、混沌とした気持ちになったとき、私は意識的に森に出かける。登山をするのも海岸へ行くのも良いけれど、森を歩くのがたぶん一番性に合っている。 森を歩き、雪上に現れた1mm程度の小さな虫を見つけ、冬が開けようとしているのを知り、季節移動をする鳥の群れから今が端境期であることを認め、雪間から越冬中の葉をのぞかせる植物の様子から間もなく迎える春を実感する。 一つ一つは些細なこと。日々刻々と変化する自然を見る能力など、現代社会で生きていく上で必要

          気分が晴れないときは森に行く

          未来の人に森を残したい理由

          最近、40~60年ほど前に書かれた植物誌や学術的レポートを読んでいる。 そこには、私がいま住んでいる地域の植物が網羅的に書かれていて、貴重な植物の名前が随所に現れる。かつてのここが、非常に興味深い場所だったことをうかがい知る。 同時に色んな湿原、原野の名前が出てくる。 それらは全て、住宅地、商業地、更地となり消失した場所の名だ。 そこにあった貴重な植物、またそれらを生育可能な状態にしていた大地はもう見ることができないのだ。「暗澹たる思い」以外に言葉が見つからない。 こうし

          未来の人に森を残したい理由

          冬の森の朝

          一年の中で雪の降り積もる季節が一番好きだ。 私の住む地域は北海道の中でも雪が少ないが、ようやく積雪が増してきた。 今朝、玄関から歩き出すと、「ぎゅっ、ぎゅっ」と乾いた雪の音が足元から聞こえてきた。 さっそく森へ出かける。 植物屋の人からすれば、植物が枯れてしまう秋や冬よりも、春や夏の方が断然良いと言うだろう。 私も植物をメインに自然観察をするから、それはよく分かるし、いろんな植物が観察できる春夏は確かに楽しい。でも、そうした利益や目的を差し置いて、純粋な「好き」という気

          冬の森の朝

          未来の人に残す森を買ったはなし

          先日、夫婦でこの森を買った。 広さは74,000㎡、東京ドーム約1.6個分。 電気もガスも水道もない。 この森をこれからどうするのか、未来の人に残すとはどういうことなのか、 それを周囲の人に説明する気はほとんどなかった。 ビジョンを語ったり、目標を掲げてアピールしたり、そういうことをするより前に「思ったら淡々とやる」が性に合うからだ。 自分の内側の声を拾い上げるのも、誰かと語り合っていると聞き取れなくなり立ち止まってしまうから、一人で黙々と考え結論を出す方が良い。 それだから

          未来の人に残す森を買ったはなし

          毎日変化する春の森はソワソワする。

          早春。 北海道は3月下旬頃から。 雪解けが始まれば、春はすぐ隣にやってくる。 春。 地面が顔を出せば、足元の植物たちが一気に花開く。 春紅葉。 春一番の花が終わりを迎える頃、今度は頭上の木々が芽を開く。 日々刻々。 今日とは違う明日の森。さあ、春のフィールドへ。

          毎日変化する春の森はソワソワする。