キレるとかコンプレックスとか

人はなぜキレるのか?を知りたくなった。勝手な予想だけど、キレる人は悲しみも大きい、要は感情の起伏が激しいのだ。キレるのは落ち着くまで黙っていれば元に戻るかもしれない。一方で落ち込んでしまったら、そう簡単には戻らない。だからアップであれダウンであれ、それだけ気持ちが動く背景を知りたくなった。

脳科学的な説明

キレる要因はひとつではないが、自分の中でひとつ参考になる考え方が脳科学にあった。脳の未発達な前頭前野がキレやすい傾向を生むというものだ。前頭前野とは物事を把握して、欲望や感情を抑える働きをするところだ。ここは脳の中でも成長のタイミングが遅く、10代の終わりまで発達し続けるところと言われている。勉強脳と同じで、こちらも使えば使うほど成長するというものだ。ただその使い方によっては成長がうまくいかないケースがあり得る。そこに、心理学者のボウルビィの「愛着理論」という考えがある。

子供は社会的、精神的発達を正常に行うために、少なくとも一人の養育者と親密な関係を維持しなければならず、それが無ければ、子供は社会的、心理学的な問題を抱えるようになる。(wikipedia)

子供時代に養育者との親密な関係を築くことができると、愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが豊富に分泌され、それが脳の前頭前皮質を発達させ、キレにくい脳を育ててくれる、という話が生まれます。

子供のころの愛着形成が不十分であることにより、不安型の心理を持つと、恋愛体質だったり相手に依存しすぎたりするタイプになることがあります。これは条件付きで愛された人に多く見られる傾向です。いい子にしてると褒めてもらえる、期待に応えると可愛がられる、自分自身が愛されているというよりも特定の存在でいたことで愛されるというものです。そんな人の怒りは大人になるとパートナーに向けられることが多くなるそうです。自分が求めていることをやってもらえない、自分の期待通りの反応がこない、そこへの不安が怒りという表現になるそうです。

発達の速度は遅くなるかもしれませんが、もちろん脳は大人になっても発達できるはずなので、少しでも改善に役立てる接し方があるならば考えたいところ。そのためにはフレームを変えないといけないのかな。条件付きではない、枠組みのない受け入れ方を長い時間をかけてすりこむことなのかな?もちろん答えはない。ただ、条件を意識させすぎない接し方をすることが望ましいと思える。

コンプレックスという捉え方

問題行動の多くは、コンプレックスに支配されています。 コンプレックスとは劣等感という意味ではなく、「無意識の中に閉じ込められた、複雑に絡まり合った感情」のことを指します。人の心は複雑であり、自我を持った状態では接することのできないものを無意識の中に閉じ込めてしまうそうです。思い出したくもない過去や、常識的ではない考え方、人間誰しもが抱えている問題を自我によってしっかりと認知し、理性によってコントロールしようとする努力が追いつかないほど問題があまりにも深刻で、直視できないほどに大きい場合、理性ではコントロールできず、他者にバレてしまうことを恐れる以前に、自分で認めることができなくなります。 そして、心の奥底、無意識の領域に閉じ込め、最初からなにもなかったことにしてしまうのです。 これがコンプレックスです。

そんな隠された自分が何かの拍子で表に出てしまうと、認めたくない思いが強く、理性のコントロールが効かなくなり、突然怒り出したり、気持ちが悪いほど同調してきたり、異常なまでに無関心を装うという行動として現れます。自然に振る舞えなくなるのです。

そんな時、人は誰かの言葉を引用しあたかもその人物と自分が同じ人間であるような振る舞いをしたり、徹底的に他人のせいにし自分には非がないと怒り出したり、本当は関心があるのに自分が無関心であることを一生懸命アピールするような行動を取るそうです。心理学的にいうとこれは「防衛機制」と言うそうです。

防衛機能とは?

同一視 : 引き合いに出す対象と自分を無意識に混同し、「自分も彼らのようにできるけど本気を出していない」と信じることで心の安定を得ようとする。

投影 : 自分の認めたくない資質や感情を押し付ける。他人のせいにする感じ。自分は怒りたくて怒っているわけではない、こんなことをされたからだ、という話が多いケース。

反動形成 : 自分が満たされたいと思っている欲求を認めたくないばかりに、徹底的に無関心を装う。それがなくても自分の人生に不利益がない、などの利得話が多いケース。

これは根本的な解決は難しいとされていますが、自分自身で気づくことが重要と言われています。そもそも本人は自分に自信がないと思っていない、超自我の部分で扱われている反応となるので、コンプレックス反応として出ているとは思っていない。もし学ぶと言う気持ちより、否定すると言う気持ちが自然と出てしまう場合はその裏にコンプレックスがある可能性があります。つまり、自分の反応に気づき理解することで、これはコンプレックスかもしれないと知ることができる可能性が高まります。そして、アドバイスを聞く人を間違わない限り、正常な心で接することができるようになります。アドバイスを聞く人を間違うと、そこでもコンプレックス反応が出たり、誤った方向に進んでしまうかもしれません。正しいアドバイザーと理解されること、正しいアドバイスができること、が自分に求められるのかもしれません。そして、自分にも正しいアドバイザーが必要となりましょう。

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